こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

手塩にかけた新米おいしく

2015年06月25日 13時20分23秒 | 文芸
手塩にかけた新米おいしく

「今年のコメは、ようけとれたやろ。えらい世話をしょったもんのう」
 隣保の寄り合いで、そう声をかけられた。見てる上に大変だった。定年後得たパート仕事を終え、家事や畑仕事の合間の限られた時間に、できるだけ稲田に足を向けた。代掻き、田植え、肥料などの産婦、給排水の管理……。やることはいっぱいあった。
 あぜの草刈りをはじめ、田にはびこるヒエも、育つと竹や小枝のような茎になる。稲の成長を追い抜く厄介もののヒエ退治は欠かせなかった。
 泥まみれ、汗まみれのうえに虫にもさされ、いやはや参った、参った。だから、家族と味わう今年の新米の味は格別だ。
 苦あれば楽ありってことだろう。
(神戸・2010・11・1掲載)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 記憶の風景・餅を丸めるわが家族 | トップ | 長岡にて »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

文芸」カテゴリの最新記事