老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

仙厓和尚伝❶ 人間、皆、同じよ!

2020-10-15 12:34:42 | 読む 聞く 見る
1715 人間、皆、同じよ!



今日の朝は11月末の寒さ
ネックウォーマーをしてよかった
玄関をでたら
那須連山から北風寒太郎がやって来たような感じ
beagle genkiだけがルンルン気分で散歩

散歩最中
幸せを感じるとは
幸せを思うときとは
幸せの価値基準はどこに求めるのか
などと考えてしまった

煩悩が強く悩みのなかにある自分

250石の馬廻り役である川越士縁焉は三十路になり、仙厓和尚に嘆く
「拙者はだめな男よ。死ぬまで、うじうじと小事煩悩に思いまどい、醜く老いさらばえてゆくであろう」
仙厓和尚は「わしはの、四十歳までは救いがたい蛆虫(うじむし)じゃったよ。小事煩悩の地獄を狂いさまいよってのう
「なんの、人間、皆、同じじゃ」

美濃国山村の貧しい作男甚八の三男として生まれた仙厓和尚
彼をみごもったときから母親は、民間堕胎薬として知られている酸漿(ほおずき)の根を煎じてしきりに飲んだが効かず
臨月をむかえてしまった。
気弱な父親は、赤子を膝の下で圧死させることができず、川へ流すこともできず、
迷った末、山へ捨てた。

二夜すぎても、赤子は凍えもせず、餓死もせず、山犬に食われこともなく、
か細くではあったが泣き声を木こりに聞かれ
親許に戻された。(48頁)

空腹のまま、襤褸布を纏うだけの粗末な状態で
寒い山奥に捨てられ二夜も過ごされた
普通ならば餓死凍死で生命尽きるはずなのに
生き抜いた赤子に きっと生きる使命があったのですね

仙厓和尚の生きざまをこれから見ていくとしょうか