今朝の新聞を読んで、ぶったまげた。4月第一週に行われる事の多い「産経大阪杯」(阪神・芝2,000)が、来年からG1になるというのだ。
G1昇格に伴い、レース名は「大阪杯」となり産経の社賞は秋のセントウルSに移行するとの事。
G1増設の理由は、いくつかある。
・中距離が得意な馬は、6月の宝塚記念まで目標がないためこれを解消する。
・同じ時期にドバイや香港に遠征し、日本の競馬が空洞化してしまうのを防ぐ。
・春のG1開幕戦である高松宮記念から桜花賞までの1週のブランクを埋め、売上げを上げる。
私は個人的に、「そのテがあったか!」と、妙に納得したのである。
長年問題になっているのが、天皇賞・春の人気低下である。かつては古馬長距離ナンバーワンを決めるレースとして、それこそ四半世紀前にはメジロマックイーンやライスシャワー、20年前にはサクラローレルやマヤノトップガンらが火花を散らした。
しかしこの20年ほどで、欧米に倣い長距離よりもマイルを勝てる馬に価値を置くようになり、マイルのG1は増設されたが半面天皇賞・春のようなマラソンレースは人気がなくなった。いや、レースとしての人気はあるのだが有力馬がこのレースを目指さなくなった。
ちょうど20年前、バブルガムフェローが3歳ながら2,000mの天皇賞・秋を勝ったあたりから長距離に自信のない3歳馬が3,000mの菊花賞を敬遠するようになったのと時を同じくしている。
そこで、この10年以上「天皇賞・春の距離短縮論」が取り沙汰されてきたのだが、歴史と伝統ある春天の距離を縮めてはレースの権威が下がる。
大阪杯をG1にしてしまえば、中距離馬には目標が出来る。しかもステップレースも京都記念・中山記念があるし、今度は金鯱賞を12月から3月にするというのでますます路線は充実する。
ただ、折角先日の凱旋門賞を皮切りに海外レースの馬券が買えるようになったのに、日本の有力馬がドバイや香港を走りたくなくなるようにするのはいかがなものだろうか。競馬ファンなら、どうせ馬券を買うなら日本馬が海外の強豪をなぎ倒すような馬券を買いたいと思うはずなのだが。
また、阪神競馬場は兵庫県にあるのに「大阪杯」というレース名もいただけない。G1に昇格するのだから、もう少しゆかりのある名前にしてはいかがか。
個人的には、このレースを鳴尾記念にして冬を大阪杯にしても構わないと思う。
そのついでに、是非あの「阪神カップ」というダサ~いレース名もなんとかしてほしいのだが…