ヒカラビ一家の花日記

山の上に住む花農家から 魚沼発のあれこれを

くろもじ

2008年05月01日 | 発信
山菜取の最盛期だが、きっと誰も気に留めないだろう、藪の中で今花盛りの黒文字。
誰が名前をつけたのか知らないが変な名前。
他に しろもじ  あおもじ  があるそうだ。


2種類で25000球の輸入小球を植えた。
この球周10cmほどの球根をひと夏で20センチくらいに育てる。
そして、来年の切花になる。

最近オランダでネマトーダが発生したそうで、メイン品種に大量の欠品が発生した。
来年の生産計画まで立てて経営しているので、原材料がいきなり欠品することは計画がむちゃくちゃになってしまうことになる。
経営リスク分散のためにもある程度の球根は自力で確保しておきたい。

以前は球根産地だったのだがオランダ産が主力になって生産基盤が貧弱になってきた。
そこで今度はオランダの生産基盤が怪しくなっている。
堀之内みたいに比較的広い畑を所有していれば何とか対処できるが、他の産地は球根確保に苦労する時代が来るかも?

野菜や米にも同じことが言えるような気もする。

国産球根のもうひとつの利点はその強さにある。
砂地のオランダで育ったものより黒ボク火山灰土で育った地場産の方が地中に含まれるカリウム 、カルシウム 、マグネシウム 、 硫黄 、モリブデン 、銅 、亜鉛 、マンガン 、鉄 などの微量要素を吸収した球根のほうが魚沼の蒸し暑さに耐える性質を備えるのだ。
同じ品種でもオランダ産、北海道産、砂丘地産、津南産みんな性質が違う。
1年魚沼の気候に慣らした球根を使うことで暑い夏でもよりボリュームのある百合ができる可能性が高くなる。

だんだんと農業の原点が大事に思える時代になってきているように思う。

最近注文した球根は、来年養成して2年後に花になる球根だ。
気の長い話だが、これも決算書を黒文字で書くためだ。

コメント (6)
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