啓蟄の朝 山沿いの路を歩いた。
杉花粉、冷気、加齢の三因からか鼻水が止まらない。
生憎テッシュの持ち合わせも少ない、指で片鼻を押さえ、勢いよく思い切り鼻水を吹き飛ばした、昔の技は健在だ。
久しく忘れていた爽快感が蘇えったけれど、昔 屋外ではごく普通に観られた手鼻である。
いまどき 手鼻の大技を披露したら、究極の省エネと夕刊の一面に載るだろう。
不思議なことに、あれほどとめどなく湧き出ていた鼻水がぴたりと止まった。
東京で手鼻は迷惑行為防止条例で逮捕されるかもしれないし、我が家では屋内退去命令が執行されるだろう。