自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

キタキチョウ,冬眠中(続)

2013-01-12 | 日記

1月12日(土)。持ち帰ったキタキチョウを,接写で撮影しました。

翅をつまんでツゲの枝にぶら下げようとして,びっくり。二本の後脚でぶら下がった状態になったのです。体重をたった二本の脚で,それも脚先の爪だけで保持するとは! 

予想なのですが,チョウは眠った状態にありながらこんなふうに自然にからだが動いたのではないでしょうか。自然界ではどんな環境の変化があるか,わかりません。一方,寒さのためにからだは完全に睡眠に入っています。

環境が変わっても,いのちを守るための最低の防御体制が整えられているように思うのです。でないと,みすみすいのちを失うことになります。

たとえば,ぶら下がる姿勢が越冬の絶対条件ならば,この条件が壊れたとき,からだがそれを修復するよう機能するとか……。修復するといっても,たぶん,完全に目覚めなくてもできるしくみが体内に備わっているでしょう。この格好が刷り込まれているとか,何かあるにちがいありません。

四本の脚が折り曲げられたままなのは,チョウが眠っていることを物語っています。こうした動作ができるのは,ちょうどマグロが眠ったまま泳いでいる姿に似ていると思うのです。眠っていても状況に応じた動作が行えるふしぎを思いました。

わんさかと毛が生えています。結構暖かいのでしょう。厳冬を生き抜くための戦略がうかがえます。 

頭の方から,ぶら下がった姿を撮りました。

見事な一直線です。翅の間に二本の触覚がきれいにしまい込まれています。まるで格納庫です。この姿から,ついつい左右対称図形を思い浮かべました。翅の表面には細かな毛が密生しています。それぞれが自然の美です。 

いのち一つとの出合いを疎かにせず,じっくり見つめることの大切さを思いました。