老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

564;簡単なことが、難しい

2017-11-23 10:42:29 | 読む 聞く 見る
 簡単なことが、難しい

池井戸潤『アキラとあきら』徳間文庫

大企業の社長の息子 彬(アキラ)と
町工場の社長の息子 瑛(あきら)の
ふたりの「アキラ」の青春物語

背景には銀行が登場し、お金により
町工場の浮き沈みが大きく左右され
瑛の家族は夜逃げの運命に遭遇する


382頁に
「会社がどんな状態かは、数字を見ればわかる」。
「ながめてもわからないものがある。それは、人の心だ。そして、その胸の内である」


123頁にはこんなことが書いてあった
「商売の基本は簡単なことなんだ。
どうすればお客さんに喜んでもらえるか」
「でもその簡単なことが、実に難しいんだ」


介護サービスにおいても同じであり
利用者自身(お客様、顧客)が喜んでいるか、満足しているか、でサービスの評価は決まるのだが

家族向けに書いた連絡帳や介護施設の処遇記録には
おおにして「~さんはクリスマス会の催しものに参加され満足されていました」と書かれてしまうが
本当にご本人は満足されていたかどうかは、聞いてはいない。様子(雰囲気)をみて書いている。
風呂介助を終えたあと、「今日は仕事した」と介護職員は自己満足するけれど、
入浴介助を受けた当の利用者は、満足できた入浴であったかどうか、
利用者の気持ちを聞いた結果如何で「今日は仕事ができたかどうか」決まるのである。

お客さんが満足していたかどうか、それがサービスの基本であり、
リピーターにつながるかどうかの分岐点にもなる。
介護サービスにおいても、簡単なことが、実に難しい

563;上手な介護サービスの活用処方 第48話「認定調査の項目」 〔45〕 「ひどい物忘れ」

2017-11-23 05:55:56 | 上手な介護サービスの活用処方
上手な介護サービスの活用処方 第48話「認定調査の項目」 〔45             
                4-12 ひどい物忘れ(有無)

ここでいう「ひどい物忘れ」行動とは、認知症の有無や知的レベルは問わない。
この物忘れによって、何らかの行動が起こっているか、周囲の者が何らかの対応をとらなければ
ならないような状況(火の不始末など)をいう


1.ない
2.ときどきある
3.ある

・買い物のたびにスーパーで大量の卵を購入し、冷蔵庫の中には、食べられる量以上の卵が
 入れられているため、「ある」を選択した。

・電話の伝言をし忘れるような、単なる物忘れは含まない。
・周囲の者が何らかの対応をとらえなければならないような状具体的な況について、認定調査員に話すことが大切です。
・食事をしたことは覚えていないが、しつこく食事を要求するといった行動はないため、「ない」を選択する。
・火を使わないように伝えているが、自分では調理できると思っており、ガスをつけっぱなしにし、鍋を焦がすことが
 月に2~3回程度みられるため、「ときどきある」を選択する。家族はが気をつけているが、目を離したすきに火を
 使うことがある。


※『認定調査員テキスト』改訂版 平成21年8月では、「ひどい物忘れ」行動とは、認知症の有無を問わない
としているが、実際には認知症の症状により日常生活に支障が出てきている。「ひどい物忘れ」行動により、
火の不始末や同じ物を何度も買い冷蔵庫の中に多量にあったり、また浴槽が溢れても水をはったりなどの行為がみられ、
日常生活に支障が出ていることなどを、認定調査員に話されるとよいでしょう。