ハウスに切り残した2輪のテーブルダンス。
何品種でもそうだが、畑で咲かせると品種本来の色が出て素晴らしい。
嫌みの無い明るくて濃いピンク、花弁の厚さ、臭いもほとんど気にならないくらいの軽さだ。
花の大きさも驚くほどのボリュームが出る。なので、球根会社の見本展示ではつい品種に惚れこんでしまうのだ。
出荷する切り前はこのくらいだろうか?携帯は11cmなのでこの時点でもすごい蕾の大きさだ。
テーブルダンスの良さはなかなか開花しないこと。きちんと発色するまでかなり頑張ってくれる。
作る側も買う側も大きなアドバンテージになる品種特性だ。でも、、、、
これが市場から送られてきた着荷状態の写真だ。
普通は枝を組んで蕾がきちんと揃うように並べて止め葉が蕾を隠さないようにしまい込んでちょっときつめのスリーブに入れる。
こんな汚い着荷写真が送られてきてしまうのはなぜだろうか。
上記のような荷造りができない品種だったからだ。それはこの時期だけの事かもしれないが、、、、
花のきれいな品種はたくさんある。買うお客さんの最優先特性は花のきれいさだと思う。
作る側だってできるだけ花のきれいな品種を作りたい。
汚い荷造りでは花のきれいさが伝わらないだけでなく評価も落とす、価格も期待できない。
花を作る側の満足と、花を飾る側の満足は比較的近いと思う。
数年前モンセラと言う花粉を吹かないユリが紹介された。仲間の一人がこれを作って出荷した。
白い花に花シミが出てどうしようもなかった。縦箱で水付で何とか出荷した。
夏だけの品種特性だったのだろうか?
この写真は去年5月、オランダの最大手球根会社のオープンハウスで写したものだ。
箱栽培で植えられたままの状態でも花シミが出ている。
育種家は花を見て選抜する。
増殖の過程で何度も花を咲かせるはずだ。
球根生産農家でも花は咲く。球根販売会社でも開花展示させる。
日本の球根会社も毎年オランダに赴いてチェックする。花を見る。
チェックにチェックを重ねた流通体制を信用して農家は品種を選ぶ。
バカにされたり信用を落とすために花を作るのではない。喜んでもらってお金を得るために花を作るのだ。
テーブルの上で踊らされているのは誰だろうか?