へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

チラ見で一目ボレ?

2006-08-10 23:13:43 | へちま細太郎
はあい、ぼくの子猫ちゃんたち、藤川です。残暑お見舞い申し上げま~す。

細太郎のやつが、十輪寺の説明しろっていうから、まあ、書くけどさ。
在原業平ゆかりの寺なわけよ。やつは、平城天皇の皇子を父に、桓武天皇の皇女を母に持つ、いわば天皇に一番近い男だった。
が、時は藤原北家が台頭しやつの出番はなくなってしまった。
じいさんの平城上皇が薬子の変で隠居、おやじが承和の変を密告、やつにとって事態は最悪な方向に世の中は動いていく。
だからかな、政敵の娘でお后候補に手をつけたり、こともあろうに斎宮にも手をつけて子供を生ませたりしている。
やけになるのもたいがいにせいや、と言いたいね。
その業平君が身を寄せたのが、この十輪寺らしい。 墓もある。
いいのか?有名人の墓がここで。臣籍降下したとはいえ、皇族だろう。
あんな扱いでいいのか?
一休さんの墓は、宮内庁管轄だろ?
違いはなんだ?
2人とも、派手な女関係があるだろ?
あ?
一休の場合は、反骨精神のなせるわざだと?
まあ、一休のことはいい。
業平君のすごいところは、みすのむこうの女に一目ボレしてしまうところかな?
女の顔を直に見ることのなかった時代、お出かけの牛車の中にいる彼女を、ほんの一瞬のスキをとらえて見てしまい、一目ボレ。さっそくナンパに走る、という驚くべき行動力を発揮する。
負けたよ、俺だってできねえよ。
そんなナンパ男が、遠く都を離れ、山また山にへばりつくようにある寺に住み込んで、よくがまんできたな、と感慨深いものがある。

俺には、マネできねえなあ。
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京都癒やしの寺

2006-08-10 20:19:22 | へちま細太郎
こんにちは、へちま細太郎です。

お友だちの先生の結婚式までには日にちがあったので、ぼくたちはお寺を見て回ることにしました。
「日本一の松があるらしい」
と、藤川先生がガイドブックをみながらていあんしました。
「修学旅行で行くところはさけような」
おとうさんもさんせいして、JRの電車と阪急バスを乗りついで、よしみね(善峰)寺に行きました。
ところが、行くまでがたいへんでした。
JR向日町駅からバスに乗りましたが、道がとてもせまくて、すれちがうのがやっとなんです。トラックが来たら、もうたいへん。運転手さんが道のたいひ所みたいなところにいどうさせたり、相手が安全なところにバックしたりして、ぼくはとってもひやひやしました。おとうさんは対向車ばかり気にしているし、藤川先生はバスの運転手さんの運転ばかり注目していました。
だって、脱輪したら、みぞの中に入ってしまってバスがたおれちゃうかもしれません。 「さすがだ」
藤川先生が感心してます。
「細太郎おまえもな、人から尊敬されるような職業につけ」
と、バスの運転手さんにそんけいの目を向けていました。
バスは山奥へ山奥へと向かい、やがて到着したところは、とてつもなく山の中で、駐車場がかろうじて平らに見えるところでした。
お寺の近道という坂をなんどもおり返しながら登りました
おとうさん、すでに息があらい
お寺の中に入り、日本一の松という、ゆうりゅう(遊龍)の松を見ました。これはほんとうに松の木なのかな、とおどろくくらい横に長い長いL字に枝をのばした松でした。それなのに、背の高さは大したことがないんです。
「写真におさまんないよ」
ぼくが言うと、
「そんなものは、心で覚えておけ」
と、藤川先生がカメラを取り上げてしまいました。
「細太郎と記念撮影ぐらいさせてよ~
おとうさんがなさけない声をだし、藤川先生は何か言いかけましたがあきらめ、何と庭の手入れをしていたおばさんに声をかけて、3人の写真を撮ってもらいました。

はずかったです、ぼく…

よしみね(善峰)寺は、お寺が山に沿ってあり、それぞれのお堂は坂や階段を登らなくてはいけません。だから、登るたびに視界がひらけてきて、とてもきれいなけしきが目に飛び込んできました。
台風のえいきょうなのか、夏のせいなのか雲がたくさん出ていたりかすんでいたりで、街の様子がよくわかりませんでしたが、たぶん、大阪まで見えるんじゃないか、と藤川先生が言いました。
たしかに、このけしきは、写真をとるより目で心で記憶していた方がいいと思いました。でも、おとうさんは、
「細太郎、一緒に写真撮ろう」
と、しつこく言ってくるので、ぼくはほんとうにこまりました

じゅうりん(十輪)寺の話は、藤川先生にバトンタッチします。

では、また
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