老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1429;無くて困る物・トイレットペーパー

2020-03-02 18:20:11 | 阿呆者
無くて困る物・トイレットペーパー

女子トイレの音を、盗み聞きしたわけではないが
若い女性がトイレットペーパーを取るときの音が
カラカラと鳴り続いている。
どの位ペーパーホルダーを回すのだろうか。

それに比べ
老人は「もったない」ということが染みつき、
トイレットペーパーを2つ折り程度の慎ましい長さ。

トイレットペーパーが薄く
拭いた手指に便が付着してしまうこともしばしば、
お尻を拭いたペーパーを2つ折りにたたみ、
洋服のポケットに入れ、
ときどきポケットから
2つ折りのトイレットペーパーで口を拭く。

ポケットにトイレットペーパーやティッシュペーパーを入れてしまう老人の洋服は、
洗濯をするときには必ずポケットのなかをチェックしないと大変な結末になる。

老人はトイレットペーパーやティッシュペーパーのことをちり紙(ちりし)と呼ぶ。

農村で暮らした団塊の世代ならば想像はできると思うが、
農村では板床に穴があいており、
そこを跨いで用を足すポットン便所であった。

落とし紙と呼ばれた紙で尻を拭いていた。
灰色がかった紙で新聞などの紙を材料として作った紙なので活字が見え隠れしている。
いまでは到底使えない落とし紙であり、商品棚にあるだろうか・・・・。

昔は学校の持ち物検査では
「ハンカチとちり紙」のチェックをされたものだった。
右ポケットにハンカチ、左ポケットにちり紙、を入れていた。

小学校から自宅までは2kmほど道程があり、
便意をもよおし我慢できず、
道端の草むらに入り用を足した。

左ポケットにちり紙が入っていなかったときは、
道端に生えている蕗の葉(ふきのは)をちぎり、
それをちり紙代わりにして拭いたことがあった。
便を隠すために、また蕗の葉を使い上から覆い隠した。
そんな時代もあった(昭和30年代後半 東北、北海道の農村は貧しかった)

いまは消費生活、消費文化が豊かになってきた。
老人は呟く、
「便利な時代になったが、生活をしていくのが大変になった。
昔は不便で貧しかったが、生活はしやすかった」。
ほんとにそうかもしれない。

新型コロナウイルスから端を発した
トイレットペーパー買占め騒動みたいなことはなかった。





1428;灯  り

2020-03-02 03:59:16 | 阿呆者
灯  り 

都会の灯りと辺境の灯り

都会では
スカイツリーや高いビルから
大都会の夜景をみると
煌びやかに映る

嗚呼 煌びやかな灯かりの群れのなかに
一千万の人が蠢き生きている
自分はちっぽけであり無名の存在でしかない
華やかに映る大都会の影でひっそりと生きる

夜間飛行機から見た東京の夜景は素敵だった


暗闇のなかに点る辺境の地の灯りは
わびしく映るもそこには温もりがある
ランプのようなやさしい灯かりを感じさせる
老いを嵩ねゆく自分はいま辺境の地に棲む