去年の4月22日
奥信濃の花屋さんのブログ
http://nashimoto.exblog.jp/5550879/
に竹島ユリの記事が載った。
竹島ユリを見たのは30年近くも前のこと。
旧中里村の畑の隅にぽつんと咲いていた。
黄色い姫ユリのような花。聞けば竹島ユリという。昔は我家でも作っていたそうな。
後にも先にも竹島ユリとの出会いはこれ一回きりだが、そのときの衝撃は今も鮮明に憶えている。
当時、姫ユリは我家でも作っていたので黄姫ユリも知っていたが、竹島ユリは葉が段々に付いておらず車状に付いている。
「これもユリか?」「不思議なユリがあるもんだな」と
そのときのイメージが今も離れない。
大げさかもしれないが、まるでエドガーポーツネルに会ってしまったジョンオービーのような気分なのだ。
きっと飯山では今年も咲くだろう。
会いに行きたいような、会うのが怖いような。
自分の中の幻のままでいてくれたほうが良かったような。
マルタゴンゆり
マルタゴンとの出会いは「丸太でゴンと殴られた」ように強烈だった。
10年に一度のサイクルで開催されるオランダ花博「フロリアード」
1982年。24歳だった。
スポットの無い透かしユリ「コネチカットキング」が始めて輸入された年だ。
オリエンタルユリはまだ「内田鹿の子ユリ」が主流の時代。
上向きの鹿の子ユリが発表されたとの情報を元に「フロリアード」に行って見ようとの話が盛り上がった。
旅費が50万円。ほかに小遣いが10万円程度。大変な金額だった。
仲間と共同で農協から借金して、決死の覚悟でオランダに向かった。
南回りで香港、シンガポール、バーレーンを経由した。
22時間かかって最初に降り立ったのはロンドンだった。
雨の中のウィズレー植物園。
樹の下草のように赤いユリが咲いていた。
葉が車状に付いている。「こんなユリは日本には無いな」 と思いながらも 「竹島ユリ」 を思い出した。
当時の赤透かしゆりは、濃いオレンジの赤かエンジの薄くなった赤で、少しくすんだ色が多かった。
濃いピンクの赤はとても鮮明で「こんな赤が欲しいな」と思わせる明るい赤だった。
最近調べてみると、ヨーロッパではやはり林の中にあるユリのようだ。
http://www.geocities.jp/bourgognissimo/Fleurs/2_ete/FR-3E_02.htm
くるまゆり
この写真の日付は昭和60年7月15日とある。1985年だ。
20代はよく山登りをした。
銀山の山に登ったとき、登山道の脇に姫ユリが咲いているのを見つけた。
近寄ってみると、葉が車状に付いている。姫ユリじゃない。
野生のユリ。「車ユリ」
あれから20数年。まだ咲いているだろうか?
古い写真を見始めた。いいスキャナーが欲しくなった。