ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『太陽にほえろ!』#069

2019-03-25 00:00:15 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第69話『初恋への殺意』

(1973.11.9.OA/脚本=鎌田敏夫/監督=児玉 進)

残酷大将=鎌田敏夫さんの恐怖劇場が冒頭から炸裂するエピソードです。

真っ暗な部屋で、男が女をナイフで刺し殺す光景(の写真)がスライド上映され、それを上品な和服姿の女が、泥酔して朦朧となってる少女に無理やり見せている!

しかも、画像では判りにくいですが、少女は両眼を粘着テープで(瞬き出来ないように)固定されている!

「さぁ、見るのよ。あんたのお父さんが、お母さんを刺し殺す姿を!」

女は、総理大臣候補とも言われる有名政治家=森岡(家弓家正)の妻=悦子(稲垣光穂子)で、少女は森岡の浮気相手の娘=京子(沢まき子)。

悦子は書生の福富(松宮五郎)と共謀して京子の母を殺し、それを父親の犯行だと思い込ませる為に、京子を洗脳してるワケです。

現在では(恐らくオウム事件以降)地上波じゃNGなネタかと思われます。それ以前に、ビジュアルがいくら何でも怖すぎますw

悦子の計画通り、京子は「お母さんはお父さんに殺された」と証言し、父親の溺死体が遠く離れた故郷の海で発見され、地元警察は罪悪感による自殺として処理しちゃう。

それを我らが鬼刑事=山さん(露口 茂)が、驚異的な洞察力と執念の捜査で覆し、真相を暴いて行きます。

第49話『そのとき時計は止まった』では、事件の鍵を握る若い家政婦(川口 晶)の孤独な生い立ちに、自分自身の影を見た山さん。そして今回の山さんは、実際に母親を父親に殺された中学時代のクラスメート女子の面影を、京子に見たのでした。

それは山さんの初恋だったワケですが、何もしてあげられないまま、彼女は自殺してしまった。その悔やんでも悔やみきれない想いが、山さんを執念の捜査へと駆り立てたワケです。

一方、真犯人である悦子は、あくまでも夫=森岡をスキャンダルから守る為に浮気相手(京子の母親)を殺したと言うんだけど、本当の動機は別の所にあるんですね。

京子の母親は、実は森岡の初恋の相手だった。野心と打算しか無い政治の世界で、森岡はかつてのピュアな想いに癒しを求めたワケです。

妻の悦子は、それが許せなかった。自分では絶対に与えられないものを持ってる、京子の母親が憎くてたまらなかったんでしょう。

だから、これは「初恋への殺意」なんですよね。

京子を好演した沢まき子さんは、当時18歳。歌手としてスポ根ドラマ『決めろ!フィニッシュ』の主題歌などをリリースされてますが、芸能活動が短かったのか、詳しいプロフィールが見当たりません。

清楚な容貌の裏に潜む残忍さを見事に表現された、悦子役の稲垣光穂子さんは’50年代から息長く活躍された女優さんで、後に自ら劇団を主宰、現在は会社社長を務めておられます。
 
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『太陽にほえろ!』#066

2019-03-24 12:00:29 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第66話『生き返った白骨美人』

(1973.10.19.OA/脚本=田波靖男&四十物光男&小川 英/監督=山本迪夫)

約4年前に殺されたと思わしき白骨死体が発見され、科学警察研究所の川上技官(天地総子)が生前の顔の復元に取り掛かります。

そんな折り「自首マニア」として知られる初老のマンション管理人=田口(浜村 純)が、4年前に自分の娘(伊藤めぐみ)を殺したと言って、七曲署に自首して来ます。

何しろ自首するのが趣味のオジさんなもんで刑事たちは相手にしないんだけど、復元された顔は確かに田口の娘とソックリで……

先に結末を書きますと、殺された娘は癌を患い、あまりの苦しみで自ら死を望んでた。そんな娘を介護する田口は、彼女を死なせることを幾度となく考えた。

実は別の人間に金目当てで娘は殺されたんだけど、犯人に突き飛ばされて頭を打った田口は記憶を失い、娘に対する罪悪感だけが残った為に、自分が殺人犯だと思い込み、これまで自首を繰り返して来たワケです。

ラストシーンでボス(石原裕次郎)が、自分の父親も癌で亡くなったこと、そして苦しむ父親を死なせてやりたいと何度も考えたことを告白し、「あんたが殺人犯なら俺だって殺人犯だ」と、田口に優しく言って聞かせます。

尊厳死という重いテーマを扱いながら、すっとぼけた田口さんのキャラクター(浜村純さん、名演!)や、負けん気の強い川上技官のハツラツとした言動はむしろコメディータッチで、『太陽』らしい爽やかな後味が残るエピソードになってます。(復元された伊藤めぐみさんの生首が、いきなりカメラ目線で微笑むラストショットがトラウマになった視聴者もいるみたいだけどw)

催眠療法で田口の記憶を掘り起こす医師役に梅野泰靖さん、真犯人役に西沢利明さん、そして聞き込み先のホステス役に阿川泰子さんと、なんだかやけに豪華キャストな作品だったりもします。

後にジャズシンガーとして有名になる阿川泰子さんは、当時22歳。ジーパン=松田優作さんと文学座の同期生で、呑み仲間でもあったそうです。

後に阿川さんが古舘伊知郎さんと一緒に司会を務めるトーク番組『おしゃれ30-30』に優作さんがゲスト出演された際、本作における阿川さんの出演場面が紹介されてました。

そして、メインゲストの天地総子さんは当時32歳。歌手であり女優であり、『オバケのQ太郎』等の声優としても知られた方だけど、何よりNHK『連想ゲーム』における女性軍キャプテンの印象が強く残ってます。

このエピソードにおける川上技官役も非常にキャラが立ってて、セミレギュラーとして活躍されてもおかしくない存在感だけど、残念ながら1本だけの出演に終わりました。

今回は庶務係の久美(青木英美)も冒頭から大活躍で、ミステリー小説のマニアという一面が紹介されました。

「科警研」の仕事内容(正確には科捜研の仕事らしい)や、うそ発見器、催眠療法など、『太陽』じゃ滅多に登場しない要素も満載で、当時のTVドラマとしても異色作だったんじゃないでしょうか?
 
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『太陽にほえろ!』#061

2019-03-24 00:00:12 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第61話『別れは白いハンカチで』

(1973.9.14.OA/脚本=田波靖男&四十物光男&小川 英/監督=山本迪夫)

第4話『プールサイドに黒いバラ』に続く、麻薬Gメン=村岡房江(浜 美枝)と七曲暑新米刑事との対立&共闘を描いた活劇シリーズの第2弾。

ジーパン(松田優作)が追ってる麻薬の売人(黒部 進)が、実は房江ら麻薬Gメンが密かにマークし、わざと泳がせてる男だったもんで、藤堂チームは捜査中止を余儀無くされる。

ところがその売人が組織に暗殺され、潜入してる房江も消される可能性が大きくなり、放っておけないジーパンが単独で房江を救出しようとしたせいで、Gメンの捜査は台無しになっちゃう。

……てなストーリーは『プールサイドに黒いバラ』と基本は同じなんだけど、マカロニ(萩原健一)の暴走をただハラハラと傍観するだけだった房江が、今回はジーパン顔負けの空手アクションで敵を蹴散らすという、アクティブな一面も見せてくれました。

女性が強くなりつつある時代を反映したのかも知れないし、もしかしたら浜美枝さんのご要望だったのかも知れません。

だから、マカロニの時と比べるとロマンス的なムードが希薄なんですよね。ショーケンさんより優作さんの方が大人っぽいにも関わらず。

前回はファッションショーみたいだった浜美枝さんの衣裳も、今回はしっとり大人のムード。それでいて少女みたいな可憐さも垣間見えて、萌えますw

なお、売人を演じた黒部進さんは言わずと知れた『ウルトラマン』の主人公=ハヤタ隊員。この頃から現代劇、時代劇問わず悪役が多くなって行きます。

ほか、麻薬組織の幹部として宮口二郎、影山達之、内田勝正etc…と、色んな番組でお見かけするコワモテ俳優さんが勢揃いし、さながら悪役オールスターズといった趣です。

もちろん優作さんの立ち回りや疾走シーンもふんだんに盛り込まれ、理屈抜きに楽しめる娯楽アクション編になってます。
 
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『太陽にほえろ!』#060

2019-03-23 12:00:16 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第60話『新宿に朝は来るけれど』

(1973.9.7.OA/脚本=鴨井達比古/監督=竹林 進)

ある朝、新宿公園で中年男の刺殺死体が発見されます。殺されたのは防災対策研究所の生真面目な学者=中原(大塚国夫)。

そのYシャツに付着した口紅の持ち主を探るべく、ジーパン(松田優作)とシンコ(関根恵子)がカップルを装い、中原がよく呑みに行ってたバーに潜入。そこでヤクザ達に連れ去られそうになったホステス=恵美(桃井かおり)を、無我夢中で助けるジーパン。

そんなジーパンを自分達の「仲間」だと直感した恵美は、あっけらかんと言うのでした。

「人、殺しちゃった」

人懐っこい恵美と瞬時に意気投合し、一緒に呑み歩きながら彼女の無邪気さに惹かれていくジーパン。

「こんな子が、人を殺すだろうか? こんな子が……」

ただの冗談であって欲しい。そんなジーパンの願いも虚しく、死体に付着した口紅は恵美の物である事が立証されてしまいます。

将来の事など何も考えず、とにかく今この時を楽しんで生きようとする恵美は、夜の新宿をウロつく若者たちを象徴するような存在で、ジーパンもまたそんな若者の1人であり、だから「仲間」だと感じたんでしょう。

一方、防災対策研究所でずっと地震を研究して来た中原は、いずれ首都を襲うであろう直下型の大地震=東京の破滅を恐れるあまりに、現実から逃避しようとしてた。

そんな時に恵美と出逢い、愛し合い、全てを忘れ、楽しい数日間を過ごした中原は、ふとこう言ったのです。

「こんな想いのまま死にたい」

だけど彼には仕事があり、家族もいる。後ろ髪を引かれながら現実社会に帰って行こうとする中原の胸に、恵美は店から持ち出したナイフを突き刺したのでした。

「どうして? 新宿って夜はあんなに怖いのに、朝はどうしてこんなに優しいの?」

早朝の新宿公園でそう呟く恵美の横顔を、黙って見つめるジーパン。やがて同僚たちが歩み寄り、彼女の腕に手錠を掛けた瞬間、ジーパンは無我夢中で走り出し、子供みたいに泣き叫ぶのでした。

このエピソードを初めて(夕方の再放送で)観た時、私はまだ中学生のガキンチョゆえにピンと来ませんでした。だけど大人になって社会に出てあれこれ経験し、いつしか「破滅です」が口癖になっちゃった今の私には、中原さんの耐え難い絶望感と、それゆえに恵美みたいな女の子に溺れちゃう気持ちが、ホント痛いほどよく解ります。

ジーパンにもきっと、同じような資質があるんですよね。拳銃を持った犯人に丸腰で突っ込んで行くのって、言ってみりゃ自暴自棄そのものです。

そして、ただ刹那的に生きる若い仲間達とは違った魅力を中原さんに感じ、ひたすら楽しい2人の「今」、その時間を永遠に止めようとした恵美の気持ちも、解らなくはない。

でも結局、その為に選んだ手段こそが彼女の楽しい「今」を永遠に奪っちゃうワケで、先の事はいっさい考えない生き方が招いた悲劇とも言えましょう。

1973年当時は『日本沈没』や『ノストラダムスの大予言』等の大ヒットで終末論、つまり「破滅」が一種のブームで、それが色濃く反映されたエピソードなワケだけど、いま現在の方がより胸に突き刺さって来ますよね。

こんなこと言うと不快に感じる方もおられるでしょうが、今やこの世に夢も希望も持てなくなった私自身、恵美みたいな女の子に刺されて死ぬなら本望かも?なんて、ちょっと思ったりします。

それはともかく、当時23歳の桃井かおりさんがハマり役で、本当に素晴らしいです。

デビューして2年、既に映画主演で注目を浴びてたけど、文学座の1期後輩で呑み仲間でもある優作さんの為にゲスト出演されました。(ついでに、恵美のフーテン仲間達の中に無名時代の阿藤 快さんの姿も見られます)

桃井さんの儚げな存在感と自然体の演技、息の合った優作さんとのコラボレーション、尚且つクォリティーの高い脚本と演出で、『太陽にほえろ!』屈指の名エピソードの1本に挙げられるかと思います。

切ない内容ながら2回に及ぶジーパンvsヤクザ軍団の立ち回り、更にショベルカーで敵アジトを丸ごと破壊しちゃう等、マカロニ時代よりもスケールアップされたアクションシーンも見られます。

また、中原さんが愛したレコードとして登場し、長さん(下川辰平)に「何だこりゃ?」と言わしめたフォークソング『プカプカ』は知る人ぞ知る名曲で、桃井かおりさんや福山雅治さん等にカヴァーされてます。

桃井さんは後に第199話『女相続人』にもゲスト出演、やはり文学座の後輩であるボン=宮内 淳さんと共演される事になります。
 
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『太陽にほえろ!』#053

2019-03-23 00:00:08 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第53話『ジーパン刑事登場!』

(1973.7.20.OA/脚本=鎌田敏夫/監督=高瀬昌弘)

マカロニ(萩原健一)の衝撃的な殉職を経て、いよいよ2代目新人刑事=ジーパン(松田優作)が登場します。

前夜、刑事昇格を祝して仲間と呑んだくれ、気がつけば無一文。無銭飲食でぶち込まれ、留置場から初出勤という登場シーンこそコミカルだけど、事件の内容は鎌田脚本らしいハードなものになってます。

何しろセレブ女性ばかりを狙った連続殺人で、怨恨や金目当て等の明確な動機が無く、ただ金持ち連中への漠然とした妬みや、美しい女性への歪んだ性愛をこじらせた、サイコパスな青年(谷岡行二)と新米刑事が対決するワケです。その犯行に使われる凶器が、警官から強奪した拳銃なんですよね。

ジーパンは、警官なのに拳銃を所持せずに撃ち殺され、殉職扱いにもされなかった亡き父親への想いから、自分も拳銃を持とうとしない。

母子家庭となって苦労を強いられたジーパンは、優雅に暮らす金持ち連中を憎む気持ちは理解しながらも、拳銃を持って強くなったつもりでいる犯人が許せない。

一方、マカロニが殺された事でナーバスになり、拳銃に弾丸を込めない主義を返上したゴリさん(竜 雷太)は、銃を持った犯人に丸腰で立ち向かうジーパンの、文字通りの無鉄砲さが許せない。

だけど、怒りのゴリパンチを浴びようが頑なに拳銃所持を拒否し、あくまで素手で犯人と対峙し続けるジーパンの姿を見て、再び自分の拳銃から弾丸を抜き取るんですよね。

あの当時の刑事ドラマで動機なき殺人を描いた先見性といい、新米刑事に影響されて先輩刑事側の意識が変わっていく逆転の発想といい、鎌田敏夫さんの非凡な才能が光る一編です。

さて、本作は新シーズンの幕開けって事もあり、女優陣の顔ぶれがとっても華やかです。

まず、青木英美さんが初代マスコットガール=クミちゃんこと永井久美としてレギュラー入りし、早速ミニスカートで自慢の美脚を披露してくれます。

「スカートが短すぎる」ってボス(石原裕次郎)から注意されても「(むさ苦しい刑事部屋で)せめて眼を楽しませてあげようと思って」なんてケロッと言っちゃう、明るく奔放なキャラで人気を集める事になります。

そんな青木さんの加入は、シンコ=関根恵子さんが映画出演のため登場回数が減っちゃう事の穴埋めとも思われますが、今回はシンコもしっかり登場し、クミちゃんに負けじとテニスウェアでHなナマ脚を披露してくれます。

更にもう1人、熟女が登場しますw ジーパンの母親=柴田たき役で、大ベテランの菅井きんさんがセミレギュラー入り。番組終盤まで同役でたびたび『太陽』に登場される事になります。

そしてそして、連続殺人の被害者たちの顔ぶれが、これまた豪華なんです。

まず1人目が『ウルトラセブン』のアンヌ隊員役や『プレイガール』等でも知られる、ひし美ゆり子さん(当時26歳)。

そして2人目がTVドラマ初出演と思われる、デビューしてまだ間もない秋吉久美子さん(当時19歳)。

お二人とも登場してすぐに殺されちゃうけど、ひし美さんはヘソ出しルックの超セクシーなお姿で、秋吉さんはまだあどけない超キュートなお姿で、新人俳優=松田優作の記念すべきデビュー作に花を添えられてます。

『太陽にほえろ!』の長い歴史の中で、これほど華やかな顔ぶれが揃ったのは空前絶後かも知れません。

以降、2年目に突入した『太陽』は視聴率が30%を超える大人気番組に成長し、ゲストの知名度に頼る必要が無くなったせいか、マカロニ時代に比べると有名女優のゲスト出演が激減しちゃいます。

なので、この「女優列伝」もどんどんペースアップして行く事になりそうですw
 
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