大阪学とは、大阪を理解するための東西文化論。
大谷晃一さんの書籍が有名。
大谷さんは、作家、評論家、帝塚山学院大学名誉教授・元学長。
東京と大阪の違いを、ゼミ生に調査させた内容が本のネタとなっている。
今回は、日経新聞記事にあった「関西の女性専用車両、なぜ昼間も走る」から。
関西の女性専用車両の特徴:
1.女性専用車両は、終日運行(関東では、朝のラッシュアワーのみ)。
2.車両の位置は、編成の中央位置にある(関東では、先頭か最後尾)。
日経新聞の解説によると、次のとおり。
1-1.関東では、昼間に実施すると、他の車両が混みやすくなり、迷惑行為が起きやすくなるため。
混み具合が違うので、朝のラッシュアワーのみとなる。
2011年度の平均混雑率(乗車人数÷定員):関東164%、関西123%)
1-2.関東では、相互乗り入れが多く、それぞれの鉄道会社との専用車両の位置を調整する必要があるため。
相互乗り入れの路線数の違い:東京の地下鉄は、13路線中10路線。大阪の市営地下鉄は、8路線中3路線。
2.サービスに対する認識の違い
関西は、並走する路線が多く、競争している。
東京は、防犯優先で、乗務員の近くの車両。
関西は、わかりやすさ、混みにくい車両位置で、女性への利便性や快適性を優先。従って、真ん中の車両にある。
最後に、大阪文化に詳しい「上方芸能」発行人の木津川計(77歳)さんのコメント:
『大阪は、昔から商いにいそしむ町人の町。相手を不快な気持ちにさせない気配りの文化が根付いている。女性専用車両の広がりの背景には、こうした相手をおもんばかる市民性ががあるのかのしれない。』
この新聞記事で、気になったのは、次の言葉。
2002年、大阪市営地下鉄で導入当時は、「逆男女差別」など批判をうけたが、最近は僅かです」(大阪市交通局のコメント)
私も、男子への逆差別と思っていたが、大阪では、大人の対応をしていた。
確かに、大阪地区の乗車率は低いので、不公平感は、東京程は感じない。