花を一つひとつ点検するような感じで見ていくうちに目にとまったのが,昆虫の真っ白な死体。脚と翅が残っているだけで,無残な姿です。「ははーん,これはクモにでもやられたんだな」と直感。
さらに近くを見ていくと,ウロコアシナガグモが花にいたのです。前とは違って,花に被さるような体勢をとっています。「もしかしたら昆虫を捕まえているのかも」と思い,確認しました。しかし,その気配はありません。ふしぎなのは,そんなわたしの動きを警戒する素振りがまったくないこと。
なんだか執着心のようなものさえ感じました。気になるので,さらに周辺を見ておこうと思い,見始めたとき! すぐ近くで捕まって動かなくなったハエのなかまが糸にぶら下がっていたのです。 宙ぶらりん!
このときの状況は,もしかすると,捕食中にわたしの姿を認め,花に一時退避したばかりだったのかもしれません。だから,貴重な獲物を置いたまま簡単に逃げて行くわけにはいかなかったのかも。
食物連鎖の場面を目にして,それぞれ種・からだの大きさの違いはあっても,いのちといのちの関わり・つながりはどこにおいても,どの例においても似ているなあと改めて感じました。