長月に入っても酷暑日が続いておりましたが、雨の後の涼しさにびっくり。
仲秋の名月も過ぎ、
今日14日は満月なのに、旧暦の十六夜にあたります。
この土日は残暑が戻り、本格的な秋はいつになるのでしょうか。
一足早く秋らしい空模様だった日に、「大和文華館」に訪れました。
現在「樹のちから―東洋美術における樹木の表現」展が9月29日まで開催中
都甲さやか学芸員からスライドを用いて水墨画の基本からお教えいただけ、
3部構成で作品は大和文華館所蔵のみの37件で、1件の重要文化財が含まれる。
Ⅰ.山水世界の創出で、山水画は前景、中景と後景の三部分から構成されるが
大中小で表された樹木が平面の中に奥行きが生み出され、モチーフの面白さ
例えば松ノ木の表面や枝の下がり具合、また南宋では空気遠近法も使われた。
Ⅱ.場面を彩る樹では立体感が生まれる
Ⅲ.人の想いも表現できる。今年の正倉院展でも展示される8世紀の
「鳥毛立女屏風」樹木の下に唐風の女性を一人ずつ描かれている。
そして古木と岩を描くと長寿、古木だけでも老賢を示唆している・・・等を
展示室に入ると
Ⅰ【山水世界の創出】
2.「冬景山水図」 惲向筆 中国・明時代
惲向は文人画家で、拙さが良い、例えば前景と中景の樹の大きさが同じ
冬景山水図
4.「越中真景図冊」張宏筆 崇禎12年(1639年) 中国・明時代末
張宏は文人画家で、呉派の伝統の上に、西洋の影響と思われる
遠近法で描かれた橋に注目。
2図 4図
5.「山水図」程邃(ていすい)筆 順治14年(1657年) 中国・明時代末
墨と紙の素材の美しさを追求、右斜めに下がる筆使いの捺筆という手法
山水図
7.「山水図冊」 方士庶筆 1728年 中国・清
薄墨の美しさが際立つ名所図会的な作品、 五図は世界遺産の
「黄山」十大名松の一つを描く、下の松の描き方に注目
5図
8.「煙寺暮鍾図」 伝安堅筆 朝鮮・朝鮮王朝時代 重要文化財
中央に山容を描き、視点を二分する。崖の上の双松は手前を濃く、
後ろは薄墨で描き、遠近感を。楼閣は瀟湘八景を意図されている。
煙寺暮鍾図
12.「山水図屏風」 伝周文筆 日本・室町時代
周文は相国寺の僧で雪舟の師で、小舟が風に吹かれ、踏ん張る漕ぎ手
そして静けさに高士が開かれた門は友人宅、霞の中に山々が・・・
左隻 右隻
13.「山水図」 興悦筆 日本・室町時代
山水図
16.「潤泉松声図」 浦上玉堂筆 江戸後期
【第二章 場面を彩る樹】
19.「文姫帰漢図巻」 中国・明
文姫帰漢図巻
20.「仕女図巻」 仇英筆、文徴明詞書 中国・明時代
21.「秋渓群馬図」 沈銓筆 中国・清時代
23.「鹿群図」 朝鮮・朝鮮王朝時代
【第三章 人の想いに寄り添う樹】
25.「望気図」張路筆 中国・明
望気とは空気の流れを見てうらなうこと
枝ぶりの良い松は立派な人格を表す。
26.「賞楓図」 張風筆 順治17年1660年 中国・明
張風は明滅亡後は清に仕えること一生を終えた。
奥から手前に吹き抜ける風、目に見えない大気、
高潔さを醸し出す高士が描きだされ、張風そのものを
賞楓図
29.「聴松図巻」 王翬・楊晋合作 中国・清時代
山水の中に松籟を聴きながら座る高潔な高士(宋至)が描かれる
流れ落ちる滝の音や松林を吹き抜ける風の音が・・・
聴松図巻
32.「高士観瀑図」 山本梅逸筆 日本・江戸時代
桜が・・滝が、透視遠近法で書かれ、松の幹や人物に色があります。
34.「晩秋図」 菱田春草筆 日本・明治時代
夕暮れ時、薄暗さが・・・ノスタルチックさを醸し出す
35.「古木図屏風」左隻 富岡鉄斎筆 明治から大正時代
岩と松が大胆にかつ細密に描かれている。老木にカラスが止まり
鉄斎60歳代の作品で、まだまだ老いていないことを表す。
後年、背景に金が散らされた。
賛に「玄なほ人として墨からしむ。色の白いのは美人と言うことだ。」
古木図屏風、左隻
なかなか見応えのある展示になりますが、
説明を聞いた時はわかったと思っていたのに・・・。
仲秋の名月も過ぎ、
今日14日は満月なのに、旧暦の十六夜にあたります。
この土日は残暑が戻り、本格的な秋はいつになるのでしょうか。
一足早く秋らしい空模様だった日に、「大和文華館」に訪れました。
現在「樹のちから―東洋美術における樹木の表現」展が9月29日まで開催中
都甲さやか学芸員からスライドを用いて水墨画の基本からお教えいただけ、
3部構成で作品は大和文華館所蔵のみの37件で、1件の重要文化財が含まれる。
Ⅰ.山水世界の創出で、山水画は前景、中景と後景の三部分から構成されるが
大中小で表された樹木が平面の中に奥行きが生み出され、モチーフの面白さ
例えば松ノ木の表面や枝の下がり具合、また南宋では空気遠近法も使われた。
Ⅱ.場面を彩る樹では立体感が生まれる
Ⅲ.人の想いも表現できる。今年の正倉院展でも展示される8世紀の
「鳥毛立女屏風」樹木の下に唐風の女性を一人ずつ描かれている。
そして古木と岩を描くと長寿、古木だけでも老賢を示唆している・・・等を
展示室に入ると
Ⅰ【山水世界の創出】
2.「冬景山水図」 惲向筆 中国・明時代
惲向は文人画家で、拙さが良い、例えば前景と中景の樹の大きさが同じ
冬景山水図
4.「越中真景図冊」張宏筆 崇禎12年(1639年) 中国・明時代末
張宏は文人画家で、呉派の伝統の上に、西洋の影響と思われる
遠近法で描かれた橋に注目。
2図 4図
5.「山水図」程邃(ていすい)筆 順治14年(1657年) 中国・明時代末
墨と紙の素材の美しさを追求、右斜めに下がる筆使いの捺筆という手法
山水図
7.「山水図冊」 方士庶筆 1728年 中国・清
薄墨の美しさが際立つ名所図会的な作品、 五図は世界遺産の
「黄山」十大名松の一つを描く、下の松の描き方に注目
5図
8.「煙寺暮鍾図」 伝安堅筆 朝鮮・朝鮮王朝時代 重要文化財
中央に山容を描き、視点を二分する。崖の上の双松は手前を濃く、
後ろは薄墨で描き、遠近感を。楼閣は瀟湘八景を意図されている。
煙寺暮鍾図
12.「山水図屏風」 伝周文筆 日本・室町時代
周文は相国寺の僧で雪舟の師で、小舟が風に吹かれ、踏ん張る漕ぎ手
そして静けさに高士が開かれた門は友人宅、霞の中に山々が・・・
左隻 右隻
13.「山水図」 興悦筆 日本・室町時代
山水図
16.「潤泉松声図」 浦上玉堂筆 江戸後期
【第二章 場面を彩る樹】
19.「文姫帰漢図巻」 中国・明
文姫帰漢図巻
20.「仕女図巻」 仇英筆、文徴明詞書 中国・明時代
21.「秋渓群馬図」 沈銓筆 中国・清時代
23.「鹿群図」 朝鮮・朝鮮王朝時代
【第三章 人の想いに寄り添う樹】
25.「望気図」張路筆 中国・明
望気とは空気の流れを見てうらなうこと
枝ぶりの良い松は立派な人格を表す。
26.「賞楓図」 張風筆 順治17年1660年 中国・明
張風は明滅亡後は清に仕えること一生を終えた。
奥から手前に吹き抜ける風、目に見えない大気、
高潔さを醸し出す高士が描きだされ、張風そのものを
賞楓図
29.「聴松図巻」 王翬・楊晋合作 中国・清時代
山水の中に松籟を聴きながら座る高潔な高士(宋至)が描かれる
流れ落ちる滝の音や松林を吹き抜ける風の音が・・・
聴松図巻
32.「高士観瀑図」 山本梅逸筆 日本・江戸時代
桜が・・滝が、透視遠近法で書かれ、松の幹や人物に色があります。
34.「晩秋図」 菱田春草筆 日本・明治時代
夕暮れ時、薄暗さが・・・ノスタルチックさを醸し出す
35.「古木図屏風」左隻 富岡鉄斎筆 明治から大正時代
岩と松が大胆にかつ細密に描かれている。老木にカラスが止まり
鉄斎60歳代の作品で、まだまだ老いていないことを表す。
後年、背景に金が散らされた。
賛に「玄なほ人として墨からしむ。色の白いのは美人と言うことだ。」
古木図屏風、左隻
なかなか見応えのある展示になりますが、
説明を聞いた時はわかったと思っていたのに・・・。