書店に立ち寄り 不図目にとまった『生き物の死にざま』
ひと夏の生命
29の生き物の限られた命を綴ったエッセイ
生き物の生きざま死にざまと言えば「蝉」が真っ先に思い浮かぶ
木につかまる力を失った蝉は、地面に落ち上を向いて死ぬ。
蝉の死体が、路端や地面に落ちている。
「仰向けになりながら、死を待つセミ。
彼らはいったい、何を思うのだろうか。
彼らの目に映るものは何だろう。」(稲垣栄洋著『生き物の死にざま』草思社 10頁)
仰向けになった蝉の目は、地面の方を向くことになる。
蝉にとっては、「その地面こそが幼少期を過ごしたなつかしい場所」(前掲書11頁)
蝉の命は短く、ひと夏のはかない命。
蝉の雄は、俺は此処にいるぞ」、大きな声で鳴き叫び、雌を呼び寄せる。
雄と雌は繁殖行動を終え”生きる目的”を終え、死を迎える。
蝉に限らず、老いびとたちも、死を迎えるとき何を思い
最後にどんな風景が目に映るのだろうか
八日目の蝉