気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

亥の月亥の日開炉の日

2023-11-26 13:26:47 | お稽古
今年の亥の月亥の日は11月13日(旧暦では10月1日)
丁度その頃、我が家の炉開きも行う事ができました
  
    令法(リョウブ)の紅葉と椿(西王母)

この日ばかりは扇子を置いたらまずは
開炉おめでとうございます」のご挨拶を

お善哉の盆を運び
開炉の印ですのでお善哉をいただきましょう
   

丁度この頃、温かいものが嬉しい季節となりますので
炉開きのお善哉は最高に美味しいです

主菓子は「亥の子餅
   
陰陽五行では「亥」は「水性の陰」極陰の日
それで亥は火(火難)を免れるという信仰が広まり
その日に火(暖房具)を使いはじめれば火事にならないと

又、唐では亥の重なる日は亥猪(げんちょ)と呼ばれ
多産である猪にあやかり子孫繁栄を願い
亥の子餅を作り食べたという

その風習が伝わり平安~明治初期までは 
宮中では亥の子餅を作り祝ったそうです

それにあやかり茶道でも亥の日の極陰に(これから陽になる)
開炉をし
茶人の正月として陽である善哉を振る舞い
亥の子餅をいただき
今年摘んで寝かせた新茶の口切をして
火の用心、無病息災、子孫繫栄を祈るお祝いですね

  
今年の亥の子餅は
黒糖、小豆、きな粉、栗、胡桃、干葡萄、胡麻
7種の素材を入れて亥の子型に作ってみました
もちろん、色々な願いを込めまして

11月はこんな「きんとん」も作りました
  きんとん(秋の山)
  

寒菊(スプレ-菊”まつげ”)と黒蠟梅の紅葉
  
液体をスプレ-したような菊の形
「まつげ」とも言うようです
そういえば、朝ドラ「ブギウギ」の
スズ子さんの付けまつ毛みたいですね

11月は口切の月、「壺荘り」のお稽古もしなくては・・・
慌ただしく過ぎる霜月、もうすぐ師走です
  

正倉院展が終わり炉開きを

2023-11-17 20:10:17 | お稽古
正倉院展最終日11月13日は、奈良は朝から雨模様
      
外が明るくなってきて晴れるかなと思ったら
なんと天気雨!『狐雨』「狐のご祝儀」とも言いますが
「狐の嫁入り」と言う人も・・・・そんな不思議な空模様でした

   

今年は、東大寺初代別当・良弁僧正の1250年御遠忌
東大寺」では10月13日から16日にかけ
舞楽、献花、献茶、奉納、法要が盛大に行われ
良弁僧正の遺徳をしのばれた。

ただ慶讃奉納公演は9月30日から行われており
MISIAのステ-ジなどもあり
いつも静かな秋の奈良町に歓声と人人人・・・・・・
私は10月16日の午後7時から

   
『東大寺狂言 野村万作・萬斎・裕基、狂言三代』へ
小男鹿の声もバックミュージックとなり大仏さんの見つめる中
幽玄の世界を味わってまいりました


そして今年度の第75回正倉院展では、
    

聖武天皇縁の綺麗な鏡、枇杷(ポスター掲載)などとともに
  


1250年前に亡くなった良弁様の正筆書が出展され
「良弁杉」のお話の中の良弁様の文字を間近で見る事ができ
とっても嬉しく感激いたしました

初めて正倉院展協賛呈茶に参加させていただきました  
少しでも正倉院展を毎年開催されている奈良国立博物館に
呈茶で協賛する事ができ、私にとって幸いなこと

さて当日は、前日の雨が嘘のように晴れてくれました
呈茶席は八窓庵が見えるテラスでの立礼席

  

正倉院の校倉造りをイメ-ジされた素敵な棚で
お客様のご要望でお点前をさせていただきました

主菓子は大和郡山の「本家菊屋」の上用饅頭『花喰鳥
本家菊屋さんは400年以上前から続く奈良最古の菓子屋 
  

『花喰鳥』は花の枝をくわえた瑞鳥でササン朝ペルシアに
起源があり正倉院裂には多く馴染みの吉祥模様です
  残欠

抹茶は『聖の光』大和茶(山添村の川畑製茶園)で名前は
聖武天皇の『聖』、光明皇后の『光』に由来するそうです
茶碗は『奈良絵』大塩玉泉
  

奈良絵は室町時代の末期頃から江戸時代にかけてつくられた
絵草紙「奈良絵本」に描かれた絵を奈良絵と呼んでるようです
これは「過去現在因果経」にみられる大和絵を手本に古くは
江戸末期の赤膚焼名工奥田木白の茶碗がありますが
定義はよくわからないようです

ただ広く言えば
奈良のものを、奈良で描いたものが奈良絵らしいという方も

社中・お手伝いいただいた皆様のお蔭で正倉院展協賛呈茶席も
無事終わりやっと炉開きです