晴れた朝には霜が降ります。この冬2回目かな。
今日で9校目の収穫体験ツアーバス8台。初雪も消え、見事に晴れた。
いまだ雨にあてていない。なんと行いの良い子供たちだ。
本当は自分もコーディネーターさんも晴れ男だからだ。
前回は2校一緒ににやってきた。なんとバス14台だ。
たった50数人しか住んでいない山の上の村に数倍の子供たちがやって来たのだ。
このご時世に大型バスが14台、ズラーーーっと並ぶと圧巻だ。
昔のヤンキー小僧たちのように問題は起こさないだろうが一応トラブルと密回避のために別の畑に案内しての2チーム体制。
100均の雨がっぱを着込んだ白装束の一団は変な団体のように見られているようだ。
魚沼市と友好関係にある東京足立区、豊島区、文京区の中学生たち数千人が毎年稲刈り体験に訪れていた。
去年はコロナ過で中止だった。今年も夏ごろの判断では中止だった。
それでも、もしかして秋に感染者数が下火になっていたら収穫体験をさせたいのでニンジン作っておいてもらえないかと。
その時中止ならニンジンは学校給食で買い取るからと。
それほど課外授業は子供たちの成長には必要なことなのだ。
魚沼に着いて昼食ののちまずはニンジン収穫体験。
夜には星の観測をさせ1泊。
翌日は縄とか民芸品を作る体験とかウオークラリーをして帰るのだそうだ。
子供たちを連れてくるのは魚沼市が出資している一般財団法人魚沼市地域づくり振興公社。
うおぬま教育旅行の特色 - うおぬま教育旅行 (uonuma-kyouryo.jp)
最初は作っておくだけでいいと言われていたのだが、、、、
一応教育の一端なのであいさつに始まり、あいさつで終わる。
「皆さんこんにちは、ようこそ魚沼へ。」
「畑で育っているニンジンを初めて見たって人いますか?」2割程度しか手を上げない。意外だ。
「ニンジンは葉と根でできています。葉から吸収した養分で根を太らせて人参になります。」
「根を食べる野菜を根菜類と呼びます。大根やイモ類も根菜です。」
「根菜類はビタミンはじめ多くの栄養を混載してます、、、、、ここで笑わないと笑うとこ無いですw」。
「中でもβカロテンは免疫力を高める効果があります。コロナに負けないようニンジン嫌いな人もたくさん食べてください。」
「一人6本づつ抜いてお土産にしてください。割れたものや二股のものはおまけです。」
実際、まだ暑い梅雨明け頃に蒔いたので奇形も多いしすでに太り過ぎている。
でも、大きいニンジンは大うけで子供たちの歓声が絶えない。
最初の1校が去った後、、、抜きかけて止めたものや踏まれたニンジンが無残だった。
2校目からは付け加えた。
「次の学校もお見えになるので端から順番に抜いてください。抜きかけたものは必ず収穫してください。食べ物ですから絶対に踏まないでください、、、」
ハサミをたくさん用意しておいて葉を切り落としてから洗浄します。
相変わらず洗浄機は驚きのようだ。一番小さい機種なのに。
洗ったあと6本ずつ子袋に詰めてお土産にする。
やはり人間、大きなものから選ぶ子が多い。
「この変な形の、私が抜いたやつだ」と大はしゃぎの子もいる。
記念撮影はとてもナーバスだ。
卒業アルバムに載せるので誰一人顔が隠れたり陰になったりしてはいけない。
生徒代表からお礼のあいさつ。
「コロナ禍の中、貴重な体験をありがとうございました。」
「皆さんニンジンを抜いてみてどうでしたか?
大きいのや小さいもの、割れたものや形のへんなものが出てきて驚いたでしょう。
それが農産物です。工業製品のように同じものができるわけではありません。
でも、どれもこれも同じように大切に育てたものです、味も変わりません。
スーパーでは中くらいの形の良いものしか並んでませんよね?
大きいニンジンは学校給食やレストランなど一度にたくさん料理する所に買い取ってもらっています。
大きな人参産地では野菜ジュースやニンジンジュース、ペーストなど加工用に利用します。
小さすぎるものはこれもレストランでベビーキャロットしてステーキの付け合わせなどに買ってもらっています。
割れたものや形の悪いものは「訳ありお買い得品」として格安価格で直売所に並べます。
農家は作ったものを決して無駄にしたくないのです。
捨ててしまえば食品のロス、フードロスとなって社会問題です。
皆さんも好き嫌いせず、残さずしっかり食べて勉強にスポーツに頑張ってください。」
と、偉そうに講釈します。
全11校で延べ1560名。休んで来れない子もいるが教師や関係者を含めるともっと人数は多いかもしれない。
12月にあと2校、果たして晴れさせてやれるだろうか。雪が積もるかもしれないし、、、、