自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

マンサク,今(54)

2018-04-02 | マンサク

花を訪れる昆虫がいるところには,それを待ち伏せる生きものがいます。クモはその代表例です。

巣をつくって辛抱強く待ちます。何日も何日も獲物が捕らえられないこともあります。いったい何日間空腹のままでいられるのでしょう。このようにごく小さな昆虫でも,引っ掛かればクモにはハッピーな話。 

 

どうやら,盛んに訪れるユスリカのなかまのようです。

 

わたしが撮影しているのに気づいて,花の方に緊急避難したようです。

 

しばらくすると,また元の位置に戻っていました。何もなかったような姿で静止したまま。からだはわずかな空気の動きによって,途切れなく揺れていました。

 

 


ハコベの昆虫たち(9)

2018-04-02 | 昆虫と花

観察中に飛来したのはナミハナアブ。「しめた!」と思いながら,カメラを近づけて一枚撮りました。その途端,去って行きました。絶好のチャンスだったのに!

 

花に比べると,これだけ大型の重い昆虫が訪れるのはいたってめずらしいことです。それだけに貴重な一コマになりました。

ほんとうに撮りたいのはこうした静的な画像ではなく,食餌行動をしている生々しい風景です。そこには当然,眼もあり口もあり,ということになります。このコマでは全身の様子がわかっても,そうした動的な姿がとらえられていません。

いつかの機会を待つことにします。

 


ギフチョウ,今(その4)

2018-04-02 | 昆虫

成虫たちはいのちのバトンを次の世代に無事に渡すと,静かに死を迎えます。それが宿命なのです。ドームの地面には,そうして横たわる死骸がいっぱい。

翅を広げて仰向けになった個体。立ったまま硬化した個体。「こんなに美しい姿がなぜこんなはかない運命なのだろう」とふしぎなほどの光景です。

 

吹き抜ける風に翅がかすかに揺れます。

 

春を迎えてもう地面に横たわる死骸が見る者のこころを打ちます。これが「春の妖精」とも「春の使者」とも呼ばれているチョウの姿なのです。

 

ここにも,そこにも。