名作でした。
迷い込んだ鳩が大空に飛び立ち、俯瞰で田園風景を眺めながら、
執事として全うした彼の人生は、すべてこの屋敷の中で起きていたんだと思うと、
感情が一気に押し寄せてきて、なんとも言えない気持ちになりました。
究極の大人の恋愛映画。
お互い気持ちを明かすことはない。
でも、仕事を通じて心を通わせたことは間違いないはす。
読んでいる本を見せてと言い寄るシーンはドキドキしましたね。
エロティックだった。
第2次大戦前の情勢と絡んで屋敷は国際会議の裏舞台の場でもあって、
ナチスに宥和的だった雇い主は最後は失意の日々を送る。
時代によって価値観が揺れ動く中、政治的な思想は持たずに執事の使命を全うする。
恋愛ドラマだけでなく、そういう背景も面白かった。
アンソニー・ホプキンスが流石の素晴らしさでした。
静かな上品な作品でした。
日の名残り(原題:THE REMAINS OF THE DAY)1993年 ☆☆☆☆☆
監督:ジェームズ・アイヴォリー
出演:アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソン、ジェームズ・フォックス
原作:カズオ・イシグロ
1958年。オックスフォードのダーリントン・ホールは、前の持ち主のダーリントン卿(ジェームズ・フォックス)が亡くなり、アメリカ人の富豪ルイス(クリストファー・リーヴ)の手に渡っていた。かつては政府要人や外交使節で賑わった屋敷は使用人もほとんど去り、老執事スティーヴンス(アンソニー・ホプキンス)の手に余った。そんな折、以前屋敷で働いていたベン夫人(エマ・トンプソン)から手紙をもらったスティーヴンスは彼女の元を訪ねることにする。
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