死んだ男の 残したものは
作詞:谷川俊太郎、作曲:武満 徹
死んだ男の 残したものは
ひとりの妻と ひとりの子ども
他には何も 残さなかった
墓石ひとつ 残さなかった
死んだ女の 残したものは
しおれた花と ひとりの子ども
他には何も 残さなかった
着もの一枚 残さなかった
死んだ子どもの 残したものは
ねじれた脚と 乾いた涙
他には何も 残さなかった
思い出ひとつ 残さなかった
死んだ兵士の 残したものは
こわれた銃と ゆがんだ地球
他には何も 残せなかった
平和ひとつ 残せなかった
死んだかれらの 残したものは
生きてるわたし 生きてるあなた
他には誰も 残っていない
他には誰も 残っていない
死んだ歴史の 残したものは
輝く今日と また来るあした
他には何も 残っていない
他には何も 残っていない
小さな国のベトナムが
大きな国のアメリカに勝利した
南北のベトナムはひとつになった
ベトナム戦争は終結した
沖縄にはまだ米軍基地が残っている
ベトナム戦争で
死んだ兵士の 残したものは
墓石ひとつ 着もの一枚 残っていない
死んだかれらが 残したものは
生きているわたし 生きているあなた
こうして自分が
いま 生きていることに
感謝し 残された時間
できることを行う
にんげんは必ず死ぬ
死ぬからこそ
こうして生きている
いまを大切に
自分は 残していくものは
なにもない
老いた自分
後悔しても 時間は戻らない
蝸牛の如く 他者とは関係なく わが路を歩く
蝉 の如く 残された時間(とき)いのちの限り鳴く
枯葉の如く 腐葉土となり 春の訪れをじっと待つ
こうして生きていると
輝く今日と また来るあした
この美しい青い惑星(地球)には77億のにんげんが生きている、という
そのなかで ひとりのにんげんに出会い そしてかかわりあいをもつ
それは、海底から真珠を探すほど稀少な”縁”にある
だれもが
老いを迎え
病を抱え
死を迎える
ヒトは
死を怖れ 死を見つめず
死を嫌い避ける
死は隣人であり
死はいつ来るかわからない
それだからこそ
「今日 在宅訪問しなかったことを 悔やむような」ことだけは
と、思う
こうして いま
生きているあなた
生きているわたし
そのことに感謝する
顔も名前も知らない
死んだ兵士の 残したものは
生きることの大切さ
生きることの素晴らしさ
生命の尊さを教えてくれた
作詞:谷川俊太郎、作曲:武満 徹
死んだ男の 残したものは
ひとりの妻と ひとりの子ども
他には何も 残さなかった
墓石ひとつ 残さなかった
死んだ女の 残したものは
しおれた花と ひとりの子ども
他には何も 残さなかった
着もの一枚 残さなかった
死んだ子どもの 残したものは
ねじれた脚と 乾いた涙
他には何も 残さなかった
思い出ひとつ 残さなかった
死んだ兵士の 残したものは
こわれた銃と ゆがんだ地球
他には何も 残せなかった
平和ひとつ 残せなかった
死んだかれらの 残したものは
生きてるわたし 生きてるあなた
他には誰も 残っていない
他には誰も 残っていない
死んだ歴史の 残したものは
輝く今日と また来るあした
他には何も 残っていない
他には何も 残っていない
小さな国のベトナムが
大きな国のアメリカに勝利した
南北のベトナムはひとつになった
ベトナム戦争は終結した
沖縄にはまだ米軍基地が残っている
ベトナム戦争で
死んだ兵士の 残したものは
墓石ひとつ 着もの一枚 残っていない
死んだかれらが 残したものは
生きているわたし 生きているあなた
こうして自分が
いま 生きていることに
感謝し 残された時間
できることを行う
にんげんは必ず死ぬ
死ぬからこそ
こうして生きている
いまを大切に
自分は 残していくものは
なにもない
老いた自分
後悔しても 時間は戻らない
蝸牛の如く 他者とは関係なく わが路を歩く
蝉 の如く 残された時間(とき)いのちの限り鳴く
枯葉の如く 腐葉土となり 春の訪れをじっと待つ
こうして生きていると
輝く今日と また来るあした
この美しい青い惑星(地球)には77億のにんげんが生きている、という
そのなかで ひとりのにんげんに出会い そしてかかわりあいをもつ
それは、海底から真珠を探すほど稀少な”縁”にある
だれもが
老いを迎え
病を抱え
死を迎える
ヒトは
死を怖れ 死を見つめず
死を嫌い避ける
死は隣人であり
死はいつ来るかわからない
それだからこそ
「今日 在宅訪問しなかったことを 悔やむような」ことだけは
と、思う
こうして いま
生きているあなた
生きているわたし
そのことに感謝する
顔も名前も知らない
死んだ兵士の 残したものは
生きることの大切さ
生きることの素晴らしさ
生命の尊さを教えてくれた