ゴマちゃん(小5):
ブルグミュラーの「スティリエンヌ」が完成しました。
教師が、生徒の弾くキスト課題を「合格」とし、マルをつけるという時、その「合格基準」は 全員同じというわけではありません。
生徒によって、また、その時の状況によって、曲の完成度何パーセントでマルをあげるか、というのは微妙に変わってきます。
今日のゴマちゃんの「スティリエンヌ」は、タッチといいテンポといい、かなり高い完成度で仕上がってる。
以前によく指摘されていた「指番号がいい加減」という悪癖も改められて、素晴らしくピアノレベル向上したなー、と驚くほどの成長だ。
「いいじゃん!よくできたね!」とマルをつけてもらい、
「ママに、早くブルグミュラー終わらせろって言われてる」とゴマちゃん。
確かにね。先生としても、ゴマちゃんにはどんどん先へ進めてもらいたいけど、ま、ピアノばっかに時間かけられるわけでもないだろうし、今弾いている課題に心を込めて、目いっぱい濃い音楽を体験してもらいたいなと思っているよ。
「じや、次はこの曲」
先生がページをめくって示したのは「バラード」です。
「クラシックで言う『バラード』ってね、『物語』を感じさせる曲のことなの。ロールプレイングゲームみたいなさ、勇者が出てきて、ドラゴンを退治して、姫を助けて…みたいな、ドラマチックな音楽。今 弾くから、どんなドラマを感じるか聴いてみてね」
先生はそう言って、弾き始めました。
最初はミステリアスに刻まれる連続和音…
弾きながら
「ほら、勇者が闇の中を馬で駆けていくような… 」
途中で ダーン!と響く不協和音。
「稲妻が光るよ!」と叫びながら弾く。
横で見ていたゴマちゃん、その後 同じような不協和音が響くたびに「稲妻!」と叫んで声を合わせる。
中間部の緩やかな部分に差し掛かり「お城では姫が待ってるよ」と先生、ゴマちゃんも「はは…」とリラックス。
再び曲は最初のスタイルへと戻り、ゴマちゃんも「稲妻!」「稲妻!」と叫びながら鑑賞。
最後、ダーン!という大音響で華々しくフィニッシュ。
「あー。終わったねー」とゴマちゃん。
「じゃ、来週これを練習してきてね」
「うん」
ブルグミュラーはテクニックの練習曲集ではありますが、一曲一曲が 学習者のイメージを豊かに盛り立てる、芸術性高い小品でもあります。
心に浮かんだビジュアルをたっぷり味わいながら、それを表現すべく指を訓練したり表現を工夫したりするならば、必ずしも早く進まなくても、気に入った曲ならゆっくり時間をかけてレパートリーにしても、それはそれで価値あるものとなることでしょう。
ゴマちゃん、来週どんな風に弾いてくるかな。
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