気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

「夕ざりの茶事」の後礼の筆が進みません

2018-03-31 15:17:46 | 日記
昨日の午後は、茶の湯の書の講座で「夕ざりの茶事」に京都へ。
昼下り、夕刻そして夜の帳が降りる春の宵での京都の一時、
席入りは3時、初炭、懐石、菓子の後は中立ちまでが初座、
夕暮れ時にあたり、置かれた手燭を持ち待合いへ。
銅鑼が鳴り、手燭を蹲踞の高い石に置いて使うと、後席入りの
後座になり、濃茶そして続き薄茶にて終わりに。
なお初座で花を、後座で軸を飾る幽玄の世界を愉しめました。
              (*写真はありません)
愉しみの後は、後礼をお教えいただいたように、さらさらと
書かなくては・・・、そんな訳にはまいりません。

やはり後礼の筆が進みません。今日は自宅稽古と言い訳を。

今朝の奈良の最低気温は3℃台と冷え込みましたが、春霞で
若草山はぼっと、でもそこかしこに桜で染まっております。
若草山9時

昨日の京都も凄い人出でしたが、昨日の朝から用事で訪れた
JR奈良駅も、緑の窓口は長蛇の列、それも海外からの方々で
三条通も外国語が飛び交いインバウンドの凄さがひしひしと。
日本の桜は海外の方々にとり、一度は見たいものだそうで、
この時期の奈良の古い旅館も海外の方たちで満室と・・・。

遠くから興福寺の桜も見え、時間があれば奈良公園へ足を
伸ばせたのですが、お昼から「夕ざりの茶事」で諦めました。


帰りに観た、佐保川の桜並木も満開、
川面に映り込む桜、花びらも舞い落ち「花筏」ぽく・・・?
一瞬の美しさを堪能できました。
佐保川

この天気では、あっという間に桜も終わりますね。
三日前、墓参りで訪れた奈良の中和地区の桜です。
飛鳥川の桜並木も満開、蘇我川も・・・
飛鳥川

高田川の桜も・・・
 高田川

大和三山(畝傍山・耳成山・天香久山)の一つ「畝傍山」、
『玉襷(たまだすき) 畝火の山の 橿原の
       日知(ひじり)の御代ゆ 生(あ)れましし』
                     柿本人麻呂
南側からの眺める畝傍山の麓には桜が・・・

西側から望む畝傍山でその奥が音羽観音の音羽山と経ケ塚山

明日香村の方を望むと、桜が咲いているのが見えます。


そして桜を近景に二上山も遠望
  

桜の国、日本、奈良でもそこかしこに桜の木があり、
日本人にとり、『桜』への愛着はなくてはならぬもの、でも
標準木とされる「ソメイヨシノ・染井吉野」はクローンで、
高齢化により衰退し、将来的には消え去る恐れも。それに
追い打ちをかける外来種の害虫クビアカツヤカミキリと悪戯
桜の木を、切ったり折ったりする悪戯が奈良でも・・・
悪戯にしては度が過ぎており、情けないですね。

でも朗報でしょうか”百年ぶりの新種「クマノザクラ」が
紀伊半島で発見された”との報が・・・
「染井吉野」に代わる新たな観賞用樹木として期待大だそうです。

「和敬清寂」と最初で最後の「のりこぼし椿」を

2018-03-30 11:38:46 | お稽古
ここ一週間も良いお天気が続き、26日から20℃以上の最高気温
5月頃の気候でしたが、今日は冷たい空気が入り18℃で4月頃に
戻り、連日春霞だった若草山も、今日はきれいに桜色が見え、
特に三笠温泉郷廻りは今年も桜色に染まりましたね。
  
でも今後も晴れの日が続き、満開の桜も来週は散るのでは。

散ると言えば、今年の寒さで開花の遅れていた「のりこぼし椿
お水取りの終わる15日未明までに蕾で自宅稽古に使えず仕舞い。
富山に帰省する23日には蕾も開き掛け・・・残念!

戻った27日の朝は開き切り、29日には一輪を残し散りました。
 

今年は諦めていたのですが・・・
27日の自宅稽古に最初で最後の「のりこぼし椿」の蕾と
初嵐椿、貝母を活けました。27日は表千家、28日は裏千家の
利休忌にあたり、菜の花があれば、なお更よかったのですが。
 

お軸は、利休居士を忍び「和敬清寂」をチョイス
 
こられたのは、若い時以来??年ぶりのお稽古になるそうで、
私も初心に戻らなければなりませんね。
稽古は、丸卓で薄茶、菓子は栗襄陽と梅紅白ゼリーに。

途中”膝が痛いので、お茶は”と言われますので、
”点茶盤を使った立礼の稽古も出来ますよ”とお話をしますと
次回からは、点茶盤の方々と一緒にとお話がまとまりました。
楽しみが増えました。

大和文華館「生命の彩いろどり-花と生きものの美術-」展へ

2018-03-29 12:50:01 | 大和文華館
『大和文華館』の前庭に移植された「三春瀧桜」見事に満開、
  
館内も中国、日本、朝鮮における花と動物の美術作品で彩られた
特別企画展『生命の彩いろどり-花と生きものの美術-』開催中

特集陳列として、2017年春に修理を終え、修理後初公開となる
重要文化財・伝毛益筆「蜀葵遊猫図・萱草遊狗図」南宋時代
(当館蔵)は江戸初期には伝来し、狩野派を始めとする画家達に
より模写され、猫と犬の図様の広がりに大きな影響を、
更には、近年再発見され、約80年ぶりの公開となる明時代の
宣宗皇帝筆「麝香猫図」(個人蔵)なども展示されています。

3部門構成、展示数42作品中重要文化財2件、重要美術品1件で
入り口にいつもの様に三作品が並んでおり
左に39.梅雀六角筥 平福百穂筆 昭和
中は3.狗図 伝李迪筆 中国・南宋時代 個人蔵
右に15.白磁青花彩陽刻十長生文六角瓶 京畿道広州郡分院里窯
六角形に面取りされた白磁に鮮やかな青花で文様が、胴部は
白土を盛り上げた十長生文(鶴亀鹿松竹‣岩‣霊芝‣太陽‣水‣雲)
細部は線刻されている。


特集陳列 伝毛益筆「蜀葵遊猫図・萱草遊狗図」と東アジア
1.蜀葵遊猫図 伝毛益筆 中国・南宋時代
 立葵もとに、親猫と子猫達、蝶を見上げ、じゃれ合う子猫
音通が猫は耄(ボウ)70歳、蝶は耋(テツ)80歳、長生を現す。
蜀葵遊猫図

2.萱草遊狗図 伝毛益筆 中国・南宋時代
 萱草は男子誕生を祈る吉祥画で、親狗と仔狗の愛らしさも
萱草遊狗図

5.春苑遊狗図 紀鎮筆 中国・明時代 黒川古文化研究所蔵
春苑遊狗図

7.双狗子図 李厳筆 朝鮮王朝・朝鮮王朝時代 個人蔵
双狗子図

8.芭蕉竹仔犬図屏風 渡辺始興筆 日本・江戸時代
金字山水図屏風(楷体)の裏側に水墨(行体)で描かれたおり、
夏の陽だまりに仔犬が遊んでいる。芭蕉や岩は勢いのある筆で
墨の流れた滲みも見られ、静と動が表されています。
左一部 右一部

9.乳狗図 渡辺崋山筆 日本・江戸時代 黒川古文化研究所蔵

【百花百獣の彩】
11.蓮池図 揮寿平筆 中国・清時代
  大輪の蓮に、たわむ蓮の軸に動きがあり、
  二匹の魚や蓮の間の子虫も絵は描かれております。
12.秋渓群馬図 沈銓筆 中国・清時代
13.桐下遊兎図 伝余崧筆 中国・清時代
14.群鹿図 朝鮮王朝・朝鮮王朝時代
15. ライオン図 宋紫石筆 日本・江戸時代
 南蘋(なんぴん)派、賛に平賀源内が秘蔵する本より
ライオン図

19.輪墨随身帖 田能村竹田筆 12図 江戸後期
20.桜図 俵屋宗達筆 江戸前期
  没骨描写、たらし込技法が
22.瓶花図 酒井抱一筆 1815年江戸後期
 尾形光琳百回忌に優美に描かれ、柔らかな描線と明るい彩色に
瓶花図

23.蘭石図屏風 与謝蕪村筆 四曲一双 江戸後期
  夜半翁(亭)は俳号、謝寅(しゃいん)は画号に

【花鳥の彩】
25.竹燕図 馬遠筆 中国・南宋~元時代
  水辺の磐と竹に戯れる燕
竹燕図

27.梅花牡丹小禽図 孫億筆 中国・清時代
  寿石に梅、牡丹が・・・
31.鶴図 尾形光琳筆 江戸中期
36.釣瓶に鶏図 伊藤若冲筆 1795年江戸後期
38.晩秋図 菱田春草筆 明治時代

【参考出展】見ものです。
40.古画縮図(花鳥)狩野探幽筆
  素晴らしい筆遣いにうっとりします。
41.唐絵手鑑 伝狩野安信筆 膳56図 江戸前期
42.和漢名画苑 6冊のうち大岡春ト編1750年 江戸中期

自宅稽古の後で、生命あるものの彩に癒されました。

三春の瀧桜の咲く大和文華館へ

2018-03-28 11:05:12 | 大和文華館
昨日は朝から自宅稽古、富山から帰ってくると近所の桜も満開、
玄関の色紙は「吉野龍田図屏風」部分(根津美術館蔵版1996)
 
全山埋め尽くす吉野の桜、その枝にかかる短冊に、春の曙の題に
建仁二年(1202)の千五百番歌合歌の一部が、
ほのぼのと花の横雲あけそめて桜にしらむみ吉野の山
          西園寺太政大臣(公経)(玉葉194)
訳)花の色合をした横雲がうっすらと明るくなり始め、
 吉野山は全山埋め尽くす桜によって白じらと姿を現してくる。

*なお吉野町の開花情報によれば、満開は中の千本で4月4日と

奈良の一番桜は、氷室神社の枝垂桜、25日に満開とのこと
奈良の二番桜?大和文華館の『三春の瀧桜』、
20日に咲き始め、25日にはもう満開になったそうで、
今年はあてになりませんね。でも早くいかないと・・・。

この親木は、エドヒガン系のベニシダレザクラで、1922(大正11)年
に国の天然記念物の指定を受け、 日本三大桜のひとつで
樹齢1000年以上とされる福島県三春町の『三春瀧桜
開花は4月10日と予報されており、現在は蕾堅しですね。


一足早く、例年より三足早くなりますが自宅稽古終了後に
大和文華館の三春瀧桜を訪れますと、なめこ壁に映る滝桜、
風情がありますね。でもこの暖かさ、今週いっぱいが見納め?。
  

門からのプロムナードにも滝桜の孫株が・・・
  上から

またミツバツツジや白木蓮と思いきやコブシ
 

園内には白木蓮がもう散り始め、

なおレンギョウやミズキは撮り忘れ
雪柳と桜、そして木瓜も
 

菊桃も咲き出しそうですね。

地面には菫?・・・

庭内は花盛りの「大和文華苑」になり、現在大和文華館では
特別企画展『生命の彩(いろどり)-花と生きものの美術-』
百花百獣の彩、花鳥の彩の数々が館内を彩っておりました。

「桃季自成渓」の掛る小山園

2018-03-27 18:25:42 | 散策
富山へ先週末から出かけており、春を連れていったはのように、
帰る昨日には富山でも桜の蕾がほころび、数輪が咲きだすも、
ソメイヨシノ桜は蕾で、30日が開花予想、松川沿いも賑やかに
屋形船も出るのでしょうか?。


今回の富山への帰省は相方とだけでなく、春休みになった孫娘
連れで小旅行気分、ちょっと早くも寄り道、京都宇治市内へ、
抹茶を買い求めに、いつもの『宇治丸久小山園』さんに、
入り口の土間からガラス戸を通して、応接室に掛る曼荼羅が
 

店先に入り、注文している間にちゃっかり相方は抹茶ソフト
クリームを買い与え、点数をあげておりました。

応接間に掛る軸は、大徳寺管長 高田明浦老大師の
桃季自成渓
  
多分、「桃季不言下自成渓」から取られた言で、
桃李(とうり)言わざれども下自(したおの)ずから渓(けい)を成す
”桃や李(すもも)は言葉を発しなくてもその花や実を求めて人が
 集まって来て、その下に自ずと道ができる。
 徳のある人はあえて言葉で招かなくても、そこには自然に人が
 集まることの比喩。「花無心招蝶」花は無心にして蝶を招く
 これも同趣旨の語。出典は史記”充実茶掛けの禅語辞典より

待合いに、久次郎煎餅と煎茶が運ばれてきました。
麩焼煎餅で上質の和三盆糖の甘味と抹茶風味が美味しい。
 久次郎煎餅
そしてその壁には、茶関係の本が並べられ色紙に
一つは雀の絵、大野藤三郎さん

もう一つは「桃花春」建仁寺管長 小堀泰巌老師
桃花春風に笑む」から取られた言葉ののでしょうか。
お雛様の時期だったらよかったのですが・・・

今年はここの庭先の梅もすっかり散っており、近所に咲く
桃も桜より一足早く満開、でも桜が咲いたことで人は移り気、
寂しく散りはじめようとしています。

富山県美術館・オノマトペの屋上

2018-03-26 21:24:56 | 美術館・博物館
帰省したおり、孫に連れられ富山県美術館開館記念展Part 3

『デザインあ展 in TOYAMA』へ、
孫が偶然にも熊のTシャツを着ていたので割引を受けられ、
ラッキー

2歳の孫も大はしゃぎで、一時間が過ぎました。
子供連れで本当に楽しめました。
そしてこの美術館の屋上には『オノマトペの屋上』が、
オノマトペとは、「ぐるぐる」「ひそひそ」などの擬音語・
擬態語のこと。あそびながら自分のオノマトペを考えさせるように
作られており、デザインは佐藤卓さんです。
「あれあれ」「うとうと」「ぶりぶり」「ふわふわ」「ぼこぼこ」
「ぐるぐる」「つるつる」「ひそひそ」
 

 

「ふわふわ」では子供たちが飛び上がっておりました。


東へ目をむければ、富岩運河環水公園を前にして
雄大な立山連峰を眺められます。


下の富岩運河には岩瀬までの富岩水上ラインがこの春から就航
  
富山の桜が31日からが見頃らしいですよ。
水面に映る桜を愛でながらもよいかもしれません。
なお、富山城の外濠の松川公園も桜のシーズンには船が

まだ一階のテラスにはこんな熊さんが


二時間まで駐車料金が無料、あっという間に過ぎ
帰ることに、孫にはちょうど良いお昼寝になったようでした。

月ヶ瀬も訪れた谷崎潤一郎、その碑も

2018-03-25 14:22:25 | 散策
月ヶ瀬の昔の風景を記した木版刷りです。
岡本八谷『月瀬楳渓十六勝地真景』絵図、明治26年(1893)
 
昔渡しがあった場所には、明治後期には月ヶ瀬橋(初代)が
そしてダム湖が出来ると、鉄鋼の月ヶ瀬橋が出来ました。

その橋を望む、小高い場所に『本田種竹山人詩碑』徳島生れ

 『月ヶ瀬梅花の詩
  山中にて愚庵禅師に贈る
古木巌を回りて一路紆る
雲を出ずれば相見雲に入れば
呼ぶ 何人か画家の案(思
案のこと)をふん倒(さかさまにする)
して 新たに梅花三笑の図
を補いしならん
(註)梅花三笑は中国の故事虎渓三笑に
   倣っての意

キチョウが舞っておりました。


帆浦梅林まで登ると、
山と水 清き天下の 梅の里
東大寺館長を務められた狭川明俊氏の句で、
二月堂のお水取りが終わると春が訪れるという意味に。


梅の品種園には『齋藤拙堂詩碑』が
梅邊清絶竹邊幽に
   罨畫渓中小舟を蕩かす
風白く雲香りて春両岸
   杳然一棹中流を下る
  月瀬五絶之一 拙堂居士謙
意味)
梅のほとりは清く、竹のあたりはひっそりとし、
   絵のような渓谷に舟を浮かべる。
風は花に吹いて雲まで香り
   梅花は両岸に満ちて正に春、
  少し漕いではるか遠くまで流れを下る。
  月瀬五絶句のひとつ 拙堂居士謙
  

帰りのダム湖のほとりには、谷崎潤一郎の碑がひっそりと
わがや度の梅のさかりをよそにして
           たづ年てぞこ新月ヶ瀬農里



月ヶ瀬梅林で梅見を

2018-03-24 12:58:36 | 散策
奈良も桜の開花宣言がでました。
その前に『梅』も咲いていたのですが、一週間以上も早く
咲いた桜に主役を奪われてしまいましたね。
 
三月中旬、大正11年には国が初めて指定した名勝の一つ
『月ヶ瀬梅林』、今年も『月ヶ瀬梅林と齋藤拙堂』の講座に
参加して梅見に、少し遅れ気味で、しかも昨秋の台風で
土砂崩れが発生し、傷跡がそこかしこに・・・、
行政の方々、早く修復してくださいね。


月ヶ瀬の梅は今から800年前、月ヶ瀬の尾山に天神社をまつり、
ゆかりの梅の木を植えたのが始まりとされ(天神記1205年)、
その梅の実から紅花染めの媒染剤として烏梅(うばい)を作る
ようになり、更に林間の空き地を利用して梅を植え、急峻な
この地域の貴重な収入源になったそうです。
烏梅  
江戸時代後期には約10万本以上の梅の名所(拙堂1830年)で
風流を好む文人墨客に讃えられ、その景色を愛でる詩文が
詠まれた。『萬玉亭』頼山陽、『名士観梅図』富岡鉄斎、
『七言律詩書』齋藤拙堂、『月瀬記勝』齋藤拙堂
 月瀬記勝
しかし、烏梅は明治に入り化学染料に押され、現在は一軒のみ
梅の木も、炭等にされ一万数千本に減っております。

名張川(五月川)の五月ダム湖に映える梅の数々
 
もう少し登ります。
 
帆浦梅林から
 
平日なのに、かなりの人出があり、遠くからの方も
もう少し若い梅の木を植えて頂ければ・・・ 

アレクサンドル・タローのゴルドベルグ変奏曲を

2018-03-23 09:32:57 | 音楽
今日はやっと晴れそう、これから数日は春本番の暖かさに。
昨夜は時雨のなか、冷たい風の吹く京都コンサートホールへと

アレクサンドル・タローさんのピアノリサイタルがあり、
ゴルドベルグ変奏曲 BWV988を鑑賞しました。

作曲者は大バッハのヨハン・セバスティアン・バッハ
一昨日がユリウス暦1685年3月21日での誕生日(新暦3月31日)
一日遅れでお祝いしていただけました。この曲は
アリアとその変奏曲からなる2段の手鍵盤のチェンバロの
ための練習曲で、グレン・グールドを聴いたような気が・・・、
タローさんは二年前にこの曲のCDを出され、高評判を、
さあどういう演奏をされるのでしょうか。
二息ほど間が空くと、右手が静かに鍵盤に触れて始まりました。

ステージにはたっての願いでヤマハCFX、モダンピアノで
よく聞くグールドとは全く違った雰囲気で、透明感のある音色が
瑞々しく新鮮、耳に心地よく響くリズムは、フランス人ならでは
の叙情感、そして力強さも溢れておりました。
ペダルの操作が細かく動かされており、両手もですが
足も大変、感情が乗り移ります。

引き終わると、息をのむほどの静けさの中、左手が静かに
膝の上に、一呼吸以上の間合いを持って右手も静かに膝の上に
拍手するのもはばかるほどの緊張感が漂っており、一息の後
割れんばかりの拍手でした。

アンコールは、ラモーの クラブサン 野蛮人たちで、
躍動的でエスプリの効いた洒落た曲でした。

台目棚は葭棚とも

2018-03-22 12:58:15 | お稽古
今朝も小雨が降っていましたが、徐々に陽も射すようになり、
咲き遅れていた我が家の『のりこぼし椿』も蕾から・・・
週末は自宅稽古はなく、残念ですね。

また近くの保育所の桜(ソメイヨシノ)も蕾が膨らみ、数輪
咲いていますが、お昼までには奈良の開花宣言はありません。


先日の日曜日の自宅稽古の話、
釣り釜と「台目棚」を使っての台目初炭、薄茶と台目薄茶を。
「台目棚」は小間が狭くなるので、本来は使われませんが、
お稽古用の台目棚をだし、釣り釜のお炭をしていただくと、
台目のお炭も一緒に学べるのでは・・・との思いからです。
 
『台目棚』は、新版・茶道大辞典(淡交社)によれば、
”藪内十八種棚の一つで、広間などで台目点をするために
 好まれた。客付に中柱があり、風炉先窓に障子を入れた
 組立式。材は杉。⇒葭棚(よしだな)”と
何か違います。『葭棚(よしだな)』を見ますと
”利休好み、台目棚ともいう。杉木地で客付の台目柱は赤松の
 皮付丸太を用い、吹抜けの上から風炉先にかけ葭簀(よしず)
 を張りめぐらせ煤竹で押さえてある。客付向隅に一尺八寸と
 八寸四分角の棚板が白竹で釣ってある。”と
これでしようね。

他の記載も合わせると、
『葭棚』を元にして台目棚が広間などで台目点ができるように
考案され、炉、風炉にも使用できるそうです。また
表千家十三世 即中斎(無盡宗左)も好まれたようです。

床は『華』の軸に「野に山に春夏秋冬と・・・」
木瓜、貝母と春風椿を
 
南の四畳半でのお稽古、春の陽を感じて頂けたでしょうか。