「生まれる」という生物的事実には、ほんとうに理屈抜きのすごさがあります。どんな小さないのちも、生き物数億年のいのちを引き継いでいることを思うと、見ることでさえいい加減な気持ちになれません。しっかり向き合わなくちゃ、という感じなのです。
透き通ったからだに宿るいのちのふしぎは、いくら考えてもふしぎだらけ。カプセルから出るタイミングをどう計っているのだろう、穴の大きさはこれでいいとどうやって判断するのだろう、判断を司る司令塔はどこにあるのだろう、……、こんなことを考えていくと際限がありません。
出た後、Uターンせよというシグナルはどうやって発せられて、どんな神経系を通して行動へとつながっていくのだろう、そんなふしぎがいくらでも浮かんできます。
思いっ切り近づいてみるとおもしろいだろうなと思いつつ、 そうしてみることに。卵の高さが1mm。肉眼では識別できない世界の出来事です。
初めて見る世界に、すごさが光ります。
「ほっ、ほーっ!」の世界です。