豆粒どころか,もっともっと小さな甲虫がいました。もちろん名なんかわかろうはずがありません。「よくもマア,こんな虫がいることか!」とびっくりでもあり,「そんな昆虫がよくもマア目にとまったものだ」と ,視力が衰えている自分の目を褒めたくもなったり。「いったい,なにをしているのかなあ」。そう思いつつ,「花に関心があるんだ」と確信。だって,そこからまったく離れようとしないのですから。
しかも,わたしの動きを感じて花弁の裏側に避難したと思うと,しばらくしてまた元の場所に戻って来るのです。
観察していると,今度はオシベを登って葯に達しました。からだには花粉が付いています。この虫もまちがいなく送粉に貢献しているのです。
花の中をあちこち動き回ったあと,歩いて消えて行きました。
この甲虫に宿るいのちもまた,一つのいのちです。じっと見つめているといのちのふしぎ,すごさが浮かび上がります。 昆虫とホシノヒトミとのつながりにはまだまだ見えていないことがあるはず。あって当たり前。どんな出合いが待っているかなあ。