HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

2016年レッスン始め・二拍三連

2016年01月11日 | 音符・楽譜・テクニック
今年 一番乗りのレッスンはTさん(大人)でした。

Tさんが今年最初の課題曲として選んだのは「白鳥の湖」の中の「情景」です。
オーケストラ曲のピアノアレンジ譜ですが、この曲の弾きにくいところは「二拍三連」の連続ということです。
右手が2拍の音を均等に弾き、それと同時に左手は、3拍の音を均等に弾く、というもので、慣れないととても難しいリズムです。
Tさんもそれが苦手で、これまでに「二拍三連」が含まれているせいで 弾くのを断念した曲がいくつあったか。
今年は その苦手を払拭するべく、二拍三連満載の「情景」でスタートするのだそうです。
感心だ。
今年は まず二拍三連をマスターして、今まであきらめてきた曲も弾けるようになりましょう。

旋律の保持

2013年08月25日 | 音符・楽譜・テクニック
Tさん:
会社員のお兄さんですが、とてもロマンチック&ドラマチックなピアノ曲がお好み。
今回は、十月のハロウィンコンサートに向けて、そんなテイストにぴったりなピアノ曲をチョイスしてレッスンに臨みました。
それは、映画「ピアノレッスン」のテーマ曲です。
曲名の邦訳は、確か「愛のなんとか」だっけ・・・?
曲はよく知ってるのだけど、タイトルは何回きいても忘れてしまう・・・
なんだっけ。
ネットで確認してみたら、「楽しみを希う心」だった。
全然ちがうじゃん。^_^;
タイトルはわかったけど、意味はあんまりわからん。
だから覚えないんだな。

もっとも、英語のオリジナルタイトルの方も「The Heart Asks Pleasure First」と、これまたあんまりよくはわからん。

タイトルはともかく、曲の方は甘く切なく美しく、限りなくロマンチックなピアノチューンです。
絶え間なくさざ波のように寄せては返す 柔らかなアルペジオに乗せて、シンプルでいながら心惹かれる旋律が くっきりと歌われます。

問題は、この対照的な2つのパート、2つとも右手で引き分けなければいけないこと。
そして左手は左手で、同じような様式で2つのパートを弾くようになっていること。

旋律をはっきりと しかも乱暴にならないように保持しながら、内声のやわらかな音をコンスタントに入れていくテクニックは、大変難しいです。
けれどTさんは、それらの問題から逃げることなく、究極の音色を目指して精進する覚悟を表明しているのでアッパレだ。
しかも、テクニックをきちんと勉強するため、初歩のテキスト「ブルクミュラー」を使っての学習も辞さないという謙虚さです。

そこで、旋律保持の練習のため ブルクミュラーの「清らかな小川の流れ」、そして「お別れ」を併用して練習することにしました。
この「旋律保持」は、ゆくゆくはショパンなど弾くときに必要なテクニックですので、ぜひここで 丁寧に学習してね。


こだわりの指使いで♪

2013年02月25日 | 音符・楽譜・テクニック
キノパパ:
「タイスの瞑想曲」を練習しています。
今日は、中間部のヤマ場のところをレッスンしました。

中間部は臨時記号も多く、そのため転調も頻繁(ひんぱん)にあり、譜読みはけっこう大変な部分です。
数年前に一度弾いたときには省いていた和音を全部入れ、それに伴って指使いも新しく決めていきました。
激しくドラマチックなクライマックスを過ぎて、またもとの穏やかなテーマに戻るところ・・・
1小節だけ、左手の伴奏がなくなって 右手のメロディーのみでつなぐ部分があります。
カデンツァ、というには短いけれど、それと同じように 美しいメロディーパートの見せ場になるところです。
以前は、なるべくわかりやすく覚えやすく、ということを優先して、指使いを決めていました。
当時はキノパパもまだ、初心者だったので。
けれど今は、もう大人の雰囲気あふれる、シブい中堅アマチュアピアニストになったキノパパです。

「あの~・・・指使い、前のと変えていいですか?」
ヒバリ先生は言いました。
ここのフレーズは、とっても素敵に美しい音色で弾いてもらいたい。
それには、「覚えやすい」ということを優先してはダメです。

「こことここは、同じ音だけど、敢えて指は変えて。こういう風に」
「ここは、順番に弾いていくとこの指になる流れですけど、敢えて指を寄せて、この指を使ってください」
ひとつひとつ、最適な指を吟味しながら、楽譜に番号を書き込んでいきます。
「・・・複雑すぎますか?
書いてしまってから、ヒバリは言いました。
「いえ。この方が、ほんとに音がきれいに出ますものね。覚えれば大丈夫です」
キノパパは言いました。よかった。

キノパパのピアノの音色は、ほんとにきれいなので、ぜひ、最高の指使いで、最も美しい音を奏でてほしいです。
時間はたっぷりあります。
がんばりましょう!


ピアノは「リリース」

2013年02月02日 | 音符・楽譜・テクニック
Y子ちゃん(中2):
ブルクミュラーの最終曲「貴婦人の乗馬」です。
第1回レッスンの今日は、右手だけ練習してきました。
この曲は、いろんな場所で聴くこともあり、先生も弾いてあげたりと、よく知っている曲の中に入ると思います。

適切なテンポで、音やリズムの間違いもなく、一応ちゃんと弾けていました。
ただ、フレージングの「入り」と「抜き」が、もっとやわらかになったらもっと良いと思ったので、今日はその練習をしました。
ピアノを弾くときに、「鍵盤を押すとき=アタック」のタッチとか 力の入れ具合とかは みんな気をつけると思いますが、意外に「鍵盤から手を放すとき=リリース」のほうは うっかりしてしまう人が多いです。
ところが、ピアノをきれいに弾くのには、リリースの弾き方が とっても大事なのです。
「美しいフレーズは『抜き』がすべて!」と言っても過言ではありません。
みんなも、柔らかで美しい「リリース」を、いろいろ研究してみてごらん。
驚くほど、音色が変わりますよ!

アルペジオのコツは1の指

2013年01月26日 | 音符・楽譜・テクニック
Y子ちゃん(中1):
今日のバーナムの課題は、レギュラーのテキストも、ルーレットでランダムに決めるものも、アルペジオ中心となりました。
アルペジオは、広い範囲の分散和音を粒のそろった音で弾いていくもので、ピアノのテクニックの中でも難しい方の部類に入ると思います。
手のポジションを決定していくポイントは「1の指」です。
まず最初の音を1の指で弾いたら、次の音を弾くとき もう1の指は次の位置に向かって移動を始めていなければいけません。
いつまでも元の位置にいると、いざ出番が来たとき ギクシャクした固い音になってしまうし、手のポジション移動がなめらかにできなくなってしまうのです。
アルペジオの時には、意識して「1の指の移動」をなめらかに進めていくのがコツなので、みなさんも覚えておいてね。

Y子ちゃんも、この「1の指を先へ先へ進めて」ということをポイントにしたら、アルペジオの音が一気になめらかに、きれいになりました。
「発表会には、どんな曲がいいのかな?」
と聞いてみると、
「うーん・・・テンポのゆっくりのは、きれいだけど、ヘタに弾くとボロが目立つし・・・」
「表情とかも上手につけないと、ダサいよね?」
「うん。そう」
「どっちかというと、テンポ速くて『スポーツ的』な快感のあるものがいいのかな?」
「うん・・・そうかも」
ということでした。
Y子ちゃんは、スケールやアルペジオも、まじめによく練習しているので、そういう「速い指さばき」を前面に押し出した曲、というのもいいかもしれない。
確かに、ゆったりしっとり、表情たっぷり、というのは、12才のY子ちゃんには まだ大人っぽすぎて 取りつく島がない、って感じかも。
まだもうしばらく、体育会系ノリで元気いっぱいに弾いてもらおかな?

打鍵のタメ(矯め)!

2012年12月06日 | 音符・楽譜・テクニック
M4ちゃん(小2):
「ジングルベル」を、とっても楽しくリズムに乗って仕上げてきました。
テンポよく、伴奏のキレもよく、途中のキメキメポイントもバッチリ。
あんまり楽しくひけてるので、先生も隣で伴奏をつけて、ごきげんな「ジングルベル」連弾となりました

M4ちゃんは、テクニックの練習テキスト「バーナム」も 毎週よく練習してきています。
今日、楽しそうに弾いている「ジングルベル」、そして「バーナム」の様子を見ていると、M4ちゃんは、小さい手を精いっぱい拡げて しなやかに打鍵しているだけではなく、ちゃんと打鍵の直前、手や指に「タメ」を入れている!
M4ちゃんは無意識にやっているのですが、この「タメ」は、ピアノに慣れた人が自然に身につけるものです。
M4ちゃんが、毎日毎日、たくさんピアノを練習したから、いつのまにか こんな極意が見についていたのです
「クラスで、前から2番目なんだ」という小柄なM4ちゃんですが、手も柔らかく大きく拡がるし、打鍵の力も強い。
今年1年、成長したなあ、と感じました。

音階練習の秘密♪

2012年06月10日 | 音符・楽譜・テクニック
Tさん(大人):
毎回のレッスン時、最初にやるのは音階練習です。
これまでに、何種類かの長調と短調を練習してきて、今日はホ長調の練習でした。
ホ長調は、ミの音で始まる音階で、途中にファ、ソ、ド、レ、と4つの音に♯がつきます。
音階の練習を始めたころは、単に1オクターブか2オクターブ弾くだけでしたが、今は4オクターブを2往復、プラス最後にカデンツという「王道のハノンスタイル」をとっています。

『音階』・・・つまり鍵盤を、並んでる順番に、それも両手とも同じ音で弾くだけだから一見簡単そうですが。
しかしこれが見るとやるとでは大違い。
『音階』はなかなか奥が深く、やればやるほど その難しさがわかってくる、というシクミになっています。
今日は、Tさんから「音階を弾くとき、なんか動きがぎごちないんですが・・・」と質問がありました。
ほらね?
だんだん、難しさが見えてきたかも?!

4オクターブの音階を 左右たった5本ずつの指で弾くためには、指をくぐらせたりかぶせたり、ひっくり返したりと、大奮闘させて移動させていかなければいけないわけです。
その手の動きが、なんか自分のはぎごちないなあ・・・と、Tさんは思ってるんですよね。
その通り、ベテランのピアニストとビギナーの人を比べると一目瞭然で、両者の動きのなめらかさは大きくちがっていますね。
いったいどこが、そのなめらかさの違いを生んでいるのでしょうか?
ピアノの鍵盤を弾くのは指ですが、その指が理想的な軌跡を描く曲線上をなめらかに走るためには、指先から第一関節、第二関節、第三関節、手首、ひじ、肩、と全部の関節が連携し、なおかつそれに続く全身のスムーズな連携プレーによって初めて生み出されてきます。
そしてそれに加えて、もうひとつの大きな秘密があります。


TVとかで、有名なプロ野球選手や体操選手、フィギュアスケート選手などの動きを、連続写真で分析しているのを見たことがあると思います。
ひとつひとつの写真は、ある瞬間での彼らの理想的なフォームであるわけなので、みんなはその形を見て「なるほど」と思います。
自分の姿を鏡にうつして、同じようなフォームができるように模倣してみる人もいるでしょう。
だけど、点つなぎみたいにプロの瞬間瞬間のフォームを模倣しても、彼らと同じようになめらかな動きができるわけではありません。
なぜなら、彼らは止まってるフォームを並べてるわけじゃない。
常に非常な速度で動きながら、実に自然にフォームを移行していっているのです。
そしてその動きは、止まってる形の連続では絶対に真似できない種類のフォームなのです。

それはね、上手な人の動きというのは、『どの一瞬も、常に「次の動きへのPREPARATION(プレパレーション)」、つまり準備である』ということなんです。
たとえば「ド」と弾いた瞬間、その「ド」は正確に美しく打鍵された「ド」であると同時に、打たれた瞬間次の「レ」へ向かっての跳躍を始めている「ド」なのです。
このPREPARATIONというのは、何事においても 上手と下手を分ける大きな秘密の暗号なので、覚えておいてね。

 ♪ひみつの暗号~ じょうずのパスポート~

これはわたくし、ヒバリの研究と観察の結果ですが、演奏でもスポーツでもダンスでも、上手な人は必ず、素晴らしいPREPARATIONを持っています。
そして残念ながら、これは口で説明されてもすぐには習得できない。
自分の中から湧き出てくるものなので、それを会得するにはやっぱり、何度も何度も練習してみる以外にありません。

やっぱり音階は奥が深い・・・


イ短調の音階とチム・チム・チェリー

2012年01月01日 | 音符・楽譜・テクニック

Y子ちゃん(小5):
「バーナム」で、イ短調の音階が出てきました。
「ラ」の音から始まって、ソの音だけに♯のついた音階、そして最後に、ラドミの和音が転回しながら降りてくるようになっています。
先生:「これが『イ短調』の音階だよ。ハ、ニ、ホ、ヘ、ト・・・っていう音の名前、学校で習ってるよね?」
Y子:「うん、習ってる」
先生:「この音階は、ラから始まってるでしょ。ラは、数えていくと『イ』の音だね。そして、『短調』は、前にバーナムで出てきた『くもり』のこと。悲しい感じの和音のことだよ。だからこの練習は、『イ短調』。反対に、明るい曲は『長調』っていうの。『ハ長調』とか『ト長調』とかって、あったでしょ」
Y子「あー、そうなんだ」
先生:「そして、基本の和音は、最初の音をベースにしたラドミ・・・Amだよ。マイナーって、悲しい音だったよね?」
Y子:「ああ、そうだったのか」

今までに いろんな練習曲やアレンジなどで メジャーコードやマイナーコードを体験してきたY子ちゃんは、短調の調整のことが理解できたようです。
そのあと、ルーレットで選ぶ課題になったとき、♯の3つつく練習に当たったので、先生はきいてみました。
「これは何調だ?!」
Y子ちゃんは、右手を見たり左手を見たり、和音を転回してみたり、よーく考えて ついに答えました。
「イ長調!」
\(^O^)/ピンポ~ン
音階とコード、ちょっとわかったね!

アレンジの曲は、「チム・チム・チェリー」でした。
ちょうど今習った「短調」の曲です。 また、この曲には独特の「お約束」みたいなものがあります。
それは、メロディーに対して「ラ~、ソ♯~、ソ~、ファ♯~、ファ~、ミ~、レ♯~、ミ~」という 半音階の下降音階でできている 独特なカウンターメロディー(もうひとつのメロディーライン)です。
これを、ベースラインとして使ったり、内声でカウンターメロディーとして使ったり、またはソプラノでオブリガートとして使ったり、何かの形で使わないといけません。
これがあっての「チム・チム・チェリー」なので、これを知らないと笑われます。
Y子ちゃんには、「ベースで使ってみよう。どこまでも、半音階で下がっていける音を見つけて」と指導しました。

ジャズやポピュラー界には、こうした「どこにも書いてないけど、ミュージシャンなら誰でも知ってる暗黙の了解」というものが あっちにもこっちにも、いっぱい存在しています。
ヒバリ教室の生徒のみんなには、楽譜をきっちり守るクラシックだけでなく、こうした「自由の中にも暗黙のお約束がある」ジャズやポピュラーの音楽も できるようになってもらいたいと思っています。

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なんでまちがえるのか? それが大事

2011年08月05日 | 音符・楽譜・テクニック
M3ちゃん(中1):
「アルプスの夕ばえ」、大分なめらかに弾けるようになってきました。
M3ちゃんは音楽をつかむ能力が高いので、一旦「わかった」と思うと、とてもなめらかな音で弾くことができるのです。
そこにいくまで、楽譜から内容をつかんでいくのが、どっちかというと苦手なのかな・・・
いやいや、それでも、充分に読譜力もあるM3ちゃんです。
内容を間違いなく把握するまでにミスが多いのは、「読めない」せいではなく「早とちり」が多いからです。
例えば 最初のテーマ部分、メロディーが「レレレレー ドシ シララー、ソソソソー、ファミレー」となるのですが、最初の段階でなんとなく「ソソソソー」の部分を「ミミミミー」と思ってしまったら なかなか直らない。
最近ようやく、「ソソソソー」のメロディーが定着して、余裕が出てきたところです。
けれど こうなるのも、音楽センスとカンが良いせいなのです。
「レレレレー」ときたら「ミミミミー」と進む・・・というのは、メロディーの常套句のようなもので、自然というか当然の流れです。
M3ちゃんは、楽譜を見て弾きながら、無意識に曲の流れを予想して弾いているのです。
これは、とても大事であり、またたいへん高い能力であります。
ただ、実際は、自分の予想と譜面の結果を、瞬時に判断しながら、楽譜を読みとって弾いていくことになりますが、M3ちゃんの場合 そちらの熟練度がいまいちなので、予想をそのまま音にしてしまい、ヤマカンだけが一人歩きしている結果、無駄に修正の手間がかかる、というなりゆきになっています。
まあ、それも成長の過程です。
読み違いは多々あるけど、とても興味深い間違え方なので、よいレッスンになっていると、ヒバリ先生は見ています。

生徒は楽譜を いろいろ間違えますが、一概に「違ってます!」「よく見て!」などというのではなく、
一人一人の生徒が、どこをどう間違って弾いたか、そしてそれは何が原因なのか、そのことが大事です。
そういう意味で、ヒバリ先生は、みんなに、大いに間違って弾いてもらいたいと期待しているので(?)
みんな、間違いを恐れず、伸び伸びと弾いてくれたまえ。

たぶん、間違って弾いてるからといって、おこられることはありません。
大笑いされることは、めちゃめちゃありますが。

アルベルティ・バスを弾いた♪

2011年02月17日 | 音符・楽譜・テクニック
M4ちゃん(年長):
「ピアノで歌を 2」の本にはいってから、「むずかしそう」といって残していた 1番の「とけいのうた」を、ついに弾きました。
「ドソミソ、ドソミソ」という伴奏がついています。
この伴奏の形、ピアノをやったことのある人なら だれもが経験しているのではないでしょうか。
バイエル、ソナチネなどで 必ずといっていいほど多用されていた、「ドソミソ」「レソファソ」「ドラファラ」などのパターンをとっかえひっかえ使う伴奏。

この伴奏パターンには「アルベルティ・バス」という名前がついているのですよ。
今から300年ほど昔に イタリアで生まれた、ドメニコ・アルベルティさんという鍵盤楽器の演奏者が考え出して、いつも使っていた伴奏パターンが これだったのです。
作曲した作品もほとんどなく、無名であったアルベルティさんの伴奏パターンが、なぜこんなに定着したのか、考えてみるとちょっと不思議ですが、あのモーツァルトやベートーヴェンなども、その作品の中でアルベルティ・バスを愛用しています。

この、ピアノ音楽の代表ともいえる「アルベルティ・バス」を弾くまでになったM4ちゃん。
思えばすごいことです。
「やってみたら簡単だった!」と、ほんとに嬉しそうで 自信に輝いた笑顔がかわいいです。
ほんとに、指がよく動くようになったし、日々実力がついてきています。
だんだん、ピアノらしくなってきた練習曲を楽しみながら、成長していってね。

二拍三連のチャンピオン

2010年09月29日 | 音符・楽譜・テクニック
Hさん:
来月は たびたび旅行で留守にするため ピアノの練習ができないとのことなので、10月はお休みということにしました。
今日が9月の最終レッスンとなるので、お休みしている間 時間があったときに一人で練習できるよう、課題とポイントの確認をしました。
バロックの曲集も、そしてもう一つの「メイン曲」の方も、新しい曲へと進んだところなので、わからない所があったり 譜読みを間違っていたりしたら、1ヶ月間レッスンがないので困ってしまいますから・・・

バロックの曲が好きで、バッハの曲集などもたくさん経験しているHさんは、新しい曲のポイントも ちゃんととらえて弾けていました。
もう、バロックの決まり事や、装飾音、独特のタッチなども、いちいち言わなくてもちゃんと表現してくれます。
これなら、1ヶ月一人でも大丈夫!(^_^)v

また、新しい課題となった ソナチネアルバムの「ロンド」。
この曲は、途中で、あの みんなが恐れる「二拍三連」が使われています。
右手が8分音符でメロディーを刻むのに対し、左手の伴奏は三連符の連続。
この、「2分割」と「3分割」の譜割りを正確に合わせるのは難しく、みんながとても苦労するのです。
ところが! Hさんはなんと、この「二拍三連」の名手なのです!
いつだったか「白鳥の湖・情景」を弾いたときに、その隠れた特技が発覚したのでした。
誰もがなかなか弾けず、テンポがのびたり縮んだり、両手が合わなかったりする「二拍三連」の連続を、Hさんはぴたりぴたりと決めていったのでした。

そして今回も・・・
Hさんは その正確な二拍三連奏法で、いつかの「二拍三連の名手」説を裏付けたのでした。
\(^O^)/これで決まった! Hさんは「二拍三連」のチャンピオンだ!!

ドラえもんのイントロ

2010年09月07日 | 音符・楽譜・テクニック
Mちゃん(小6):
「バーナム」の練習曲をやっていて、「今度はこれ」と 新しい課題を弾いてみたときのこと。
それは、4分の4の曲で、1拍ずつが全て三連符で構成されているものでした。
「タララ、タララ、タララ、タララ」という感じの曲です。
「これ、『ドラえもん』のイントロにそっくりじゃない?」と先生。
「そうだねー、ほんとにドラえもんだ」とMちゃん。
そのとき、先生は思いついたのです。
「いいこと考えた!今度、『ドラえもん』のイントロを、考えて弾いてきて!」
「えーっ、どうやって?!」
「ちょっとやってみてごらんよ。『ドシラソラシ、ドシラソラシ、ドシラソラシ、ドシラソ・・・』」
Mちゃんは弾いてみました。続きを思い出しながら。
「ねっ、できるでしょ。こうやって、イントロを全部弾いてきて。そして、それを音符に書こう!」
例の五線ノートを取りだし、最初の部分を見本として書いてあげます。
「こうやって、三連符で書いていくわけよ。ね?」
「うわー、書けるかな~」と言いながらノートを受け取ったMちゃん、ふと疑問が浮かんだようです。
「最後のところ、半音階でずーっと下がってくるでしょ。レの次の黒鍵は、レの♭なの?それともドの♯って書くの?」
いい質問だ!
「とりあえず、どっちでもいいことにするよ。自分で『レの♭』と感じたらそう書けばいいし、『ドの♯』と聞こえるなら、そう書いて」
「「はあい」
「でもね。もしも『ドの♯』って書いたら、次は普通のドだから、ナチュラルつけないといけないね。そしてずーっと、ラの♯、ラのナチュラル、ソの♯、ソのナチュラル・・・って書かなきゃいけなくなる」
「わーっ、ほんとだ。じゃ『レの♭』にしよう」

こうして、Mちゃんの
1.三連符の指の訓練
2.耳コピの訓練
3.楽譜を書く訓練  が、同時に成されていくことになったのでした・・・ しめしめ。

コードづけ

2009年10月21日 | 音符・楽譜・テクニック
Y子ちゃん(小4):
宿題になっていた、ブルクミュラーの1番「素直」が出来上がりました。
Y子ちゃんが ちゃんとよく練習してきて、「素直」が早くできあがり、時間に余裕があったので、先生は「この曲に、どんなコードが使われてるかわかる?」と聞いてみました。
「はじめはC、だね」Y子ちゃんはすぐ答えました。
「そう、そのとおり。次はわかる?」
Fは転回形で出ていたので、ちょっととまどったものの、第1転回・第2転回の説明をすると、Y子ちゃんはすぐに理解できました。
こうして、転回形のことや 音階とそれに含まれるコードのことや 一時的な転調のことなどの説明を受けながら、Y子ちゃんの楽譜には 曲の前半部分に 全部コードネームが書き込まれました。

コードネームという概念は、伝統的なドイツスタイルがベースになっている クラシック音楽の世界にはありませんが、アメリカで考案され、クラッシックのいわゆる「和声学」とは別の切り口でハーモニーを分析していく「コード」の考え方は、たいへん便利なものです。
今こうして現代に生きている子どもたちには、ぜひコードの考え方を学んで、多面的に音楽を身につけてほしいと思うので、ヒバリ教室では、子どもたちにも積極的にコードを教えています。

今日、ふとしたことから、先生が即興でいろんな歌を弾くのを見ていたY子ちゃんが、
「楽譜にメロディーしか書いてないのに、先生はどうやって、ソプラノとかアルトとか伴奏とかがわかるの?」と聞きました。
「それは、コードがわかるからよ。コードに合わせて、メロディーに音を重ねたり伴奏をつけたりするの。そうだ、Y子ちゃんも やってみてごらん」

きのう、偶然の流れからM3ちゃんに「耳コピ」の宿題を出しましたが、今日、Y子ちゃんにも、偶然に課題を出すことになりました。
教室にあった歌集の中から、Y子ちゃんが知っているという「グリーン・グリーン」を選び、コードネームを見て伴奏をつけて弾いてくるように、と宿題を出しました。

たまたま時期を同じくして、耳コピやコードによる伴奏などの宿題が、子どもたちに与えられましたが、偶然というよりもむしろ、そういうレベルに子どもたちが達するようになった、ということのような気がします。

これから、ヒバリ教室の子どもたちは、今まで以上に独創性や音楽性を磨いていくようになると思います。

オリジナル宿題・耳コピ

2009年10月20日 | 音符・楽譜・テクニック
M3ちゃん(小5):
最近レッスンのときに、「この歌ピアノで弾いてみた」と、学校の歌やTVの歌、アニメのテーマなどのメロディーの断片を、ピアノで弾いてみる、ということが何度かありました。
今日は、映画「千と千尋の神隠し」のテーマ曲「いつも何度でも」の最初の部分を弾いていました。

M3ちゃんは知らないだろうけど、彼女がやってるのは、実は「耳コピ(耳を使って曲をコピーする)」の始まりなのです。
昔、私たちポピュラーやジャズの音楽をやる者は「レコードコピー」と言っていた、新曲をゲットするための非常に重要な作業であり、高度な音感とリズム感を必要とするワザです。
クラシックの分野では「楽譜に書かれたものを弾く」ということが前提のため「耳コピ」なんてありませんが、音大や音高の受験のとき、音が聴き取れるかを調べる「聴音」という試験科目があって、和音や旋律を聞き取って五線紙に書き取らされます。
そしてその「聴音テスト」でいい点を取るために、音楽学校を受験するほとんどの人が「聴音」を習いに行ったりしています。

しかし、ジャズなどをやっている者に言わせれば、「聴音」なんてつまらない勉強しなくても、うちらは充分 もっと複雑な曲を「耳コピ」の実践でバリバリ聴きとってますぜ、と言うはずです。

せっかくM3ちゃんが、耳コピに目覚めてきたみたいなので、ちょっとがんばって伴奏までつけて仕上げてもらおう、と思い、彼女にも、これを「オリジナル宿題」としました。
「いつも何度でも」を聴き取り、コードで伴奏をつけて弾いてくる」
「えっ、伴奏なんて無理・・・でも最初はCかな(M3ちゃんはハ長調で弾いているので)」
「そう、わかってるじゃない。Cでいいのよ。そしてその続きも、自分の耳で『これが合ってる』と思うものをつけてみて。どうしても変なところは、メロディーの音を含むコードの中から探してごらん」

さあ、今週のM&M3は、それぞれにオリジナルのミッションが課せられました。
来週、二人はミッションを遂行してこれるでしょうか。わくわく。

※「耳コピ」については、HP「「ピアノのすすめ」」の「音楽のツボ」の中にもコラムがありますので、見てください。

補助ペダル

2009年09月08日 | 音符・楽譜・テクニック
ピアノは 手で鍵盤を弾くのはもちろんですが、足のペダルを使うことも とても大切な「演奏」のうちの一つです。
音をつなげたり、ソフトなふんわりとした効果を出したり、またオーケストラのトゥッティ(全員で音を一斉に出す)のような大迫力を出したりするのに、ペダルはかかせません。
生徒のみなさんにも できるだけ早いうちからペダルになじんでもらいたいと思いますが、椅子に座ると足がブラブラしてペダルに届かなかったり、逆にペダルに届かせようとして椅子をどんどん下げると、肝心の鍵盤がはるか上の方になっちゃったり・・・ という 小さい人のために、「補助ペダル」があります。

市販の「補助ペダル」として売られているのは、30センチ立方ぐらいの「箱」の上面にペダルがついていて、本来のピアノのペダルにかぶせて使うものです。
けっこう踏むのに力がいるし、幼稚園生や小学校低学年の子どもたちには、使いづらいものです。
おまけに高い!
高さが高すぎる。そんな高い「踏み台」に足を乗せたら、演奏の姿勢が狂ってしまいます。もひとつおまけに、値段も高い!(数万円もする)
ほんの10センチかそこら、高さがあれば事足りるのにさ・・・
そこでヒバリ教室では、補助ペダルがわりにこの厚底サンダルを使っています。(2年くらい前、近所のスーパーOZEKIの店頭ワゴンでみつけてきた)

底の厚みが6~7センチあるので、これを履いて足を「上げ底」にしてペダルを踏もう、という作戦です。
「バーナム」やテキストなどで、ペダルはよく使うので、みんなレッスンに来たら、まずこのサンダルを履いてからピアノの前に座るのです。

さて、今日Mちゃん(小5)は「パッヘルベルのカノン」の仕上げです。
ペダルも全曲通して使います。
いつも通りにサンダルを履こうとするMちゃんに、先生は言いました。
「Mちゃん・・・もうサンダル履かなくていいよ」
もうスクスクと背が伸びたMちゃんは、こんな「上げ底」使わなくたって、じゅうぶん、やっていける。
みんながペダルに足がとどくようにと先生が探して、見つけてきたこのサンダルを、2年間 毎週毎週、あたりまえのように みんなが履いてた。
ほんとは、Mちゃんにはいつの間にか必要なくなってたのにね。
先生からの"Mちゃんサンダルお別れ宣言"でした。

「そうか。確かに」Mちゃんは納得しました。
「あたし、背伸びたもんね~」と嬉しそうに言っています。ほんとにずいぶん伸びました。
「150センチになるのが夢なんだ!」
その"夢"はすぐ叶うよ・・・っていうか、もう叶ってるんじゃないの?と 秘かに思った先生であった・・・