庭の千草も 虫の音も 枯れて寂しくなりにけり
ああ白菊 ああ白菊
一人遅れて咲きにけり
露もたわむや 菊の花
霜におごるや 菊の花
ああ あわれ あわれ ああ白菊
人の操も かくてこそ
明治十七年 小学唱歌集に載るこの歌の原曲はアイルランド民謡「夏の名残のバラ」
日本語訳としては晩秋から冬にかけての自然描写とされる。背後にある人の心情は昭和のころまで多くの人々の共感を得ている。
人生の晩年愛する人に先立たれ、一人残された人の寂しくも、凛として最後まで生きる様が歌い上げられえている。
季節の花々を手水に挿し人の癒しとなればとの思いで花手水を続けている。
花を見るたびに先立った人を思い出すのだろう。幸い私はまだ伴侶となる人とともに歩いている。いつかどちらかが先立つ日も来るだろう。それでも尚凛とした生き方ができるよう、ともに歩く時間を大事に過ごしたいと思っている。