気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

即位の礼の日のお稽古

2019-10-27 16:38:38 | お稽古
二十四節気「霜降」も過ぎたのに、台風の影響による
自然災害がうち続き、被災地の方々は大変ですね。
遅くなりましたが、即位の礼の日の稽古を・・・。

前日の夜より未明までどしゃぶりの雨、
即位の礼の今日は関西は朝から日が照り
暑いくらいの一日に・・・関東の方はいかがなものでしょうか
やはり雨、パレ-ドが延期とされてよかったですよね。
雨が休みなく降る中
中庭で行われた即位の礼の時は雨が上がり
日が照り虹がかかったそうですね

『唐物』のお稽古をいたしました。
来月は、炉になりますので風炉最後の『唐物』で、
しつらえを。


軸は『松樹千年翠』西大寺69代住職松本実道長老のもの
平成から令和になっても、災害に見舞われておりますが
常住不変の真理はあるはずとこの軸をかけました。

香合は蛤の『置き上げ菊』
 

中には先月作った『付け干し香』を
10月名残のお稽古によい添え物になりました。

庭の小菊は蕾でやや色づきはじめるも・・・
もう一息、しかたなく浜菊、ホトトギスと水引を


三種のお菓子は手作りの浮島『十三夜』、春日庵の『さつま焼』に新高梨







大和文華館「聖域の美―中世寺社境内の風景」展へ

2019-10-27 16:23:00 | 大和文華館
明後日から七十二侯の次候「霎時施(こさめときどきふる)」に
被災地ではもう雨はいやなのに、このような天候の予報が・・・、
でも明後日29日からやっと晴れの日が続き、復興が進むでしょう。

先日、特別展「聖域の美―中世寺社境内の風景」展が11月17日まで
開催中の『大和文華館』に伺いました。
松尾芭蕉の言葉に「佳景寂寞として心澄みゆくのみおぼゆ」があり、
寺社の境内は、私も含め古い人間には幼いころは七五三などお参り、
祭りなどの遊び場に。成長すると聖域であり、心のよりどころにも。
そうした境内の様子が描かれた作品、北は会津から南は九州まで、
時空を超えた寺社巡りが出来ました。


作品は国宝1点、重要文化財9点、重要美術品1点を含む34件で、
四章から構成されている。

Ⅰ.【聖域の静謐と荘厳】、礼拝の対象から境内の様子へ

1.「女神像」平安・10-11世紀
2.「一字蓮台法華経」平安・12世紀後半、国宝
  仏教美術の法会の様子が大和絵にて表され、僧侶が九人で、中央
  の美男の僧横には、数珠を持った貴人と市女笠を被った女性が。


3.「笠置曼荼羅」鎌倉時代13世紀 重要文化財
  線刻で描かれた磨崖仏だが、13重の塔と共に1331年の後醍醐天皇の
  笠置の戦で焼かれてしまい、現在はほとんどわからない。
  舞台造りもあり、また女人が参拝する様子も描かれる。


4.柿本宮曼荼羅 鎌倉時代13世紀 重文
5.日吉曼荼羅  鎌倉時代14世紀 重文
8.山王宮曼荼羅 南北朝14世紀  重文 奈良国立博物館
   廻りを布で覆わず、筆で描いた書き表装に注目
・・・・・ここまでは礼拝の対象・・・・・

9.高野山水屏風 鎌倉~南北朝14世紀前半 重文 京都国立博物館
  中世の高野山の派閥争い(東寺派、高野山派と智山派)が屏風絵に
  反映され、四季が描かれる。
10.園城寺境内古図 14世紀前半 重文 園城寺
  後期は写しになります。
園城寺境内古図一部

12.出雲神社絵図 鎌倉時代13-14世紀 京都・出雲大神宮
出雲神社絵図一部

Ⅱ【物語をはぐくむ場所】縁起と境内
  神仏と寺社をめぐる物語に溢れた境内へ
13.玉垂宮縁起 伝民部法橋忍智 1370年 重文 福岡・玉垂宮
   書き表装(牡丹唐草)とへただけどリアルな描き方
玉垂宮縁起部分

14.伊勢曼荼羅 南北朝14世紀 奈良・正暦寺
伊勢曼荼羅部分

16.高野山曼荼羅 室町16世紀 東京芸術大学
   壇上伽藍が描かれ、9と16と32を比較すれば面白い
19.かるかや 室町・16世紀 サントリー美術館
   イメージとして描かれる。女人禁制
   卒塔婆が奥の院に、32では墓石が・・・

Ⅲ【境内の記憶と再興】
  荒廃からの復興を願って造られた絵図、人の温かい思いが伝わる
20.東山泉涌律寺図 室町・15世紀前半 京都・泉涌寺
21.慧日寺絵図 室町・15世紀前半 福島・慧日寺
  901年の建立されたが明治の廃仏毀釈で廃寺に
  現在この資料を基にして発掘され再興中と
慧日寺絵図部分

22.松尾神社絵図 室町前半・15-16世紀 京都・松尾大社
   日本昔話のような描き方
24.三上古跡図 室町時代16世紀半ば 滋賀・御上神社
   三上山の頂上を中心に描かれる
三上古跡図部分

25.報恩律寺七堂図 室町時代1568年 兵庫・報恩寺
   1502年に火災で焼失し、再興を願い書かれたもの。
   ポップな描き方で、本堂で祈りをささげる人が

Ⅳ【にぎわう境内】
  太平の世の寺社参詣はピクニック気分
26.釈迦堂春景図屏風 狩野松栄 室町・16世紀半ば 京都国立博物館
   女性の洗濯風景で絵に奥行と季節感が
27.洛中洛外図帖 狩野派 16世紀半ば 奈良県立美術館
28.洛外名所遊楽図屏風 狩野永徳 16世紀半ば 個人蔵
   人を重ね、人間関係が明瞭に描かれている
29.吉野花見図屏風 狩野派 桃山17世紀前半 重文 細見美術館
   秀吉の花見が描かれ、仮装した外人風の役の人も
32.高野山図屏風 江戸18世紀半ば 堺市博物館
   ガイドブック
33.浅草寺境内図屏風 蹄斎北馬 江戸19世紀前半 越葵文庫(福井)
   静かな隅田川を背景に、賑やかな歳の市、雷おこしも
浅草寺境内図屏風部分

34.野々宮図 富田渓仙 昭和20世紀前半
   生活に溶け込んでいます。

時空を超えた自社巡りが出来ますよ。

神無月のお稽古

2019-10-18 17:24:13 | お稽古


先日の先生のお稽古中に六閑斎(りっかんさい)、
逝去される直前、江戸で残された歌を示されました。
茶の道は辿るに広し武蔵野の月も住むなる奥ぞゆかしき
 
六閑斎の頃、武蔵野はどこまでもススキが広がる月の名所だったのでしょうね
この歌は、茶の道は武蔵野の原野のように広く
月もそこに住んでいると思えるような奥の深いものだと言ってるのでしょう。
確かに茶道は、尽きることはありませんし、飽きる事もありません。

自宅稽古は、風炉最後の月は『中置』、
客には火気を近づけ、逆に水を遠ざけて
暖かみを感じさせようという心尽くしの扱いで、、
風炉は畳中央に移り、右側にある水指が、風炉の左側に。

今年は、五行棚のお稽古にいたしました。
五行『木火土金水』つまり木(棚)、火(炭火)、
土(土風炉)、金(釜)、水(湯)を表し、土風炉をのせます。


床のしつらえです。


軸は『寿楽』、
花はセイヨウヨウシュゴボウの実、紅白の水引、ホトトギス、紫式部
    お菓子は栗の渋皮煮作ってみました

香合は置き上げ菊香合、十月にかぎり「寄せ香」や「つけ干し香」で
先日習った『つけ干し香』を使ってみました


名残を愉しんでいただけたでしょうか。

秋の主菓子は小萩餅から栗きんとん(山苞)へ

2019-10-08 15:10:53 | 主菓子とお干菓子
七十二候「玄鳥去(つばめさる)」の9月17日が過ぎ、神無月に
入っても、今年は燕が飛びかっている状態で、季節外れの暑さも


やっと涼しくなったっと思えば、もう今日から『寒露』で
七十二候「鴻雁来(こうがんきたる)」のはずが、
超大型台風が来るらしい。

昨日の空は半分秋の雲が・・・・車中から

さてお稽古での菓子造り、一月ほどブログでは途絶えていますが、
秋分の頃の主菓子は『小萩餅』、


神無(有)月に入ってからは『栗きんとん(山苞)』を。
『山苞』と言う言葉が大好き!
山のお土産なんて誰が言い始めたのでしょうか?
ステキな方なのでしょうね。

元は、万葉集 巻20 4293、元正天皇の「夜麻都刀」からでしょうか?
「安之比奇能 山行之可婆 山人乃 和礼尓依志米之 夜麻都刀曽許礼」
あしひきの 山行きしかば 山人の 吾れに得しめし 山づとぞこれ
朕が山に行くと 山の仙人が土産をくれた これがその土産である

9月下旬のこと、さる場所で台風で落ちたイガから栗拾いをして
自然のお土産(贈り物)を頂きました。
 

去年までの栗きんとんは、栗と砂糖だけで造っていた。
でもまとまりが悪く、
もこもこして茶巾にしぼるしか手立てはなかったのです。
2018.10.7

今年は、蒸し栗にして砂糖を混ぜ栗餡を造るも、
香りはあるもコクが足らない、自然の故なのですが。
そこで栗と砂糖だけの栗餡に、白餡を30パ-セントほど
混ぜ練りこんでみましたら、
きんとん漉しできれいに漉すことができ、
見た目も、お味も、お稽古にお見えの皆様に大好評。


自然のお土産、一つの創意工夫で生かすことが出来ました。