へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

いなかの朝

2006-08-17 21:25:56 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

おじいちゃんのいなかにお墓まいりに来て、一ばんとまりました。
次の日の朝早くラジオ体操がはじまるずっと前の時間に、ぼくのまたいとこたちと、川にあそびに行きました。川といっても、山の中だから上流のごつごつした岩だの石がたくさんあって、川のながれも急で、でも水はすこぶる冷たくてとうめいできれいです。
おじいちゃんやおとうさんたちは、夜おそくまでお酒をのんで大さわぎをしていたせいかまだ寝ていていたので、中学生の雅弘お兄ちゃんがついてきてくれました。
もうセミがうるさいくらいに鳴いていて、暑さもばいぞうです。
川の水がゆるやかなところに石がたくさん重ねてあって、小さなプールみたいなものが作ってありました。ここに入ってあそぶんです。
ぼくたちは、水泳パンツになって中にはいり、水かけっこをしたり、まちがえて入りこんできた魚をつかまえたりしました。
そのうち、
「シンクロをやろうよ」
ということになって、ひとりひとり中でポーズを作っていました。そのとき、またいとこの5年生の亮くんのパンツのひもが切れてしまい
「めんどくさいからぬいじゃえ」
と、女の子のいる前で水泳パンツをぬいでしまいました。
「どうだあ
と、きゃあきゃあいう女の子にわざと見せるようにポーズをしたまではよかったんですが、ぬいだ水泳パンツをぽんと投げた場所が川の中だったために、流されていってしまいました。 雅弘お兄ちゃんが追いかけくれましたが、
「だめだ、亮、あきらめろ」
といってもどってきました。
「でも、ぼく…」
亮くんはまっかになってうつむいています。
「水泳パンツできたから…」
雅弘お兄ちゃんは、自分のタオルをかして亮くんのこしのまわりにまき、
「さっきのハデなパフォーマンスはよかったんだけどなあ」
とわらいました。
ところが、家に帰ったらひいおばあちゃんが、
お盆には、水にはいっちゃいけないっていっただろうっ
と、ぼくたちをしかりつけました。 90歳を過ぎても元気なひいおばあちゃんのどなり声は、おなかのそこまでひびくようでしたが、みんなくすくす笑いをこらえるのにたいへんでした。
なぜなら、亮くんははだかでおちんちんがまるだしになっていたからです。
そのあと、亮くんは、おとうさんのいとこの高校生のお姉さんたちに、携帯でしゃしんをとられまくっていました。
「来年には、きっと毛がはえているかもねえ」
と、ひどいことをいわれて、亮くんがかわいそうでした。

でも、なんで、お盆に水にはいっちゃいけないんだろう。 ふしぎだなあ
コメント
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