へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

鳥獣戯画

2006-08-13 21:59:18 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

京都3日めは、広之お兄ちゃんと京都の山奥に行きました。
JRバスでとがのお(栂尾)のこうざん(高山)寺というお寺です。ここは、日本で一番古いお茶畑があるところです。
「ね、お茶はなんで“茶色”じゃないの?」
「なに?」
広之お兄ちゃんは、まっ茶を飲む手を止めて、茶わんをのぞきこみました。
「きれいな緑色だけど、でも茶色じゃないよね。お茶の色だから、茶色なんだよね」
広之お兄ちゃんは、しばらくお茶とにらめっこをしていましたが、
「宿題だな」
と、うまくごまかしてお茶菓子をぱくりと食べました。
まったく、学校の先生のくせに…
このお寺には、ちょうじゅうぎが(鳥獣戯画)という、マンガのはじめみたいな絵があります。人間を動物におきかえて、生活のようすをえがいたものです。
ぼくは、この絵がとても気に入りました。
うさぎやかえるが楽しそうにしているのが、いいなあ。
こうざん(高山)寺のあとはにんな(仁和)寺と金かく(金閣)寺に行きました。
人がいっぱいです。
「夏の京都って、こんなに人がいたっけかなあ」
昔はいなかったのに…、と広之お兄ちゃんは遠い目をしてつぶやきました。
ぼくが知らない広之お兄ちゃんの顔でした。

ぼくもおとなになるまでに、いろんなことをけいけんするのかな、と思った一しゅんでした。
コメント
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