「桃始笑(ももはじめてさく)」頃
花が咲くことを「笑う」と表現するのですね。
そういえば、「山笑う」も
『笑う』は喜び・うれしさ・おかしさなどの気持ちを表すだけではなく
花のつぼみが開く
また、果物が熟して裂ける
ゆるんだりほどけたりする
ほころびる
そして、足取りがしっかりしなくなる
「歩き疲れて膝が笑う」なんて使いますね。
2月の準備から始まった修二会は、
現在に至るまで約1200年間、中断されることなく続けられており
奈良に住むものにとって春を呼ぶ行事です。
3月1日からは本行が始まり14日間続き、今日で最終日に。
その間、「練行衆」と呼ばれる精進潔斎した僧侶たちが、
人々が犯した罪を懺悔し罪過を悔い改めると共に、
天下泰平・五穀豊穣・万民豊楽などを祈ります。
世の中の罪を悔い改める苦行を、私達にかわって行なってくれるという、
大変ありがたい行事なのです。
奈良の春はお水取りが終わらないと始まらない。
弥生の稽古は、五徳を外して「釣り釜」で
稽古のお菓子は、『のりこぼし』
白の花弁は、ゆり根餡で作ってみました。
東大寺開山堂に咲く「のりこぼし椿」2017.3.11
2017.3.11東大寺 三昧堂 (四月堂)縁に置かれた糊こぼし椿
「お水取り」では、2月20日からの試別火で
椿の糊こぼしを真似た造花が練行衆によって作られ、
本行で二月堂・須弥壇の四隅に飾られる。