ピアノは 手で鍵盤を弾くのはもちろんですが、足のペダルを使うことも とても大切な「演奏」のうちの一つです。
音をつなげたり、ソフトなふんわりとした効果を出したり、またオーケストラのトゥッティ(全員で音を一斉に出す)のような大迫力を出したりするのに、ペダルはかかせません。
生徒のみなさんにも できるだけ早いうちからペダルになじんでもらいたいと思いますが、椅子に座ると足がブラブラしてペダルに届かなかったり、逆にペダルに届かせようとして椅子をどんどん下げると、肝心の鍵盤がはるか上の方になっちゃったり・・・ という 小さい人のために、「補助ペダル」があります。
市販の「補助ペダル」として売られているのは、30センチ立方ぐらいの「箱」の上面にペダルがついていて、本来のピアノのペダルにかぶせて使うものです。
けっこう踏むのに力がいるし、幼稚園生や小学校低学年の子どもたちには、使いづらいものです。
おまけに高い!
高さが高すぎる。そんな高い「踏み台」に足を乗せたら、演奏の姿勢が狂ってしまいます。もひとつおまけに、値段も高い!(数万円もする)
ほんの10センチかそこら、高さがあれば事足りるのにさ・・・
そこでヒバリ教室では、補助ペダルがわりにこの厚底サンダルを使っています。(2年くらい前、近所のスーパーOZEKIの店頭ワゴンでみつけてきた)
底の厚みが6~7センチあるので、これを履いて足を「上げ底」にしてペダルを踏もう、という作戦です。
「バーナム」やテキストなどで、ペダルはよく使うので、みんなレッスンに来たら、まずこのサンダルを履いてからピアノの前に座るのです。
さて、今日Mちゃん(小5)は「パッヘルベルのカノン」の仕上げです。
ペダルも全曲通して使います。
いつも通りにサンダルを履こうとするMちゃんに、先生は言いました。
「Mちゃん・・・もうサンダル履かなくていいよ」
もうスクスクと背が伸びたMちゃんは、こんな「上げ底」使わなくたって、じゅうぶん、やっていける。
みんながペダルに足がとどくようにと先生が探して、見つけてきたこのサンダルを、2年間 毎週毎週、あたりまえのように みんなが履いてた。
ほんとは、Mちゃんにはいつの間にか必要なくなってたのにね。
先生からの"Mちゃんサンダルお別れ宣言"でした。
「そうか。確かに」Mちゃんは納得しました。
「あたし、背伸びたもんね~
」と嬉しそうに言っています。ほんとにずいぶん伸びました。
「150センチになるのが夢なんだ!」
その"夢"はすぐ叶うよ・・・
っていうか、もう叶ってるんじゃないの?と 秘かに思った先生であった・・・