気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

のし柿はいかが

2016-01-31 16:21:32 | 主菓子とお干菓子
お稽古日の変更の電話が入り、明日の午後からでしたら
私にも空いた時間があり、お稽古をすることに。
  
お軸は『春嬉』
鈴香合は炷儘入で、可愛くてつい手元に。

干菓子は、柴舟と『のし柿』(つちや、大垣)を
 
『のし柿』の表包装は、赤地に白抜きの文字が。
旅人の縁(よすが)と なりて久し のし柿
 
  
柿色の『のし柿』が1包みに2枚入っており、
薄い板状でゼリー様を呈しています。
口の中では、素朴な甘さとともに、
ほんのりと柿の風味が懐かしい味です。
のし柿は「干し柿の王様」と呼ばれる堂上蜂屋柿を
羊羹と共に練り上げて作られており、
以前いただいたことのある、竹を割った容器入りの
有名な『柿羊羹』が思いだされました。
”お構いできませんが、またおいで下さい”

なお大垣は、松尾芭蕉の「奥の細道」むすびの地ですね。
結びの句としは
蛤の ふたみにわかれ 行秋ぞ
を遺しております。
また『笈日記』では、
香を探る 梅に家見る 軒端哉
と詠まれ、梅の開花には少し早いですが、
床に合っていますね。
 

「あるべきようわ」で思う

2016-01-30 16:08:15 | 書籍
玄関の色紙です。
薬師寺管主、山田法胤さん
「見てござる 聞いてござる
    佛は皆 知って ござる」


このところ、また『政治と金』の問題が・・・
政治家の「阿留辺畿夜宇和(あるべきようわ)」も
考えさせますね。
家に一冊、白洲正子さんの『明恵上人』
現代日本のエッセイ、講談社文芸文庫本がありました。
本の解説は、河合隼雄さん
どちらもなかなかすっと頭の中にはいってきません。

あるべきようわ』を
もう少し委しく語ったものが、伝記の中にあり、
主観的に感じていただければと思い、
抜書きいたします。
『或時上人語て曰く、我に一の明言あり。
 我は後世を資からんとは申さす。
 只現世に有べき様にて有んと申成。
 聖教の中にも行ずべき様に行じ、
 振舞べき様に振舞へとこそ説き置かれたれ。
 現世には左之右之あれ、後生計り資かれと
 説かれたる聖教は無きなり。
 仏も戒を破て我を見て何の益かあると説給へり。
 仍て阿留辺畿夜宇和と云七文字を持つべし。
 是を持つを善とす。
 人のわろきは、態とわろき也。
 過ちにわろきには非ず、悪事をなす者も、
 善をなすとは思はざれども、
 あるべき様にそむきて、まげて是をなす。
 此の七字を心にかけて持たば、
 敢て悪き事有べからずと云々』
  
また明恵上人は、六波羅探題(後の三代執権)の北条泰時との
二人の最初の出会いは、不審者としてであったが、以後
上人を敬う泰時は、度々高山寺を訪れ法談に及んでいます。
「我不宵蒙昧の身にありながら、
 辞するに理なく、
 政を務りて天下を治めたることは、
 一筋に明恵上人のご恩なり」と語り、
そして泰時には
『只太守一人の心に依るべし。天下の欲深き訴えが来らば、
 我が欲心の直らぬ故ぞと知りて、我が方の心を返して、
 我が身を恥しめ給うべし。
 彼を咎に行い給うべからず。
 たとえば我が身のゆがみたる影の、
 水に映りたるを見て、我が身をば正しく成さずして、
 影のゆがみたるを怒りて、影を罪に行わんとせんが如し』
と説いたそうです。
明恵上人が泰時に教えたのは、政治の技術ではなく、
政治の「あるべきようわ」についてであり、
末法思想が流布している中にあり、
いかに生くべきかという現実的な問題だったようです。

なお明恵上人は生涯の持仏として
「仏眼仏母」の掛け軸を持っておられ、

もろともに あわれとおぼせ み仏よ
      きみよりほかに しるひともなし

と詠まれております。

立礼での初稽古に

2016-01-29 19:30:13 | お稽古
うつしみや 音に出でたる 寒の雨
           日野草城(ひのそうじょう)
今日は、モダンな作風の草城忌だそうです。

昨夜からの雨が降り続き、風も時に強く吹きますが、
それほど寒くありません。
 

今朝は点茶盤でのお稽古となります。
先月の点茶盤のお稽古は、八畳間
炭もなく、電気ストーブで、寒い思いをされたでしょう。
年もあらたまり、北側ですが、光の入る六畳間へと
昨日の間に、移動させました。
 
部屋が違えば雰囲気も変わることですし、
またこの日のお稽古まで、
残しておいた正月飾りも喜んで頂けるでしょうか。
 
あの雨の中、お二人が、
お一人はここ何か月かお仕事の都合で、
久しぶりのお稽古となりました。
お越しいただけただけでも、本当に有難いことです。
初釜にも来て頂いた方からは、
点心を、ほめていただき嬉しくて、
また、がんばらねばと思いを強くしました。

お帰りには、玄関先の胡蝶蘭などのお話も出ており、
この華やかさに、僅かでも癒されて下さいね。

阿留辺畿夜宇和(あるべきようは)明恵上人より学ぶ

2016-01-28 18:00:07 | 日記
     デルフト焼2006.(アムステルダムにて)
「阿留辺畿夜宇和(あるべきようは)」
ー明恵上人の言葉をヒントに仏教を考えるー
東大寺(教学執事)持宝院住職の上司永照さんのお話で、
はじめは、無上甚深微妙法 百千万功難遭遇 
     我今見聞得受持 願解如来真実義
終わりは、願以此功徳 普及於一切 我等与衆生 皆共成仏道
読経の声はさすがに、部屋の中に響き渡ります。
癒されました。

明恵上人は、以前触れた宇治の萬福寺の前にある駒蹄影園碑
 
栂山の 尾上の茶の 木分け植ゑて 
        あとぞ生ふべし 駒の足影
」 
和歌にもたけておられ、秀逸なのは、
あかあかや あかあかあかや あかあかや 
        あかあかあかや あかあかや月

子供のような澄んだ心と最後の月が表すように
大人のユーモア溢れた和歌になっておりますが、
上人の厳しい生き方からは、求道一途、
人のあるべき姿を詠っておられるそうで、
法然上人の専修念仏批判(摧邪輪)や
51篇からなる「栂尾明恵上人遺訓」からも
そのことが伺えます。
特に下巻にある
阿留辺幾夜宇和(あるべきやうわ)」は
万葉かなで、漢字には意味はありません。

「人は阿留辺畿夜宇和と云う七文字を持つべきなり。
 僧は僧のあるべき様、
 俗は俗のあるべき様なり。乃至、
 帝王は帝王のあるべき様、
 臣下は臣下のあるべき様なり。
 此のあるべき様を背く故に、 一切悪しきなり。」

河合隼雄先生の著書『明恵 夢を生きる』も
引き合いに出され、きわめて実在的な生き方を
提唱されているのではないでしょうか?

昨日のBS-TBSの番組と今朝のこの講座と
二日続けての上人様の名前を耳にして
鳥獣戯画や日本最古の茶園として知られる
京都栂ノ尾、高山寺に伺わなければいけません。
上人の命日は1月19日で、法要は終わった後、
残念ですね。

胡蝶蘭で玄関が華やかに

2016-01-27 17:56:24 | 季節の花々
先日、薬師寺の初茶事に伺う折、
ご近所の方も、ご自分の用時に着物での出席のため、
一緒に着物を着ることになりました。
朝玄関に来られると、着物の包みと花包みを持たれており、
少しですがと、
早速、玄関に活けさせていただきました。
冬の暗い雰囲気が、「胡蝶蘭(こちょうらん)」で、
前⇒今
なんと華やかになったことでしょうか。
花言葉通り、幸福が飛んできました。
 
万年青も、胡蝶蘭も、水を替えてあげると
かなり持つのだそうで、
鮮やかな玄関になり、有難いことです。

『蘭の香や 蝶の翅つばさに たきものす』 
                    芭蕉

胡蝶蘭を詠んだ歌かと思えば、
実際の蘭ではなく、「蝶」という名の女性に
せがまれて詠んだ、架空の蘭とされております。

特に洋蘭は日本に自生しておらず、また
冬から春に咲くことが多いため、
俳句の季語として「洋蘭」を用いる事は、できず、
さらに花の名前も短縮して使えないため、
音字が長くなりことより、困難だそうです。

なんと俳句の世界で、季語として蘭は「」だそうです。
日本で咲く蘭のほとんどが「春蘭」系で、
中国における蘭も、
花中四君子が絵画に使われるときは、
蘭は春、竹は夏、菊は秋、梅は冬とされており、
蘭の季節は「春」なので、不思議ですね。

天津乙女椿が一輪

2016-01-26 14:08:26 | 季節の花々
今朝も奈良は氷点下3.4℃、昨日よりは温かい?
寒いのは寒いです。
九州や山陰でも、凍結による水道管破裂のニュースが。
昨日の3時間の断水でも困ったのに・・・
水は生活には必需品ですから、
危機対応として考えなければなりませんね。
いますぐ
トイレの使用法は、どうすれば、なるほど、他には
JIS防災マニュアル準備編を参照してください。

朝一番で、水道工事屋さんが、昨日の応急処置から
水抜き栓と止水栓を付けに完全修復に来てくれました。
応急処置完了工事
水道工事屋さんの地元は-7℃だったそうで、
”ここは温かいですよ”と、上には上があるものです。
工事中も、電話が鳴っており、
71歳の親父の手も借りて対応しておられるそうで、
早々にお帰りに。

日差しは暖かく、サンルームにおりますと
何もする気がしませんね。
体調不良もあり、やっと
紹鷗棚や、陰干ししておいた毛氈など、
次回も使えるよう、きちんと収納し、
初釜の後始末も無事済ますことができました。

庭では、15日のブログで触れた蕾の天津乙女椿が、
15日の蕾
一輪だけですが、
極薄桃色のかわいい花が咲いておりました。
 
先月から天津乙女椿の葉の色が変わり、
病気の気配、
まずは『木酢酢』を施し、様子を見ております。
このまま咲いて、床も彩っていただけますように。

お稽古前に、庭の水道管が破裂

2016-01-25 15:01:40 | お稽古
朝のお稽古の準備で、まずは玄関先の掃除を終え、
北側の六畳間のしつらえを確認するのですが、
あまりの寒さに、ブルブル
天気はよさそうなので、
日差しの射し込む南側の四畳半へ、
お稽古場を移動することにしました。

干支の香合、申=五郎丸さんもお連れし、
  
紹鷗棚の移動を済ませ、
炉の準備にと立ち回っておりますと
 

突然、大変なことが、
庭の水道管から水が吹き出してきました。

凍った水道管が破裂し、
朝からの太陽で温められ、水が吹き出したのです。
あわてて、元栓を閉め、電話を入れており、
同時に、お稽古にお一人来られました。
ご自分の稽古準備をしていただいていると
水指にまだ水が入っていない事に気づき、
もう一度元栓の開閉を。

さあ、気持ちを落ち着けて、
紹鷗棚での稽古は、最後になります。
ご挨拶から、稽古がはじまりました。

有難いことに、この工事をされた水道屋さんが、
お昼頃には応急処置に来ていただけました。

”今も電話が入り、こんなに気温が下がるなんて”
予想されておらず、てんてこ舞いだそうです。

連れ合いは、水道管に
防寒パッドを巻いてあったので、安心してたそうで、
きてくれた工事屋さんに、
苦情も含め、改善を提案しておりました。
でも、今朝の奈良は氷点下4.6℃まで下がっており、
水を少し出しておけばよかったのに”と
今になって悔いでおりましたが、
お昼ご飯も無事頂くことができると、
男の無邪気さ、嬉しそうでした。

オイルサーディンと冬野菜のパスタ

奈良若草山の山焼きは、燃え広がらず残念

2016-01-24 14:56:53 | 日記
厳しい寒さの中、朝から薬師寺さんでの初釜へ、
気温は0℃で晴天、もたもたしていたためか
電車に乗り遅れ・・・ぁぁぁ
何とか午前の部に潜り込めました。
係りの方のお話によると、
花びら餅を千個用意されており、
雪が、降るかもとの予報で、やきもきされていたそうです。
忙しいですが、勉強になりました。

お山焼 蜂火の如き 花火揚げ
         奥村鷹尾 京鹿子
昨夕、孫と一緒の晩ごはん中、
午後6時15分の花火の音で、なんの音?
隣の犬も鳴き始め、ああそうだ
奈良若草山の山焼が始まった事に気づきました。

  
  
15分間の花火も、終わりました。
さあ、山焼きが始まります。

まてど、これ以上の火が広がらず、
30分待つも、残念!

後で息子に聞くと、小雨が降っていたそうで、
山草は濡れており、燃え広がらなかったようです。
ホームページの画像を紹介します。
春日大社の大とんどからの御神火を

点火されております。 

平城宮跡から(花火との合成写真)


2月に入り、後日、昼間に再度燃やすそうです。
その時は、黒々とした若草山を紹介いたしますね。

室町耽美抄『花鏡』をぜひ

2016-01-23 09:25:20 | 書籍
お友達の本棚で、見つけました。
本の帯の、「能、禅、茶という日本文化の・・・
石田衣良さんの推薦文が目に留まり
表紙 裏表紙
装幀:岩崎重力、装画:岡田航也
すてきな装幀で手に取りました。
ペ-ジをめくると、

現代の美の世界の源流と言われている室町時代、
申楽から能楽へと大成させた世阿弥
能楽の本質に迫った金春禅竹
闇に生きた風狂僧の一休宗純
茶と禅が融合した侘茶の村田珠光
求道に生きたこの四人の実像に迫る連作集です。

”お借りしてよいでしょうか”との問いに
あっさりと「買ってね」
手元に置いておきたい本なのですね。

手に入れ、読み始めましたが、
あっという間に、引き込まれてしまい、
暇さえあれば、読み進め、
体調不良の遠因の睡眠不足に。

作中には、
世阿弥が亡くなった後、
禅竹と世阿弥の甥である音阿弥が、芸の優劣を競ったり、
一休は師との禅問答の様子が、
そして珠光は闘茶にと、
ワクワクする勝負所が描かれております。
室町の血肉を争う戦乱を背景に
日本文化がこのように美しく花咲いたのですね。

最後になってしまいましたが、
作者は、いま流行の真田丸(大河ドラマ)、
この真田を2012年、2013年と続けて書かれておられる
海道龍一朗さんです。

空のハチの巣が庭に

2016-01-22 17:23:08 | 日記
今日は京都で、ある講座に参加しました。
京都の冬は、奈良に比べ、風が強く冷たく感じられます。
北に上がるに従い、底冷えが。
病明けの体を労り、早々に帰ってまいりました。

庭には昨日の強風で、落とされたのか、ハチの巣が、
かなり傷んでおり、中は空で、寂しげです。

ひと日見ぬ 間よ蜂の巣に 蜂もなし
  岩波午心(江戸後期、小田原)「発句類聚」より
この句は、本来春の句なのですが、・・・
女王蜂は、何処に・・・
(枯れ葉などの間でじっと春を待っているのでしょう)

寒いといえば、この冬最大の大寒波が、西日本中心に、
日曜から押し寄せるそうで、
なんと40年に一度とのこと。
でもこんな寒さも、色々な意味で必要ですね。
畑には、荒おこしの後、1か月ほど寒ざらしをすると、
害虫駆除ができるそうです。
ぶつぶつ言いながら、連れ合いが狭い畑を耕しており、
そういえば、18日(月)が土用でしたですね。
寒晒 土用のなかを さかりかな』 
  森川許六(江戸前・中期、彦根)「篇突」より

稽古場の床のお軸を替えておりました。
松無古今色
  
『禅林句集』五言対句で
松無古今色 竹有上下節
読み:松に古今の色無し 竹に上下の節あり
   松は昔も今も、常に青々していて
   その色を変えることがない。
   竹はいつも青々しているが、上下の節がある。
このことから
・・・・・・・
どのように考えられるかは、皆様にそれぞれに。