老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

558;命取り

2017-11-20 20:57:50 | 老いの光影
命取り 

90歳を超えたお年寄り
カゼに罹ると大変
カゼは万病のモトと言われているだけに
心配
カゼがモトで命取りになる
始まったばかりの寒い季節

寒サニモマケズ
カゼニモマケズ
春ヲムカエタイ

557;気になる老人(ひと)

2017-11-20 11:54:24 | 老いの光影
気になる老人(ひと) 

朝、出かけにスマホが鳴った
「今日歩くのもしんどいから休む」

一昨日 SpO2を測ろうと
人指し指に挿入しても
なかなか数値が出てこなかった
足は浮腫み
オシッコも余り出なかった
爪の色は悪く死の影を感じさせる
冬至を過ぎ初春には96の齢になる
「(死が)近いんだ」と呟いていた
気になり
会いに行った

堀炬燵に足を入れ坐っていた
声をかけると
笑顔はみられたが
歩くのも億劫
顔は右眼から頬にかけ
左手の背にも
浮腫みあり
オシッコ余りでず
水は余り飲まない





556;ミミズ

2017-11-20 07:03:01 | 阿呆者
ミミズ

gennki旅に出かけるか」と話すと
妻は嫌がる
「縁起でもないから、旅に出るとは言わないで」と。
死の旅を連想するからなのであろう
私の立場からすれば
旅は
心の旅になる

散歩をすると
ミミズに出逢う

ミミズと人間とは
不思議な縁がある
チョッとしたケガのとき
腕や脛にミミズ腫れになる
土のなかから出てきたミミズに「こんにちは」
魚釣りのときミミズの世話になる

路上に瀕死状態のミミズは
顔を背けたくなる
乾き焼け爛れたたミミズの焼死体が
数匹放置されたままであった
舗装の上を遅々と歩いているうちに
舗装は鍋底の如く熱くなり
焼け爛れ息絶えたのであろうか

焼け爛れながらも最期の一瞬まで
熱い舗装から逃れようと
もがき呻きながら這いつくばっていたミミズ

いまの私はミミズ以下の生物
もがき悩んでいるだけで
そこから脱出する気概がない
熱い舗装から逃れようと
息絶えるまで這いつくばった
ミミズに見倣おう