自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

春,ホシノヒトミと訪花昆虫(1)

2016-03-14 | 昆虫と花

暮らしにも自然にも春の兆しが確かに見えています。『ホシノヒトミ』シリーズも,それに沿って冬から春に衣替えします。今回は春シリーズの1回目です。

ホシノヒトミはか弱そうに見える花でありながら,種としてはたいへんたくましく生きる植物です。わずかな隙間があるだけで生えて来て,他の草に先駆けてさっさと花を付けます。そして厳寒期から早春にかけて早々と種子を実らせ,勢力分布を拡大していきます。

自宅脇の空き地にもあちこちに小群落をつくっています。地面が固められた空き地なので,他の草が生えようにもなかなか生えられない環境です。それで,背がうんと低くても育ちます。そういうところで生きていけるしたたかさにはほんとうに感心します。

背が低いので,花を訪れる昆虫たちを撮影するにも好都合です。動く被写体に素早く寄って行って,指や肘を地面に着けてカメラを固定できます。もちろん,そのときのわたしの姿勢は,腹這いになっているか,それに近い格好です。

3月13日(日)。目を凝らして花を見ていると,体長2mmほどの黒い昆虫が! それに褐色を帯びたものが花の中央部に。レンズを通してやっと,その正体がわかって来ました。有翅型のアブラムシです。蜜源を求めて来ているのは明らかです。 


触角とからだには花粉が付着しています。幸いじっとしていたので,慌てことなく写すことができました。 

 
後方に回って写しました。褐色の昆虫は無翅型のアブラムシです。今の段階で名を同定することはできません。両者は同じなかまかもしれません。からだに花粉が付いています。こうしている間,2匹はふしぎなぐらいほとんど動きませんでした。ナナホシテントウがうろうろしているので,いつ被害に遭うかわかりません。

ヒラタアブの幼虫もいます。成虫がそこに棲むアブラムシを嗅ぎ付け,卵を産み付けるのです。

 
小さな花には小さな昆虫。この組み合わせは当たり前なのですが,それにしてもこんなに小さな花粉媒介者がいるなんて,スゴイ!