皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

竹林に浮かぶ地蔵塚

2017-05-17 22:17:46 | 神社と歴史
国道125号を行田市街地から羽生方面に走り、武蔵水路を渡って500メートルほどの住宅地の中に、埼玉県指定史跡である地蔵塚古墳があります。地区は藤原町。何度も通る道ですが、この古墳がどこにあるのか分かりませんでした。まさしく、住宅地に埋もれるように静かにたたずんでいます。
古墳の高さは4.5メートル。30メートル四方の小さな古墳です。墳頂には地蔵堂があり、中のお地蔵様を拝むことができます。脇の公園と合わせよく整備されていて、山全体が竹林となっています。
県の指定史跡になった理由は、古墳の石室に残る線刻画です。装飾古墳としての価値が認められているようです。昭和に入っての石室の修復工事の際、水鳥や、人物画が発見されたようです。普段は石室は非公開のため、実際に現地で見ることはできませんが、銀色の扉の向こうに、古代史に残る画が残っていると思うと、やはりロマンを感じることができます。こうした古代史や郷土歴史に興味を持つようになったのも「歴史周訪ヒストリア」(まつやま書房)の著者高鳥邦仁先生のおかげですが、こうして調べていくうちに、様々な縁が繋がります。地蔵塚古墳のすぐ近くのお店のご主人は私の会社に勤めていました。かれこれ四年以上、同じ店で働いて射ます。地蔵塚について聞くと、やはり地区の年番が毎年ごとに交代で管理し、近くのお寺の住職に法要も頼んでいるとのことでした。この辺りは各地の神社や小寺と同じいわゆる村持ちという感じでした。また美しく管理された竹林に、筍泥棒が入り警察を呼ぶ騒ぎも起きるそうです。我が家の裏も竹林で今年もすでに筍がとれています。郷土歴史を調べるほど人の繋がりが広がるようで、不思議な縁を感じます。
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