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ドコモの戦略が、国産メーカーを弱小化

2013-07-31 | ブログ

ドコモのツートップ(2Top)戦略が、国産メーカーを弱小化した。

2Top戦略とは、ソニーとサムスンに注力し、販売奨励金を重点的に投入、実質的に他の機種に比べて大幅な値引きをするという販売戦略。

このため、2社の製品は伸びたが、他のメーカーの製品は販売不振となった。

ソニーのエクスペリアが5000円、サムスンのギャラクシーが1万5000円に抑えた。

他のメーカーの機種は3万5000円前後で売られ、この価格差が販売台数の大きな格差につながった。

こんな結果になるのは、発表時点で予想できた。

 

結局、今日(7月31日)、NECが、スマートフォンから撤退。

パナソニックも、8月に見直す方針で、多分、撤退。

ドコモは、各種メーカーの製品を揃えて提供する優位性を失った。

なぜ、2Topの製品の一つが、サムスン製品なのかの根拠も弱い。

新しいOSへの対応を、サムスンと一緒に考えていたかもしれないが、日本のメーカーを弱体化させてしまった罪は大きい。

Win-WInの関係ではない。

 

ドコモの2Top戦略は、日本のメーカーを同じ土俵で勝負させなかった。

この戦略は、日本のメーカーを切り捨て、その後、iPhone採用への布石とすると考えても、戦略は誤っている。

ドコモという大企業が、戦略を誤り、陥落する現実が始まったと見ている。

戦略を誤って、業績が悪化した事例は、シャープ。

これからは液晶の時代になり、シャープにとっては、利益を得る米(コメ)と言って、液晶化に集中した戦略に似ている。

液晶が優位の時代は、短期間であった。

 

ドコモは、今まで通り、国産メーカーに製品開発させておけば、良かった。

撤退するかどうかは、各メーカーに任せれば良かった。

2社に選ばらなかったメーカーとの取引関係は悪化する懸念がある。

残る携帯の国産メーカーは、シャープ、富士通、京セラ。

それと、ソニーが、いつまで頑張れるかに掛かる。

スマホも、次の新機能の製品の波が来るかも知れない。

 

同じ土俵で競争していたからこそ、NECの2画面スマホが製品化された。

ドコモは、多分、数ヵ月後には、iPhone5Sの製品取扱をしているだろう。

iモードを開発したような製品企画力は、どんどん衰える。

シャープのように、業績悪化にならないことを祈る。

他山の石として、ドコモの経営戦略を見ていきたい。


臨床研究には、データ解析者を記載を義務付けろ

2013-07-31 | ブログ

高血圧治療の降圧剤(ディオパン)の臨床研究データの不正操作があったが、昨日(7月30日)、東京慈恵医大による調査委員会の中間報告があった。

製薬会社は、「ノバルティスファーマ」。

製薬は、高血圧治療の降圧剤「ディオバン」(一般名・バルサルタン)。

中間報告は、データの人為的操作だけでなく、研究者が降圧剤を販売する企業側にデータ解析を“丸投げ”するずさんな研究実態が明らかにした。

1.データ操作に加え、データ解析した元社員の論文内の肩書が、大阪市立大 非常勤講師のみ。

2.「解析グループはノバルティスファーマ社から独立していた」と記されていたことを「不実記載」と認定し、望月氏の責任は重大と非難。

3.元社員への聴取を、7月27日、2時間45分にわたり実施。

  ・「自分が責任ある立場で論文の解析を行ったことはない」

  ・「データの人為的な操作に思い当たることはなく、自分は関係していない」。

  ・元社員は否定し続けた。

4.研究に関与した多数の医師の発言

  ・「解析は元社員。自分たちはデータ解析の知識も能力もない」

  ・「医師はデータにアクセスできる環境になかった」

5.データ

  ・約3千人の患者を対象に実施。

  ・大学が保有する671人の患者データを調べたところ、13%にあたる86人分で統計データと異なっていた。

  ・カルテが確認できたのは、72%にあたる485人分で、大学保有データは一致した。

  ・残りの15%にあたる100名については、データがわからない。

 

調査委員会は、「元社員の証言は全体的として信用できない」と結論づけた。

このような形になった背景は次のとおり。

2000年、東京慈恵医大の内科が診療科単位に再編され、今回の論文を書いた望月氏が循環器を統括する初代教授に就任。

望月氏は再編で配属された医師の結束を強めるため、医局一丸で研究を行いたいと考え、新しい降圧剤のディオバンで大規模臨床研究を行う構想を立てた。

この薬が国内で発売されたのは、2000年11月。

この構想そのものが、ノバルティスファーマ社の発案でないかと疑ってしまう。

しかも、当時の学内には大規模臨床研究のデータ解析をできる研究者がいなかったので、大学側はノバルティスファーマ社に相談し、紹介されたのが、ノバルティスファーマ社の元社員(当時は社員)。

紹介された元社員は、ノバルティスファーマ社や大阪市立大非常勤講師などの肩書を記した4種類の名刺を見せたという。

研究者の多くはデータ解析者がノバルティスファーマ社の人間であることを認識し、疑念を持つ人もいたという。

4種類の名刺を見せた時点で、この人に依頼してはいけなかったと考えるべき。

非常勤役員を4社勤めている人が、4種類の名刺をもつのとは違う。

名刺をつくるときは、ノバルティスファーマ社の社員を表示し、並列的に、大阪市立大学非常勤等、記載するのが普通。

しかし、東京慈恵医大では、ノバルティスファーマ社の社員であることを知りながら、データ解析者が変更されることはなかった。

ここに、成果を上げたい望月氏の思惑が見える。

調査委員の橋本委員長は、「医師たちが信頼しきっていた」と発表しているが、この疑念をもつ医師の意見を取り込む仕組みがなかったと、自己反省していない。

完成した論文は、権威ある英医学誌ランセットに載り、ディオバンの評価した研究結果は、ノバルティスファーマ社がさまざまな形で販売促進に使用していった。

これに関与した医師らは、モラルがなかった。

この論文で、この降圧剤(ディオバン)がほかの治療薬よりも脳卒中や狭心症を減らせると結論付けていた。

しかし、実際には、降圧剤と、脳卒中、狭心症治療には、有意性がなかった。

 

脳卒中、狭心症の人には、人命にも関わる大問題であったことは、関係者は認識をしている。

だから、元社員は、「責任ある立場で論文の解析を行ったことはない」とか、「データの人為的な操作に思い当たることはなく、自分は関係していない」という否定する発言に現れている。

ことの重大さは自覚しているので、逃げた発言に終始している。

ノバルティスファーマ社の責任は、重大であるので、29日に「元社員による意図的なデータ操作は確認できなかった」との第三者調査結果を発表しているが、東京慈恵医大学からデータ解析の紹介依頼があり、紹介した人が社員だったのは、明白である。

そこには、ノバルティスファーマ社は、意図的なデータ操作の悪意があり、確信犯である。

患者データ(671人)の13%にあたる86人分のデータが異なっていたのを、意図的なデータ操作がなかったというのも、詭弁。

意図的でないが、13%もデータミスする人を、紹介したことになる。

意図的にしたかったので、研究費と称してお金を渡していたと考える。

会社発表のデータよりは、XX医大の臨床報告が欲しかった。

 

確信犯は、望月氏で、論文には「解析グループはノバルティスファーマ社から独立していた」と記載している。

 

また、大規模臨床研究のデータ解析ができない医師が、臨床発表をしてはいけないということが明白になった。

論文には、データ解析者の記載が必要と感じた。

解析ノウハウがない人が書いた論文は、捏造の可能性が高い。

解析できないのだから、臨床結果に意味を持たせることはできない。

東京慈恵医大学は、データ解析者の育成を図って頂きたい。

不正を摘発できる仕組みを考えて欲しい。

なお、報告資料を見ると、統計解析部門:学内において適切な統計解析を実施できる体制を構築すると記載されていた。

 

 

京都府立医大も同じく、データ解析者の育成を図ってください。

 

休題:

今回の中間発表の資料は、ここを参照:

http://www.jikei.ac.jp/news/pdf/20130730.pdf

この事件の詳細は、ここを参照:

http://diovan-novartis.blogspot.jp/