週刊誌において食品添加物の摂取を問題視する記事が踊っている。「食べてはいけない○○○」シリーズ。年金、医療、相続といった社会問題と並び、食品に対する安全性を問う記事は繰り返し伝えられる。それだけ多くの人が関心を持っている証拠だ。関心のない問題に読者は食いつかない。過剰な報道なのか、或いは的を得た鋭い指摘なのかは即座には判断できない。但し当事者にとっては死活問題だ。過剰な報道によって商品が全く売れなくなることもあり得る。
昼食にとっている仕出し弁当にワサオーロのシートが入るようになった。以前はあまり見かけなかっただけに初めて見た際は驚いてしまった。
ワサオーロとは三菱ケミカルフーズが販売する食品添加物で、ワサビやからしに含まれるアリルカラシ油を主成分にしている。(HPより)液状よりもガス状(気体)の方がより抗菌効果が高く、食品の味や香りに影響なくその効果を発揮するという。但しワサオーロ本体からはワサビの刺激臭がかなりある。ワサビ好きの人には好いが、そうでない人にはやや抵抗があるかもしれない。
ワサオーロ自体がいつから商品化されたのかはわからないが、特にこのシート状の製品は内食化(総菜等の持ち帰り)の進む食生活にとっては需要が伸びるのではないかと思う。特に宅配の場合届けて顧客が食べる前に異物(小虫など)が混入してしまえばクレームの原因となり、その率が高ければ総じて代金回収にも影響する。心情的には虫くらい除けて食べればよいと思っているが、金銭授受が発生するからにはそうはいかないのが現実だ。「細心の注意を払う」と対応することが多いが、虫よけ効果が期待できる食品由来の添加物であれば、今後も需要は伸びるだろう。
三菱ケミカルフーズは以前は三菱化学フーズという社名だった。食品問屋にいた頃には製菓原料として「オリゴトース」の扱いがあった。でんぷん由良の天然の糖質で保湿性に優れ低甘味のため、砂糖の3割くらいを置き換えると商品の品質が向上するという。
添加物というとマイナスイメージが付きまとうが、様々な添加物によって今の豊かな食文化が形成されているのも事実である。食の安全について食べる本人が意識し学ぶことが問われているのだろう。