3月5日(土)。晴れ。 啓蟄。キッズ探検隊の活動日です。下調べのつもりで,昼休みに予定コースを歩いてみました。気温が高めだけあって,目覚めた昆虫と対面。大きな成果です。
まずは,キチョウ。目の前にやって来たのでびっくり! 見ていると,ハコベの花にとまって吸蜜を始めたのです。意外! ちゃんと口吻が伸びているのが見えました。
オオハナアブも! ブーンと羽音を立ててやって来たので,「どうか,目の前のホシノヒトミで吸蜜して!」と願ったら,なんとそのとおりに! 花からからだがはみ出しても,懸命に蜜に目を向けています。うんと近づいても,気づいていない様子。
隣りの花に移りました。からだの重みで花茎が大きくしなりました。脚に付いた花粉が光りました。その多さにはびっくり。あちこちのホシノヒトミを巡って来たのでしょう。春が来たと感じて,一気にからだを動かし始めたようです。
これで,下見は終わりです。
探検日なのですが,今日はほとんどの子がサッカー試合で参加できず,できたのは子ども2人,おとな1人の3人だけ。10人に満たないという日はめったにありません。「3人でもやらなくちゃ。それもしっかりかかわっておこう」と思いながら,さあ出発!
ウメの木の近くに来ると,ハナバチやミツバチが羽音が立てて飛び回っていました。耳を澄まして,それを聞きました。そこに来たのがアカタテハ。「とまって!」といっていたら,そのとおりになりました。口吻が見えました。メジロがやって来て,花粉を食べ始めました。たくさんの生きものが一気に見えて,3人は喜んでいました。もちろん,ガイド役のわたしも!
木の下に,花の付いた小さな枝がありました。子らは匂いを嗅ぎました。そして,「甘い!」と叫びました。
山麓の道を歩いていると,足元に舞い降りたのがテングチョウでした。まるで自分の存在を伝えたいような行動に見えました。惜しくも一瞬のことだったので,写真には収められませんでした。
ホシノヒトミの間で見たのがナナホシテントウとアリ。アリが花にとまってなにかをしているので,お母さんが「なにしてるんでしょう」とおっしゃいました。それで,「よく見て!」と伝えると,子どもは持って来た虫メガネで見ていました。「蜜を吸っているの?」と聞くので,「そう」と答えると,アリが吸蜜することがとてもふしぎな様子でした。だって,アリは甘いものが大好き! 「なるほど!」。
農道を歩いているとモンキチョウが飛来しました。「あっ!」と叫ぶと,チョウは田に降りました。大急ぎで近寄って行って撮ったのが下の写真です。たった1枚の証拠写真となりました。
子どもたちが見つけたのがカナヘビ。「ほほーっ!」とうれしくなりました。
このあと,菜の花でミツバチを1匹見つけました。やはり,自分で見つけるというのはいいもの。「翅の音がする!」といいながら,花から花へと移る様子と蜜を吸う姿をじっと見つめていました。
おしまいは,鎮守の森へ。倒れかけた木の根元周辺を調べたり,幹にできた空洞を調べたり。しかし,この森は針葉樹が大多数。収獲はさっぱり。見たのは,たくさんのサルノコシカケ。これは目撃対象にしている虫ではありませんが,子どもはおみやげに採集していました。結局,植林地は生きものにとって棲み心地がよくないことがわかります。
これで探検は終了。啓蟄当日としては上出来の探検になりました。以下は3人の探検ノートから。
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さるのこしかけ ちいさいおおきい おもしろいな
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テングチョウ アカタテハ セイヨウカラシナ 春発見
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虫と人間は同じ/虫は成長してふえる/人間も成長してふえる/虫も人間も一生けんめい生きている(「虫と人間」と題して)