ミミズ
「gennki旅に出かけるか」と話すと
妻は嫌がる
「縁起でもないから、旅に出るとは言わないで」と。
死の旅を連想するからなのであろう
私の立場からすれば
旅は
心の旅になる
散歩をすると
ミミズに出逢う
ミミズと人間とは
不思議な縁がある
チョッとしたケガのとき
腕や脛にミミズ腫れになる
土のなかから出てきたミミズに「こんにちは」
魚釣りのときミミズの世話になる
路上に瀕死状態のミミズは
顔を背けたくなる
乾き焼け爛れたたミミズの焼死体が
数匹放置されたままであった
舗装の上を遅々と歩いているうちに
舗装は鍋底の如く熱くなり
焼け爛れ息絶えたのであろうか
焼け爛れながらも最期の一瞬まで
熱い舗装から逃れようと
もがき呻きながら這いつくばっていたミミズ
いまの私はミミズ以下の生物
もがき悩んでいるだけで
そこから脱出する気概がない
熱い舗装から逃れようと
息絶えるまで這いつくばった
ミミズに見倣おう