気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

主菓子は、梅ゼリーに紅羊羹を

2015-08-31 20:52:24 | 主菓子とお干菓子

今朝のお稽古は二人、
もう夏も終わりになるので
今夏一度もしてない茶箱の卯の花点を
茶箱の中は高台寺棗になるので
床の香合は菊桐香合から蜻蛉香合にしました。
お花は末広籠に吾亦紅、水引、槿、やっと色づいた紫式部
灰を直し、炭を入れて、鉄瓶を置き…
あら、いらっしゃいました
   
主菓子は、梅ゼリーの中に紅羊羹(くれないようかん)を入れ、
観世水にて作りました。
  
写真を忘れており、残りをと思ったのですが、
取り出しに、失敗。
「紅羊羹」は岡山の芭蕉庵の品です。

なぜ岡山で芭蕉なのでしょうか。
明治42年に初代店主が風情豊かな『松尾芭蕉』に心酔し、
”芭蕉庵”と名付けられたそうで、この「紅羊羹」は
通常は白いんげんで白アンを作りますが、
備中でしか産しない超高級品の備中白小豆を用い、
爽やかな風味のよさと、品質を誇っており、
梅シロップと羊羹の控えめの甘さが、良かったです。
蜻蛉香合
先日訪れた山形で少しですが芭蕉の足跡を訪ねており
”奥の細道”にはありませんが、「笈日記」に
芭蕉の蜻蛉の句があります。
「蜻蛉やとりつきかねし草の上」    
(とんぼうや とりつきかねし くさのうえ)
葉に止まろうとしている時に、微風が吹いて葉が揺れ、
止まろうとしていた蜻蛉は何度も何度も失敗している。
さらに芭蕉が唱導する「軽み」に失敗する門弟達に
言い換えているのかもしれませんね。

笑われぬよう精進あるのみです。

長次郎・のんこうを手本の本間焼きに出会う

2015-08-30 23:18:01 | 旅行
本間美術館の隣に鶴舞園と清遠閣があります。
美術館の右脇から少し小高な斜面を登ると
突然、立派なお庭と建物が目に飛び込み、
 
ここはどこ、
まずは中門を経て清遠閣

重厚な玄関にて靴を脱ぎ、入らせていただくと、
庭をまずは見てくださいとのこと。
茶室「六明廬」を備えた上座敷に、
この位置からですと、いすが置かれております。

廊下は継ぎ目のない一枚板で作られ、
庭石は、すべて各地から北前船で取り寄せ、
庭の眺めは、鳥海山を借景とのこと。
残念ながら、今は鳥海山は雲の中。
 (facebookより)
ふと柱に目を移すと、四面柾目のスギ材に欄間の立派なこと。
ガラスは手漉き、照明は大正ロマンにあふれ、
 >(facebookより)
次に二階ですが、一枚ケヤキの階段の広いこと
登っていきますと、
直江兼続などの書状にまざって
楽焼茶碗である「長次郎」が、
階段下に、売店があり
楽焼の本間焼きが売られておりました。
お聞きすると
鶴舞園の角に、窯を構えておられるそうで、
由来は昭和33年、本間館長が所蔵の「長次郎」や
のんこう」などの名品に触れることにより、
池田氏とともに、楽焼の世界へと引き込まれ、
池田父子がさらに、独自の作風へと発展されたそうです。
手に取ると、このお茶碗で茶を点てたくなり、
一品、私の手元へと。
 
お稽古でどういう風に、紹介しようかな。

本間美術館(酒田)にて栖鳳の「富士図屏風」に

2015-08-29 23:33:53 | 美術館・博物館

鳥海山の麓、酒田のある本間美術館を訪ねました。
その前に少し寄り道、海を見たくて・・・
酒田港にある日和山公園からの眺めは、
最上川の河口に広がり、
風を避ける絶好のロケーション
北前船が行き交っていたであろう江戸時代は
西の「堺」、東の「酒田」と並び称されるほど。
今や船舶の出入りも少なく、閑散としておりました。

のんびりと海を眺めていても、
少し市街地へと車を走らせ、本間美術館
少し古臭い、昭和の建物が

現在、”すごいぞ!日本の美術”展が開催中。
 
入り口にはかわいい芦雪の「狗児図」がお出迎え
対照的に、フロアー一面に六曲一双の大画面が、
栖鳳の「富士図屏風」です。
二年前の京都に出展されていたそうで、
今年の姫路での栖鳳展にはなかった作品でした。
刷毛で山肌を一気に描き、気迫に満ちた富士の雄大な姿が。

蕪村の自筆句稿砧交屏風も珍しく、
若冲、大雅あり、盛り沢山。

収集された本間家って、戦前は日本一の地主だっそうで、
江戸時代は、このような唄がはやったそうです。
『酒田照る照る、堂島曇る、江戸の蔵米雨が降る。』
『本間さまには及びもないが、せめてなりたや殿様に』

まずは紹介まで。

タカサゴユリのたかさごとは

2015-08-28 00:40:07 | 季節の花々
残暑にさしかかる時分に咲き始めるユリがあります。
数年前はほんの一・二本だったのが、
今や群落を形成して、電車の線路脇や空き地で
よく見かけるようになってきたユリです。
タカサゴユリ(高砂百合)で、
テッポウユリ(鉄砲百合)と良く似ておりますが、
季節が少しちがいますね。

1923年頃に台湾から園芸用にと日本にやってきた外来種で、
ああそれで、高砂族の国(台湾)のタカサゴ?
本当は琉球語の台湾の別称、サカサングに由来するのです。
このユリはいつの間にか、庭から逃げ出したそうで、
球根やムカゴで増殖するユリとは違い
このタカサゴユリは種を作ります。
種は風にて移動、定着し、花を咲かせます。
そしてまた種を作りとを繰り返して
ここまで目立つようになりました。
やはり、地球温暖化が影響しているのでしょうか。

目覚まし草(茶)と日本薄荷の関係は

2015-08-27 00:40:39 | 季節の花々
ミント(薄荷)の花が段々に咲いており、
葉の形が少し違うかなっとは思っておりましたが、
日本薄荷(和薄荷)というのだそうです。

薄荷とお茶はすこし関連性があるらしく、
中国が原産だとする説によりますと、
僧・栄西さんが中国からお茶を持ち帰られておりますが、
同時に薄荷ももたらされ、茶は京の栂尾
薄荷は山城の長池で栽培されたそうです。
また茶の異名として目覚まし草をつかいますが、
一条兼良の紀行文(1473年)の戯言に初めて登場しております。
 「旅人に めざまし草を すゝめすは
     野上の里に ひるねをやせん」
それまでは、万葉集によりますと
目を覚ませる品物(種)、変じて人を喜ばせる贈り物、
松や萩、後にはタバコ、
そして今はお茶に    (茶道大辞典、淡交社)

なお和薄荷が自生植物とすると
正倉院文書(762年)の記述に「目草」(めぐさ)という
名前が薄荷としてあげられております。
貝原益軒「大和本草」には、
「生葉を刻み、膾に加え、又、煎茶、燗酒に和して飲む。
 本草にも、茶に代えて飲むといえり。
 痩弱の人久く食べからず。
 猫くらえば酔う。
 猫の酒なりと云う。
 猫の咬みたるに汁をぬるべし、相制するなり。」
と薄荷の利用法が紹介されております。

話が少し脱線してしまいましたね。

菊桐紋香合のしつらえ

2015-08-26 00:20:00 | しつらえ
土・日・月と3日続けてのお稽古の間に、
お手伝い等、出かけることが多く、
日々のいそがしさにかまけ、
お軸が表す”初心忘るべからず”とはうらはらに、
上滑りしていたのではと。
長月に向かって今一度、振り返る余裕も必要ですね。

 
月曜日の朝はお一人の稽古で、名残り惜しいですが、
「釣瓶の水指」、「洗い茶巾」は最後となりました。

この名残のしつらえにある
「菊桐紋香合」について触れておりませんでしたね。
五七桐紋と十六菊紋と二十八重菊紋が使われており、
「きく・きり」は秋を先取りして、飾ってみました。

茶道大辞典(淡交社)の「菊桐蒔絵」によりますと、
”織豊時代に盛んであった蒔絵文様の一種。
 (高台寺蒔絵が有名)
 菊の絵蒔絵の花の部分を定紋化したものが
 江戸時代以後、菊桐紋だけがいっそう形式化され、
 炉縁や棗の蒔絵装飾に用いられるようになる。”


お茶事の一献をきくためのきき酒の仕方を学ぶ

2015-08-25 00:41:05 | 日記
お茶事の一献に必要なお酒の話です。
お出しするのに、つい高額のものであればと
安易に考えてしまいがちですが、
御酒の名前、醸造地や種類等の知識により、
その茶事に対しするおもてなしがより一層際立ち、
お客様に喜んでいただけることを教えていただいており、
お~酒を味わうことを、なぜ「きく」というのでしょうか
日本語の「きく」という言葉には多くの意味があり、
漢字も「聞く」・「聴く」・「利く」・「効く」など、
『広辞苑』では、「聞く・聴く」(利くとも書く)には
「物事をためし、調べる」という意味もあり、
1.嗅ぎ試みること
2.味わい試みることなどに分けられるそうで、
「酒をきく」の「きく」は上記の「聞く」からという説があり、
日本語の奥深さを示しております。

先日の土曜日、残暑で蒸し暑いさなかに
知り合いのお店であるきき酒セミナーのお手伝いもあり、
奈良町を訪れました。

本当に観光される人の多いこと。
帰り道に、奈良で注目されている和菓子屋
樫舎」さん
駐車場に待つ人、十数人も?・・・
一度頂いたことがある、樫舎の氷
柔らかい口当たりの細かな氷だったことを、
思い出しながら猿沢池へ向かわずに、西寺林筋へと曲がると、
スギ玉のかかったお店が、
奈良酒専門店、「なら泉勇斎」さんです。

玄関にこんな張り紙が、
全国きき酒選手権大会奈良県予選に向けた、
きき酒セミナーの募集案内です。
 

第35回きき酒選手権奈良県予選
は9月19日(土)に行われ、
優勝者は全国大会へ無料で行けるんですよ。
まだ募集されておりますから、
興味のある方は、お問い合わせください。

セミナー会場では、14名の方々がお見えで、
男女半々だったとおもいます。
ここ何年間を比べると全国大会優勝者は女性が多く、
五感は本当は女性が優れているのではと・・・。

7本の日本酒(同じ瓶に入れ替えられております)を
1回目は種別を明記されたお酒を15分できき酒します。
2回目は本番同様に、15分で番号のみ7種類をききわけます。

そういえば、先日、御稽古でしました茶カブキを思い出しました。
「千古千今裁断舌頭始可知真味」という偈頌がついておりますが
利き酒もついつい舌先の感覚により判断してしまいますが、
本当の味はもっと深いものなのではと・・・
今年も車で来てしまったので参加はご遠慮しましたが
皆さんの真剣なまなざしに、
来年は五感を研ぎ澄まし挑戦したい気持ちになりました。

きき酒後のパーティーのお料理です。

猿沢池にある会津八一の歌碑と采女祭りは

2015-08-24 07:31:26 | 会津八一の歌碑
日曜日、朝の9時過ぎなのに奈良は30度を超える中、
安保法制反対のため、座り込まれておられる方たちと
優しいお顔の行基様が迎えてくださいました。

東大寺へと向かう坂道を登りきると
先ほどの喧騒を離れ、若草山が迫ってまいります。
奈良へようこそといわんばかりに・・・

興福寺へ曲がるところまで来ると
もう、鹿が。
こんな早くから観光客もぞくぞくと、
本当に外国からの方々ばかりで、
数年前までの、夏の閑散としただるーい風景から
一変しましたね。
 
でも鹿たちは、朝から暑いのか道路わきの溝を見つけ、
体を横たえてたり、のんびりとする鹿も
 
興福寺は今、金堂再建中ですが、
東金堂や五重塔、反対側には南円堂も見渡せる
この場所、人も少なくなんともいえません。
イーゼルをたてかけようとお探しの方も・・・
 
しばし五重塔を見上げますが、
周りに建物が少なく、大きさがあまり実感できません。
京都東寺に次ぐ50mの高さがあり、国宝なのに、
相輪のスクラップ代で売られるという話が先行しますが、
相輪もご紹介しましょう。
薬師寺・東塔の水煙みたいに有名ではありませんが、
リンとした端整さがありますね。

52段もある石の階段を下り、やっと猿沢池に到着。
会津八一先生の歌碑にたどり着きました。
裏には、丁寧に説明もあります。

「わぎもこが きぬ かけやなぎ みまくほり
      いけをめぐりぬ かささしながら」
 采女が愛を失って入水する前に掛けたと伝えられている
 衣掛柳を見たいと思って猿沢の池をめぐり歩いた。
 折からの雨に傘をさしながら。

池の畔に、采女と衣掛け柳の伝説が書かれた石碑も。

今年の采女祭りは中秋の名月の9月27日、楽しみですね。
采女神社のピンク色でハート型の絵馬も
乙女心をくすぐるかもしれません。

なお最近は、この管絃船の乗船体験もできるそうですよ。

残念ながら今朝は晴天で、情緒を感じ取れませんが。
 

朝から水羊羹を作り、名水点てにて名残の夏を

2015-08-23 21:26:38 | 主菓子とお干菓子
最近は忙しさにまぎれて、口実を設け、
手作りを怠っておりました。スミマセン
 
観世水(かんぜみず)の水羊羹を作りましたが、
どうでしょうか?出来ばえは
 
玄関の吾亦紅、獅子舞とシーサー
 
稽古場のしつらえ
今日は、他の方に混じり、お母様と一緒に、
お嬢様が稽古の体験にと、おいでになりました。
お花の、百日紅と吾亦紅がかすむほど、
いつになく、華やかさにあふれておりました。
お若い方が日本文化に興味を持っていただけるのが、
本当に嬉しく、続いて来ていただけたらなと
大きな期待を寄せております。
お軸は「和敬清寂」でぴったり。
賢い方で「和敬清」までは、すぐにご理解され、
「寂」は、
どんな時にも動じない心ですよと言いましたら
そのような意味が「寂」という字にあるのを
初めてしりましたと・・・
そして、私が作った観世水の水羊羹も
お薄もとっても美味しいと
言ってくださり、朝から作ったかいがありました。

香合は、菊桐紋とともに、

今年まだされてない方に「名水点て」、
「釣瓶の水指」、「洗い茶巾」のお稽古になりました。


お稽古に来ていただいた皆様方、
何はともかくも、夏を乗り越えることができ、
感謝とともに、
これからも元気でお過しいただけますように。

向秋の玄関のしつらえ

2015-08-22 09:32:04 | しつらえ

昨日駅へ向かう公園の中で、まだ午後3時なのに、
蝉の鳴き声がじーじーからツクツクボーシに代わっています。
ツクツクボウシが季節の頁をめくってくれております。
向秋ですね。

アブラゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシ
明日から夏祭りの最後を飾る
愛宕祭りがはじまり、秋祭りへと引き継がれますね。
関西の秋祭りの多くは山車(だんじり)
それに合わせて、玄関は獅子舞
お正月等の目出度い時にと思われますが、
神社の例大祭などでも奉納されており、
栖鳳さんの色紙「獅子舞」を。

今にもお囃子が聞こえて来るようです。

今朝からのお稽古室のしつらえ
残暑ですかね、蒸し暑いですが、気を引き締めて、
初心にもどり、
お軸は、「和敬清寂
今朝のお稽古は一人、
葉蓋のお稽古をされてないことに気が付き、
あわてて、準備を!
 
お待ちしております。