自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

クロアゲハ,越冬蛹の受難

2016-03-15 | クロアゲハ

アゲハの庭園にあるレモンの木で越冬中の蛹については,すでに記事にしたとおりです。


この蛹に大事件が発生しました。


3月14日(月)。なんと無残なことに,2つある蛹のうち1つが外敵に襲われていのちを失っていたのです。この失い方が,なんとも壮絶といったらいいか,「ひどい!」のひとこと。

葉が適当に付いて外敵からはよく見えない位置にあったのが,葉がことごとくなくなっていて,その枝に尾端を付けたまま逆立ちしてぶら下がっています。木の枝のうち,その辺りだけ葉がないので「おかしいな」と思い確かめてわかったのでした。足元には葉が散乱状態。一方の蛹は葉で隠れていて幸い見つからず,そのまま。

襲われた個体を調べると,横から突っつかれたような形跡が残っています。硬い殻に穴を開けて,その穴を拡げるようにしながら中身を取り出した外敵がいたのです。


わたしにこころ当たりがあるといえば,ヒヨドリです。それなら毎日のように庭を訪れます。餌を求めているはずで,前,庭の脇の道ではなにやら苔をひっくり返して餌を探しているのを見かけたことがあります。ミミズを探していたのかもしれません。


さらに,この日,コンポスト側面にあったジャコウアゲハの蛹がなくなっていることに気づきました。これもヒヨドリのやったことでしょう。観察を続けてきただけに残念。

そんなことを思って,改めてこじ開けられた穴を点検すると,穴の上の方には力が加わって壊れた殻が裂けめをつくっており,下の方には剥がれかけた殻がかろうじてくっ付いて残っている箇所があります。こうした事象は,嘴のように鋭く尖ったものが当たったことでできたものと想像できます。


ヒヨドリはまちがいなく蛹の天敵なのです。冬を越して,もうすぐ羽化だというのに,かわいそうな結末を迎えてしまいました。

残る1個体については,自然任せで放っておくのでなく,観察者の目に立って袋を被せ保護しておこうと思います。