気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

点茶盤のお稽古を中置で??

2018-10-31 20:47:10 | お稽古
神無月も今日まで、東北から初雪と初冠雪の便りが届き、
明日からは霜月、炉開きですので炉に灰入れを済ませており、


この月曜日は点茶盤のお稽古を中置にして遊んでみました。


立礼でのお稽古しか困難な方々にもお茶の楽しみを
わかっていただきたい。
しかし点茶盤でのお稽古はどうしてもお点前が限られます
それでも夏は『洗い茶巾』『釣瓶の水指』などを使っており、
10月は、中置の季節です。五行棚や大板、長水指など
この月ならではのお道具がありますが、長水指だけでも
使えたらと思い・・・
 

中置を点茶盤でも支障なくできるかどうか試してみました。

長水指を勝手側に置ける範囲で
風炉をややお客様のほうへずらし
杓立と建水も中心よりお客様側に動かしました
お茶碗、棗はいつものところに置いて
薄茶のお点前を

意外に支障なくお点前が進み
最後の水次は逆勝手となりました。

正座が出来なくとも
立礼で深くお茶を楽しみ、季節を感じれたらいいですね。

この日のお菓子は『手向山』、栗餡と紅葉色の餡で紅葉を。
手向山は奈良と京都の国境のことで、現在は平城山(ならやま)
その手向山東部山麓には、東大寺三月堂横に東大寺の守護神と
して「手向山八幡宮」が鎮座されており、古くから紅葉の名所。
 

菅原道真が詠んだ歌、古今和歌集 420、百人一首‣菅家(24番)
このたびは幣もとりあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに
訳)今度の旅は急のことで、道祖神に捧げる幣(ぬさ)も用意
  ができませんでした。手向けの山の紅葉を捧げますので、
  神よ御心のままにお受け取りください。

棗はというと「徳風棗」で、一粒万倍、内側に籾が。
 

深まりゆく秋を楽しんでいただきました。

はま菊が満開、やっと小菊も咲き始めました

2018-10-30 22:08:55 | 季節の花々
小庭では、小菊が咲き始め、その向こうには椿の蕾も・・・
 

今床を飾る花は『はま菊(ハマギク)』です。
 

一週間前から咲きだした一鉢の『はま菊』もあっという間に
満開に、床に使いますと、残り少なくなりました。
 

この「ハマギク」は日本原産、
関東から本州北部の太平洋岸の海辺の砂地に自生するそうで、
江戸時代にはすでに栽培が行われていたそうです。
花は、マ-ガレットにとっても良く似ていますね
花言葉は『逆境に立ち向かう』です。
す-っと空に向かって咲く白い花は正に花言葉通り

『菅原道真』古今集 272の浜に咲く白菊がハマギクの事
  秋風の
  吹き上げに立てる白菊は
  花かあらぬか
  浪の寄するか

別名『吹上菊』と呼ばれる所以ですね。

小堀遠州の命名の唐物茶入れ「吹上文琳」は
蓋箱書付や、仕覆箱書付、外箱はともに
松平不昧公が書付していますが、菅原道真の
上記和歌から命銘したとされています。


これは遠州公所持の後、姫路酒井宗雅公に伝わり、
寛政元年(1789)四月二十八日、参勤交代の途中に
駿河蒲原という場所で休んでいたおり、不昧公と出会い、
この茶入を贈与したいきさつが・・・。
雲州蔵帳」にも所載されておりますが、
現在は「五島美術館」に収蔵されており、
HPによれば
”複雑に変化した釉薬の調子からの連想であろうか”と
五島美術館Hpより

今日のお稽古、お菓子は『みのり』

2018-10-28 18:39:10 | お稽古

昨日は孫の運動会のはずでしたが、
前日からの雨で運動場に水が溜り、今日に順延になりました。
実は自宅稽古を入れてしまっており・・・
急遽、10時からのお稽古を9時開始に変更していただき、
11時に終える事ができまして、
片付けて運動場に着いた時は
丁度6年生組体操の出番待ちで間に合いました。
DA PUMPのUSAで華麗なダンス、そして組体操、
そしてウェーブにへと


今朝5時に起きて、お稲荷さんと巻き寿司を作り


お稽古の準備して頑張った甲斐がありました。
快く変更してくださった方にも感謝です。


今日のお菓子は栗餡と、柿色の白餡を茶巾絞りにして
『みのり』としました。
 

中置で薄茶、後炭、濃茶とお稽古、
初炭はするのですが、なかなか後炭のお稽古ができずにおり、
今日は、思い切ってしてみることに。

お茶を続けて稽古してくださる方が、少しづつ増え
お稽古の幅もちょっとづつですが、
広がっていくのが楽しみになりますね。

四ヶ伝三種のお菓子は【山苞】

2018-10-23 21:05:19 | お稽古
二・三日前、奈良も最低気温が一けた台になり、秋が深まり、
この土曜日からは奈良の秋の定番『第70回正倉院展』が、
奈良国立博物館で始まります。


暦の上では今日からは、二十四節気「霜降(そうこう)」
七十二候では「霜始降(しもはじめてふる)」なのですが、
今日は雨模様・・・その中をお稽古にこられました。
  

今日は四ヶ伝のお稽古
三種のお菓子は、『山苞』。
山苞とは山からのお土産、という素敵な意味があります。
お手製の『栗きんとん』、仙台からのお土産『ずんだ饅頭』に
水菓子は『柿』と。
  

今日は、盆点をいたしましたが、
一番難しいのは、『揉み手』。
次は、真の行の帛紗捌きですかね。
自分の物にするのには時間がかかります。
来月は、炉開きです。炉になりますと手順が少々かわります。
来月も四ヶ伝のお稽古頑張りましょうね。

秋篠寺の三つの歌碑に会津八一も

2018-10-21 07:52:00 | 会津八一の歌碑
『会津八一』さんの歌碑、頭からすっかり忘れておりましたね。
そういえば近くの『秋篠寺』の歌碑はまだ訪れておらず、先月、
所用で平城公民館へ寄る前、小一時間ほど訪れるつもりが・・・
歩みが遅かったのか電車が一本遅れになり、さらに裏側からの道
うろ覚えの頭の中の地図を頼りに歩いて行き、回り道したみたい
時間がなくなり、秋篠寺・東門前を通っただけだけに。
東門9/25、10/19

 
        秋篠寺全体図(パンフレットより)
今回は同じ轍を踏まないよう、余裕をもって出かけました。
バス道の東門、すこしモミジが紅葉したようです。
左手の細い道を進むと、開山されたとされる善珠様のお墓、

メモ)
秋篠寺は、奈良時代末期780年頃、光仁天皇・桓武天皇の勅願寺
でも詳細は不明で井上内親王と他戸親王の怨霊を鎮めるためとも
平安時代末期に戦火により七堂伽藍の大部分が焼失、鎌倉時代に
現本堂(国宝)が講堂の跡に再興されたが金堂や東西両塔の跡は
雑木林に。なお本堂には25体の仏像が安置され、目を奪われる。
本尊は薬師三尊像、左端に堀辰雄の″このミュウズの像″の名文
により著名になった諸技諸芸の守護神の伎芸天(重文)様、頭部
は天平時代の乾漆造りで造形の優美さと写実性は素晴らしい。

さて住宅地の細い道を廻り込むと赤い鳥居が見えます。
南門前すぐ横にあり、秋篠寺の元鎮守神「八所御霊神社』で、
案内板では春日大社の末社三十八所神社の本殿の旧社殿で、
室町時代のもので、早良親王(崇道天皇),伊予親王,藤原夫人、
橘逸勢,文屋田宮麿,藤原廣嗣,吉備大神,大雷神天皇をお祀りに
八所御霊神社

そしてその右手には秋篠寺南門がひっそりと。
南門

門から苔むした林に囲まれた参道が伸びております。


参道を15m程の左側に、やや黒い歌碑がぽつんと佇んでおります。
八一と小さく彫られており、会津八一の歌碑に違いありません。
秋篠寺で詠まれた三首のうち第3首でやっとお会いできました。        
あきしの の みてら を いでて かへりみる 
  いこま が たけ に ひ は おちむ と す

秋篠の み寺をいでてかへりみる生駒がたけに日はおちむとす
          鹿鳴集・南京新唱(第49首)より 

今の秋篠の里は競輪場や新興住宅街になり、面影はない。

廻り込み裏には「昭和庚戌」と、建立は昭和45年(1970年)に


秋篠寺で詠まれたの残り2首を記すと、
第1首)
たかむら に さし いる かげ も うらさびし 
       ほとけ いまさぬ あきしの の さと

東塔跡

第2首)
まばら なる たけ の かなた の しろかべ に 
     しだれて あかき かき の み の かず


         鐘楼付近の白壁と柿

秋篠寺にはあと二つ歌碑があり、どちらも伎芸天を詠まれる。
JR東海より

諸々のみ佛の中の伎芸天 何のえにしぞわれを見たまふ
                      川田 順
 表 

贅肉 なき肉置の 婀娜に み面もみ腰も ただうつつなし
                     吉野秀雄
「あまりじし なきししおきの たをやかに
         みももみこしも ただうつつなし」
表 

さあ、本堂にて仏様方にお会いしましょう。

「建国1100年高麗・金属工芸の輝きと信仰」展

2018-10-19 20:46:57 | 大和文華館
先日訪れた大和文華館、台風21号で苑内の木々も大きな被害で
先月の散策路は通行止めもあったが、今は表面的には元通りに。


館では10月6日から11月11日まで1100年前に朝鮮半島に誕生した
高麗ー金属工芸の輝きと信仰』特別展が開催中。


高麗は918年~1392年と長く、隣国中国の政情に影響を受けるが
文化・美術に成熟した時代で仏画、金属工芸、螺鈿や青磁に仏教
文物が制作され、国の安泰や個人の信仰なども願っていました。
展示総数92件、2件の重要文化財と1件の重要美術品を含み、
展示は4章から成り、教えて頂いたのは、瀧朝子先生です。

いつもの如く、展示室内に入ると、正面には三つの展示箱が・・・
左側:16如来鏡像と17水月観音・宝塔鏡像、
   心の目で見ると浮かび上がって来ます。
中央:59『鉄地金銀象嵌鏡架』愛知県美術館(木村定三コレクション)
   黒いのは鉄で錆が出て二年かけて保存修理、日本では唯一、
   鏡を掛けるハスの蕾で花の中心が金、白っぽいのは銀、
   黄色味を帯びるのは同時に金メッキが  
鉄地金銀象嵌鏡架

右側:33銅製銀象嵌柳水禽文浄瓶 漆黒の銅肌色で、線で銀象嵌
   柳の下の水で鴛鴦(おしどり)が遊ぶ
 銅製銀象嵌柳水禽文浄瓶

Ⅰ.花開く高麗の文化
2.大方広仏華厳経巻第四 高麗後期 徳川美術館

3.大方広仏華厳経 巻第三十五・六 高麗後期
   紺地に金泥の上に、朱や群青の彩色が 前田家伝来 
大方広仏華厳経巻第三十五

 大方広仏華厳経巻第三十五と冶金を   

8.螺鈿菊唐草文小箱:丸みを帯びた形、菊唐草文に続く線は
    銅線が用いられ、牡丹唐草文や鋸歯状文も。
    化粧箱として作られたが、伝来した日本では茶箱に。
螺鈿菊唐草文小箱

Ⅱ.信仰の美ー舎利容器の系譜
9.金銅飛天形飾金具、鳳凰に乗る人物が鳳凰の尾は鉄芯が
金銅飛天形飾金具

10.金銅舎利容器 4点 統一新羅時代 東京国立博物館 重要美術品
12..銀製層塔形舎利容器
銀製層塔形舎利容器

13.金銅八角舎利容器 「至治三年」銘 高麗美術館

Ⅲ.信仰の美ー高麗の荘厳具・梵鐘
18.銀製鍍金観音菩薩・毘沙門天像小仏龕:東京国立博物館
   個人の願いを


28.羅漢図 高麗・「乙未」1235年 
   1231年元が高麗に侵略、国家太平を願い五百羅漢像を発願
   その残服で、両手を結び険しい顔を。衣に朱や白、淡緑を
羅漢図

29.銅製銀象嵌梵字宝相華唐草文香炉:根津美術館

30.銅製銀象嵌梵字唐草文香炉:長谷寺


31.水月観音図:補陀落山で右下に水面井浮かぶ蓮弁で善財童子が
    うねる波は水墨で、静けさと厳しさも
水月観音図

39.梵鐘 「峻豊四年」銘 963年 広島・照蓮寺 重要文化財
   北宋の年号で、やや雑なつくりだが、飛天はふくよか
40.梵鐘 「太平十二年」銘 1032年滋賀・園城寺 重要文化財
   契丹の年号で、飛天は細見で、パルメット


41.42.梵鐘は金の年号

43.阿弥陀八大菩薩図 高麗後期:やや硬い表現で高麗仏画の佳作



Ⅳ.装いの美ー装身具・鏡・飲食器
45.金製垂飾 八対 三国(新羅):亀甲文
一部


50~54.金製蓮に、亀文、梅文、鳥文、菊文など
亀 梅  

57.銀製鍍金針筒

60.高麗唐草文鏡 京都国立博物館 :小さくて薄い
高麗唐草文鏡

80.龍樹殿閣文鏡 :兎とヒキガエルが
82.波涛船舶文八稜鏡
波涛船舶文八稜鏡

鏡だけで28点もそろっており、見事としか。
でも館内は本当に空いていました。

『日々是好日』映画鑑賞行ってきました

2018-10-17 12:25:32 | 日記
平日朝一番の上映に行ってきた『日々是好日』。
日々是好日HPより
いつとはなしに茶道に魅せられ、はまって行く女性のお話ですが
最初のシ-ンはフェデリコ・フェリーニ監督作品『道』と言う映画を家族で行き、
不満いっぱいの主人公の女の子は「デイズニ―の方がよかったのに・・・」
10年後大学生になった時、同じ映画を観て心から胸を打たれる
子供の時は、同じ映画を観ていても暗い、可哀そうと思うだけで・・・

日々是好日HPより

茶道も一緒ですね、始めた時は、
『お饅頭が好き』『着物が着たい』『お行儀作法』『物々しい感じがいい』とか・・・
それでも年を経ていくと、その年、その年で変わって行く茶道を感じます
いいものは、自分の成長と共に、心に訴える奥域があるのですかね
そんな事を思いながら・・・
その中で先日、壮絶に生を全うした樹木希林さんが
日々是好日HPより

お茶の先生(武田のおばさん)で出演されており
自然体で肩に力が入っていない演技に感動いたしました。

頑張るとついつい肩に
お茶のお点前をしていてもついつい肩に力が入りますね。
どんな時でもどんなお点前でも自然体で取り組めたらいいですね。
これは、『和敬静寂』の寂?

中置大板で初炭のお稽古を

2018-10-16 12:20:49 | お稽古
寒露に入り、この秋始めて火が恋しくなる日、着物を着ても汗知らず
嬉しいような、何故か もの悲しいような・・・

中置で初炭のお稽古を、香合は『砧』  
 
炭斗、灰器の準備は風炉の初炭とかわりませんが
畳の中央に風炉がくるので
客側に釜を下ろす場所がありません
それで勝手側に釜を下ろしますので
自動的に釜敷を懐中する時はわさが奥になります
(懐に入れる紙釜敷のわさは常に釜を下ろす方に)
又、手狭なので鐶、火箸は使い取りです。
と言う事は、釜の前に座ったら
『羽、香合、釜の蓋、鐶かけ、釜敷、前に出る』
 
風炉の初炭は、中置になるとちょっと変わるので
やはり10月に一度はしたい手前ですね。


寒露菊花開日に秋明菊を

2018-10-14 19:27:23 | お稽古
昨日は、孫の小学校の運動会
朝起きたら『寒!』でも気持ちよく晴れて運動会日より 
お稲荷さんに海苔巻き巻いて・・・
しっかり防寒して出かけたのに
カンカン照りの一日でもっと日焼け対策していけばよかった
と後悔・・・でも子供達の成長が嬉しい運動会でした。

今日のお稽古は、庭に花がない
木槿、萩は終わり、ホトトギスは咲き誇っていますが、菊は未だ
どうしましょうと思っていましたら、鉢の秋明菊が咲いていました
紫式部の実とさんしゅゆの実と水引と一緒になんとか形になりました。
   お菓子は、栗きんとん
 末富さんの行雲流水と高山武藤杏花園の麦落雁
さあ名残の月のお稽古は一か月だけの『中置』です。

18’長月中旬から今日までの玄関のしつらえ

2018-10-08 19:26:09 | しつらえ
今日から二十四節気の第17「寒露」、晩夏から初秋にかけて
野草に宿る冷たい露のことでなのですが、朝から良いお天気、
祝日の「体育の日」を迎えました。

でも朝から薬師寺で天武忌のご奉仕に伺っておりました。

帰ってTVから今春訪れた「名古屋ボストン美術館」が今日8日で
閉館となるため、朝から大勢の方々が訪れられている映像が。
場所的には良いのに、残念なこと。

長月中旬からの玄関のしつらえも、今日までになりました。
この春に名古屋の美術館巡りをしたことが思いだされます。
10/6  
       平安時代12世紀 徳川美術館

色紙は徳川美術館で求めており、
源氏物語絵巻四十三の内「宿木三絵」部分になります。

秋の夕暮れ、久方ぶりに身重の中君のもとを訪れた匂君は、
中君の心を粉らわせようと端近に座し琵琶を弾き聞かせます。
『秋果つる野辺の毛色も篠薄 ほのめく風はつけてこそみれ』
            続きがあり『わが身一つの』
訳「秋の終わりは 野辺の景色の篠薄に吹く 仄かな風によって
        知られます。自分一人の秋ではありませんが」
中君が離れていく二人の心を歌に詠む場面ですね。


    三省堂 辞書ウェブ編集部による ことばの壺より

なお今年も虫籠には、孫の作の蟷螂
有馬籠」さんの竹細工の鈴虫が仲良く、鳴くのかも。