にゃお藤川だよん
さあ、今日も部活だ、元気一杯がんばるぞ。
俺は、部活に乗り込んだ。
高校野球は終わったが、わがサッカー部
とラグビー部はこれからだ。
毎度毎度思うんだが、ラグビーとサッカーと野球が、なんでごちゃごちゃになりながら部活をやっているんだ?
あぶねえだろっての。
以前は、女子のソフトボールもあったんだが、インターハイ出場をきっかけに大学のグランドを合同で使用できるようになり、こいつらだけがうまい汁を吸っている。
俺は、女の子は好きだが、女子高生は好きじゃない。
こうるさいからな。
他に陸上部もあるんだが、こっちはとっくにインハイに出て、このせまっちいグランドからオサラバしている。
不公平だよなあ。。。
このかわいそうな3つの部活のうち、最初から抜け出るのはどこの部活だ、と顧問同士の話題にもなっているが、俺は、移動してまで部活をするのはめんどくさいので、他の二つが強くなって出ていってくれればいいと思う。
第一部活の練習は、学校のグランドでやってこそ、やりがいがあるってもんだよな。
ところで、なぜ、中学校の部活にでかい顔をされなきゃいけないんだ?
俺の前に、中学校のサッカー部員が整列している。
後ろで小さくなっているのは、俺のところの亀梨軍団だ。
呆れてものも言えない…。
が、小さくなる理由もわかるな。
けんちゃんが、腕組みして立っていたからだ。
ま、どっちにしろ、このでかい態度の中坊も、高校にはいりゃあこっちのもんさ。
今のうち、今のうち…。
「あれ?(仮)亀梨1号はどうした」
部員が一人いない。
「え~?悠樹ですか~?あいつなら、腹へってひっくり返って保健室に行きました」
「ああ?」
けんちゃんの目がねの奥が、キラリと光った。
「どうなってるんだ」
そんなに怒らなくても…、俺の立場ってもんが…。
「朝飯くらいちゃんと食って来い。おまえらの中にもいるんじゃないのか」
その他大勢の亀梨たちが顔を見合わせた。
けんちゃん、高校生ってもんがわかっていない。
「(仮)亀梨1号は、今度はどこの女に振られたんだ」
けんちゃんが、ぎょっとしてこっちを見た。
中学生には聞かせたくないってか?。
ばあか、来年には同じことだよ。
「陽泉(ようせん高校)のサッカー部のジャーマネ」
(仮)亀梨2号がやる気なさそうに答えた。
「しゃあねえなあ」
中学生たちは、直立不動のまんま黙って聞いている。
たぶん、あんな風にはなるな、と後で言われるに違いない。
かわいそうなやつらだ。
「で、どこの保健室だ」
うちの学園には、都合5つの保健室がある。
「タコ壺」
げっ。
ヤ、ヤバイ…。