老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1228;突然の死

2019-10-01 21:03:32 | 原風景
突然の死

ある日 突然の死が襲いかかり
死の準備もないまま生き途絶えた
妹への最期の言葉は「大丈夫か」、と
自分の傷みよりも妹の躰を心配していた

交差点で大型車が軽自動車にぶつかった
薄いドアは大破し 85歳の姉が即死した
姉が身代わりとなり運転していた妹は助かった
他人事と思っていた交通事故死は
自分の家族の中に起き 他人事でなくなった

wifeの母は あと1分早く あと1分遅く 家を出れば
交差点で交通事故に遭遇しなかったかもしれないのに、と
悔んでも悔やみきれない、と繰り返す
躰の傷みよりも心の傷みの深さが心配になってしまう

110歳の老母に会いに行く途中、遭遇した交通事故
老母は三女が亡くなったことは知らない
毎日病室に訪れていた三女と五女(wifeの母)の面会が
突然「プツン」、と途絶えてしまった
何かあったのでは、と老母は感づいているのか
精気が抜けたような老母の顔に見えてしまう

ただただ 小さくなった老母の手を握ることだけしかできない自分

死は
準備が必要
家族に遺す言葉や
死に逝く人を
見送る時間
そうした営みのなかで
死は互いに受け入れられ逝く

それが
予期せぬ突然の死は
時間が遮断され
一瞬死を悲しむことさえも奪われ
後悔 憤り 憎しみ 悲嘆の感情が複雑に絡みあい
85歳の伯母さんが亡くなったことが 未だに信じられない、とwifeは呟く

wifeにとり伯母さんは「第二の母」的存在であっただけに
悲しみのトンネルから抜けきれずにいる

筑波山からの日の出
伯母さんは筑波山の日の出をみながら
関東平野の大地で生きてきた
伯母さんのご冥福をただただ祈るだけです
伯母さんがwifeの妻(妹)身代わりになったのかもしれない
そう想いながらも突然の死はいたたまれずにいる

                                          事故が起きたのは令和元年9月18日