市報行田を毎月楽しみにしている。特に好きな項は勿論行田歴史系譜。平成31年3月号で連載300回を数え、25年の歴史を刻んでいる。古くは中島洋一先生が長らく連載されていらっしゃったが、近年鈴木紀三雄先生がご担当し、今年度館長に就任されることからことから担当が代られたようだ。
昭和六十一年に発掘された行田市酒巻14号墳からは100点近くの埴輪が出土し、特に背中に旗を立てた馬型埴輪は国内唯一の出土事例として国重要文化財に指定されている。旗竿に使われている蛇行状鉄器と呼ばれる部分が使途不明であったが、この埴輪によって解明されたことは考古学上大変意味のある発見であったという。馬の背に丁度刺さる部分が見られるのが印象的。
今回歴史系譜に取り上げられrているのは「力士」と呼ばれる人形埴輪。衣服の上から褌を締め、先の尖った履を履くという。その足元には甲に三つの突起物がついているという。写真ではわかりずらいが、博物館の展示を見るとよくわかる。
しかも近年になって出土当時は見られなかった突起物の破片が確認されたという。歴史研究も常に進歩している。
どうして力士埴輪の足の甲に突起物があるのか。そのことにつてこの項より担当されている浅見貴子先生はその素材につては不明でありながら、用途として当時相撲が蹴り技も含んでいたことを指摘し、一種の武具であった可能性があると結んでいます。また同時に装飾靴の表現である可能性にも触れていますが、相撲好きの自分からすれば、蹴りの武具でった説に共感します。
相撲はモンゴル始め世界各地で古くから見られる格闘技で歴史の深い競技です。今でこそ日本の角力は土俵上で押し合い、投げ合いが主たる技ですが、足技もまれにあり、特に子供のころ目にした決まり手「裾払い」を強烈に覚えています。
時の名横綱千代の富士に対し、大関北天佑が決めた裾払いは横綱を横転させ、子供心になんてすごい技だと思わせました。
埴輪が語りかけてくるもの。それを読み解く学芸員の先生の解説に古い記憶まで手繰ることがあり、改めて常設展示に見入っていました。
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