自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

クビキリギスの頭

2013-01-14 | 生物

冬眠中のクビキリギスからは,明らかに仮死状態と同じ様相が伝わってきます。まったく動かず,少し刺激したときにわずかに動くとはいえ,あるがままの状態を維持しようとしてそうっと動いているように見えるだけです。

それで,格好の被写体になってくれました。

体表は,意外とごつごつしています。外骨格に役を果たしながら,内部器官を保護していることがうかがえます。

円錐状の頭の上の方に複眼が付いています。さらにその上から,触覚が優雅に曲線を描いて突き出しています。 

複眼の個眼が,きれいに並んだ様子が観察できます。 

頭の斜め下から見上げて写してみました。触覚,複眼,口器が揃って見えます。口は頭部の下を占めています。葉をボリボリ貪り食うための器官です。これだけたくましい口が備わっていることが,こうした草食性昆虫 を特徴づけています。

赤く見えるのが大顎。中央から下に突き出した黄緑色の板状のものが上唇。何本か付いている棒状のものが小顎や小顎鬚の類い。すべて名が付いています。

顎は胸と離れていて前後左右できます。餌を食べる際姿勢を柔軟に曲げ伸ばしできるように,また運動が滑らかにできるように仕組まれていることがわかります。

接写の世界には,肉眼では見えない光景がゆたかに広がっています。