毎朝、おばちゃんといっしょに、朝の連続ドラマをみています。
ぼくは、むずかしくてよくわからないんだけど、戦争中って、ピアノもひいちゃいけないんだね。
なんで、いけないのかな。
つらいときかなしいとき、音楽をきくと気持ちがおちつくのに、どうして戦争中の人たちはピアノをひくとおこるの?
「ひじょうじに、てきこくの曲をひくとはなにごとだっ」
う~ん。よくわからない。
ピアノ線やなべやかまを渡して、なにをするの?
「鉄砲の玉や大砲の玉になるんだわ」
おばちゃんが教えてくれました。
「なべやかまが、なんでてっぽうの玉になっちゃうの?」
「材料がなかったからだよ」
材料がない?
「材料がないのに、戦争したの?」
信じらんない。信じらんない。
「お国のために死んでこいって、なに?死なないとはじって、なに?」
「さあね」
おばちゃんはお茶をずすりと飲みました。
「おばあちゃんだって、戦争中は子どもだったもん。わからないよ」
ふうん。。。でも、
「ぼくは、今すんでるところが大好きだよ。でも、国のためには死なないよ」
「どうして?」
「だって、ぼく、おかあさんに会わないうちは、死にたくないよ」
おばあちゃんは、湯のみからぼくをちらっとみると、
「大丈夫、細太郎は死なないよ」
と、だけいいました。
「うん」
ぼく、おかあさんにぜったい会える、そんな気がする。
テレビは、ピアノの「ふるさと」という曲がながれています。
いい曲だなあ。
二度と、ピアノ線がとられちゃうような時代だけは、こないでほしいと思います。