小3の時、
学芸会で鬼の役を演じた。
役に当たらない子供が
出ないように配慮する現在と違う。
平等主義の時代ではなかった。
ひとり一役。
中には役を外れる子も出た。
成績のいい人気者が主役で、
先生がそれとなく匂わせて、
クラスの多数決で選ぶのだ。
その結果、
私は鬼に選ばれた。
お芝居は「こぶとり爺さん」。
いいおじいさんのコブをちぎりとり、
悪いおじいさんにくっつける赤鬼だ。
進んでやりたい役ではない
それでも父親は喜び、
鬼の金棒や、
衣装を作った。
鬼の役でも、
わが子が選ばれて嬉しかったのだ。
当日も
母と一緒に駆けつけた。
ところが、
金棒の出来が良すぎ、
先生は
セリフの多い青鬼役の小道具に
回してしまった。
せっかく父の作ってくれた金棒も
人に取られ、
ますます嫌な舞台である。
それが、
舞台に上がり、
客席に父と母の姿を発見すると、
俄然やる気が出た。
親を喜ばせたい気持ちが勝った。
怖い鬼の声を懸命に作った
学芸会で鬼の役を演じた。
役に当たらない子供が
出ないように配慮する現在と違う。
平等主義の時代ではなかった。
ひとり一役。
中には役を外れる子も出た。
成績のいい人気者が主役で、
先生がそれとなく匂わせて、
クラスの多数決で選ぶのだ。
その結果、
私は鬼に選ばれた。
お芝居は「こぶとり爺さん」。
いいおじいさんのコブをちぎりとり、
悪いおじいさんにくっつける赤鬼だ。
進んでやりたい役ではない
それでも父親は喜び、
鬼の金棒や、
衣装を作った。
鬼の役でも、
わが子が選ばれて嬉しかったのだ。
当日も
母と一緒に駆けつけた。
ところが、
金棒の出来が良すぎ、
先生は
セリフの多い青鬼役の小道具に
回してしまった。
せっかく父の作ってくれた金棒も
人に取られ、
ますます嫌な舞台である。
それが、
舞台に上がり、
客席に父と母の姿を発見すると、
俄然やる気が出た。
親を喜ばせたい気持ちが勝った。
怖い鬼の声を懸命に作った
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