気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

神無月のお菓子は虎屋の羊羹「新更科」をリメイク

2021-10-23 21:42:30 | 主菓子とお干菓子
今日10月23日は陰暦18日にあたり、
10月20日の満月から
  10/20

40分ずつ月の出が遅れてくる
座してその出を待ったところから「居待月」と
または立待月や寝待月ともよばれる

万葉集、3巻388  
「座待月 明石の門ゆは 夕されば 潮を満たしめ 
           明けされば 潮をかれしむ」
   *月が明るいことの同音は「明石」

今夜はきれいに居待月がでている
  10/23

なお9月の15夜と10月の13夜の二つの月を見る
「二夜の月」、これをみると縁起が良いとされる

奈良では15夜は深夜になって
13夜は雲に一部覆われた山稜から眺められた

月の話から「とらや」の季節の羊羹「新更科」を
スライスして栗金団に巻いて
銘は・・・『更級日記』とつけました
  更級日記


更科は信濃国の北部にあり
山にかかる月の美しさと共に歌にも
よく詠まれています
とらやの『新更科』は
安永2年頃のお菓子の
値段帳に記録があり
月の名所、更科を思わせます。
     とらや『新更科』羊羹の説明より
  

更科は春「田毎の月」で有名な名月の里
秋も姨捨山から昇る月が美しい観月の名所です

わが国の女流文学作品として名高いのは
菅原孝標女作の「更科日記」
松尾芭蕉の『更科紀行』
平安の昔から更科は都人が憧れる月の名所なのですね

そして信州の新そばを頂きに訪れたいものです

極陰、神無月は『中置』のお稽古

2021-10-15 20:42:00 | お稽古
10月に入り『中置』のお稽古を
炭火のオレンジ色が嬉しい季節となりますので
お客様に風炉を近づけ、水を遠ざける
ちょっとした日本人の心遣いが見えますね
風炉を畳中央に置き、水指を勝手付けに置くので
手狭になりますから『細水指』を用意いたします

濃茶の時は仕覆も勝手に置くことになりますし
炭の時は釜を勝手付けに置くこととなり
羽を客付け炭斗の前、縦に置きます

風炉最後の月『名残の月』ですね
とは言っても10月にはいっても夏日が続きます
まだまだ単衣を離せないのですが、ついに
丸洗いに出しましたのでついに袷にいたします

花は 木槿、秋明菊、藤袴、水引、杜鵑、紫式部、柳蓼
こんなに沢山・・・・・秋の花野です


香合は『初雁』二季鳥香合

お菓子は『着せ綿』
旧暦の9月9日重陽は新暦のカレンダ-では10月14日
庭の菊もやっと咲き始める頃となりました


後半は『五行棚』、『大板』をだしてお稽古しましょう
風炉最後の月、名残を惜しみゆったりと・・・・・
開炉の準備をしなくてはバタバタした名残月です


長月最終のお稽古は「軸荘り」

2021-10-04 17:06:11 | お稽古
   

二十四節気「秋分」も末候に入り
七十二候では48候で「水始涸(みずはじめてかるる)」頃
意味は、田んぼの水を抜き、稲穂の刈り入れを始める頃と

奈良でも秋晴れが続くこれからが、稲刈りの本番を迎えます
今年は神無月にはいり、
COVID-19感染症での緊急事態宣言が遠い昔のような
穏やかな秋晴れ、でも日中は30℃越えの真夏日にも
今後一週間ほどこんな暑い日が続きそうと

しかし陽が落ちると朝晩は涼しくなりますね
次の節気はもうすぐ『寒露』に

長月最終のお稽古は『軸荘り』をいたしました
「小習十六ヶ条」の一つですが
お茶とお菓子無しの稽古ですので
ついつい通り過ぎるお稽古

「軸荘り」は床に掛ける掛物が宸翰や
名物・由緒のある場合に行います
   

客の席入り前に、床の上座約三分の一に
帛紗二つ折の上に掛物を、外題を上にして荘ります

茶事においては上の状態が初座の荘り付けとなり
客は床前で掛物を手にすることなく
外題のみ拝見いたします

その後、亭主にお軸の拝見を所望し、
亭主は水谷に下がり
扇子(白菊扇)を腰にさし床前に進み掛物を取り
帛紗を片付け、巻紙、巻緒を外し、点前どおり
扇子で軸を掛けると、正客より拝見開始に
    

   

客全員、拝見が終わると
正客は語句、筆者、伝承、由緒などについて亭主に尋ね
亭主は問いに答えます

その後、正客は掛物の巻き上げをお願いすると
亭主は再び水谷にさがり扇子を腰にさして床前に進み
軸を巻き上げ外します
(茶事の時は、替わりの軸を持参し掛けてもよいそうです)

   お萩

掛物は無くてはならないもので
部分名称、巻紙の作り方、巻き方と共に
『軸荘り』は忘れてはならない大切なお稽古ですね