気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

炉と風炉の入れ替えで、はじめての鱗灰を

2016-04-30 18:47:57 | お稽古
昨日は寒気が南下し、奈良の街角にも、
寒い風が吹き抜けておりましたが、
若草山の緑はより一層濃くなり、初夏の装いのなか、
先生宅の炉と風炉の入れ替えがあり、お伺いしました。
 

私のお稽古場の炉壇は銅製なので、
先日済ましておりますが、
木製の箱の壁面を土で塗った「炭櫃」(すびつ)と
呼ばれる塗炉といわれる本炉での経験はほとんどなく、
よい勉強になりました。

お聞きした話では、そのまま入れっぱなしにしておくと
アクにより腐食したり、灰のあたった部分が変色し、
炉壇が痛むそうで、ひどい時は灰が堅く固まり、
炉壇ごと捨ててしまわれたという話も。

先生のところでは、
畳と炉壇の縁が汚れないように
新聞紙で焦縁を作り回りに
新聞紙を引きます。
炭を次いだ部位の灰は、
荒目の濾しアミを通し消し炭を除き、
すべての灰を、ビニール袋に移します。
底の煉瓦、炉壇を筆で綺麗に掃き清め
煉瓦は広告で綺麗に包み炉壇の中に入れ置き
炉蓋をして畳を替えました。
最後にお掃除をして終了です。
身だしなみは、マスク、エプロンも忘れずに
写真は自宅の炉です
  
私のところは銅製なので
灰を上げた後は、固く絞ったタオルなどで拭い、
次に乾いたやわらかい布で乾拭きを
   

炉壇を乾燥させてから
炉蓋(ろぶた・四角い板)で蓋をし、
その部分に畳を入れます。
    
その後、風炉の灰を
奉書を敷瓦の形に切って敷き
敷瓦をのせ風炉灰を入れ五徳を入れて
釜を乗せ高さ、位置の調整をして
灰づもりをして前瓦の位置を決めます。
いよいよ仕上げです。
やはり、なかなか上手くいきませんが、
あきらめて終わりました。
お昼を食べて午後からは炭の入れ替え
道具の入れ替えと共に水谷のお掃除をして
今日の予定終了です。
お昼をいただきながら
明日のお稽古が話題に
明日は、初風炉で
真の炭、真の行、大円の草です。
それなら、午後から鱗灰を作っては・・・・
という話になり
風炉灰を乳鉢ですりつぶし
一つづつ 鱗灰を作って
一文字押切に置いていきます
5人で交代しながらなんとかできました。
 
これが鱗?情けない仕上がりではありましたが、
初めて鱗灰を作り、達成感で5人はウキウキ

赤膚山元窯で

2016-04-29 17:07:55 | 散策
         赤膚山元窯、古瀬堯三窯と背後の五条山
衣だに 二つありせば あかばだの
     山にひとつは かさましものを

             伊勢物語121段
昨日の昼過ぎ、雨が降り始めた中、
赤膚山元窯、古瀬堯三(ふるせぎょうぞう)窯に、
一回限りの講座「赤膚焼を作ろう)で、お邪魔しました。
 
ご自宅でしょうか?
 

第八代古瀬堯三さん自ら、話を始められました。
「奈良絵で有名な赤膚焼そのものには、
何ら制約はなく、自由なんです」と。
そして天正年間大和郡山城主、豊臣秀長公により
尾張常滑の陶工 与九郎を招いて開窯させたのが始まりで、
一時衰退した後、天明年間に柳澤保光(堯山)公が
当窯の祖である治兵衛を京都から呼び寄せ
再興させたというお話に続きます。
堯三の名は、柳澤堯山の一字「堯」の字を頂だかれており、
現在は八代めになります。
父(八代、治兵衛)は7年前に亡くなり
私が将来八代目を継ぐべく修業中と・・・
実はこの方、おじさんではなく、女性で気さくな話しぶり、
親近感が持てますね。
良い目をされておりました。

窯は大(江戸後期)中(昭和初期)小(昭和後期)と
三つの登り窯をもたれており、すべて使用可能なため、
登録有形文化財(大、中)なんです。
中で奥に小
小は顔に見えませんか?

特に一番大きな窯は、現在発掘調査中で、
前方は、耐火煉瓦を新しくされておりました。
 
後方の古い部分(調査中)
  

赤膚焼の名前の由来は、先の柳澤公なのは知っていましたが、
五条山近辺の赤い陶土(鉄分だそうです)を使って焼くため、
釉薬のかかっていない素肌の部分、茶碗だったら高台の辺りに、
温かみのある仄かな赤みを指すところからだそうです。
HPより
五条山へ登る途中(高低差で15m程度)

10年分の土だそうで、こうして放置しておくと
アクが抜け、熟成?、使える土になるのだそうです
一部は近所の宅地開発(近くまで住宅が迫っています)で、
使える部分をもらってきたそうです。
くぼんだ所
五条山頂上近くから、若草山も。

藤の花がきれいです。
  

雨が激しくなる中、作陶を!
手回しロクロははじめて、
紐が上手く同じ太さになりません
でも撒いてゆくしかなく、高低差が
30秒程度の修正で、見違えるようになります。
さすが
二時間があっという間

出来上がりは3か月後になります。
何を作ったかは秘密。

「柳緑花紅」ただそれだけ

2016-04-28 12:05:30 | しつらえ
奈良は雨が止み、小康状態、雲は厚いですが、
遠くの高円山の緑が映えております。
緑色を見るとなぜか、穏やかな気持ちになりませんか。

被災地も、雨ですね。
二次災害が起こりませぬように。。。
嬉しいことに、新幹線が全通、少しずつですが・・・

床にかけております軸
柳緑花紅」(りゅうりょくかこう)
          大徳寺再住 桂堂老師(509世)書
柳は緑、花は紅(やなぎはみどり はなはくれない)。
 ”柳は緑、花は紅、ただそれだけのことである”

茶掛の禅語辞典(淡交社)によりますと
 柳は緑色、桃の花は紅。
 私たちの目に映るあらゆるもののあり方が、
 一つ残らず真実の姿であること。
 森羅万象の営みの中に、偉大な生命が
 常に生き生きとはたらき続けていること。

たったの四文字、詩的な中に、哲学的な要素が
含まれ、心に深く感じる言葉ですね。

一休禅師は道歌で
「見るほどにみなそのままの姿かな 柳は緑 花は紅」
沢庵禅師は
「色即是空 空即是色 柳は緑 花は紅 水の面に 
 夜な夜な月は 通へども 心もとどめず 影も残さず」と

この語より、柳緑(りゅうりょく)という色ができたそうで、
青々とした新緑の柳のような青みの強い黄緑色になり、
出典の禅語のように「あるがまま」で
穏やかな落ち着いた気持ちにさせてくれます。

ところで、禅語辞典で紅は、桃の花に、
季節的に奈良では桃は3月下旬で柳は芽吹いたばかりで
こちらでは会いません??
今の季節、ツツジとのコラボにて
  

奈良の八重桜」が咲いたとの情報、行かなくては?
近所のソメイヨシノの木では実が赤く色づき始めております。


それからこんなお菓子を見つけました。
今年はもう遅いですが、忘れずに、来年に。

孫から風流と風情の違いを聞くことになろうとは

2016-04-27 11:27:17 | 日記
昨日のブログ『孫が作った青竹の花入れで』を
偶然、夕方に孫本人と妹と二人で我家にやって来ました。
挨拶もそこそこに、本を捜しに二階に。
おやつだよの声で、降りてきました。
”ブログにもらった青竹の花入れを載せたよ”っと
パソコンの画面を見せると、すました顔で、
あの絵は僕が描いた絵ではなく、
友達がいたずら書きしたものなんですって!

実は青竹の花入れは二作品、作ったそうで、
いたずらされたのは出来の悪い方
まあいいかなと思っていたら、
作品披露後、帰るとき
良い方をだれか持って帰ったのだそうです。
これを見てほしかったと、言っていたと思えば
==僕があんな下手な絵を描くもんですか==
言わんばかりの、顔をしております。
それから、
文章にある「風情」の文字を見つけ
風情(ふぜい)と風流(ふうりゅう)の違いを
知っていますかと、聴いてきます。
=風情は自然にででくる感覚で、
 風流は人工物に対して使うんです=
したり顔で、説明します。
小学4年生がですよ。
多分、最近本で読んだのではないでしょうか。
この年齢の子供は、直ぐ大人を試そうとしますから、
母親業は大変ですね。
頭を冷やして、こちらも対策を用意しています。
人の言うことは信じませんが、文字は信じるようですから
昔は辞典でしたが、今はおもむろにパソコンを開きます。
風情」>=「」>「風流」=「風雅
大人げないですが、お許し下さい。
 
お茶の世界は、「風雅」に・・・なのですね。
少し異論もありますが・・・
でもニュアンスとして通じるのであれば・・・

私も少し勉強させていただきました。
ありがとう。

女の子は、口うるさいのは難ですが、
いいですね。
時間を見つけて、お稽古に(お菓子につられてかな)
  
様になって来ましたよ。

孫が作った青竹の花入れで

2016-04-26 11:38:15 | しつらえ
日曜の自宅稽古の床のしつらえです。
軸は「柳緑花紅」大徳寺再住 桂堂老師(509世)書
大木平蔵作の皐月飾りと
花入れは青竹で、黒蠟梅と鳴子百合を挿しました。
  
実は小学4年生になった孫が、春休みに宇陀の工房で、
私にと言って苦労して作り、プレゼントしてくれました。
  クリックで拡大
先日のお稽古で、孫に頂いたものですと話をすると
学校の先生をされている方から、
”顔が書かれていますよ”と教えていただきました。
子供のことをよく御存じなのか、観察眼が鋭く流石です。
それを聞き、たしか本人からも聞いたはずだったことを。
年を取りたくないですね。

青竹の花入れの出来栄えは、『優』
ありがとう。
苦労したのでしょう。
やや左側に傾き、下部の表面のめくれもあり、
何とも言えない風情を醸し出しております。フフフ
いいですね!

小画伯は、でも何を描いているいるのでしょうか?
多分時間がなく、洒落のつもりだったのでしょう。

向かって左側に、笑い顔を
クリックで拡大
向かって右側に、「へのへの」もへじ
クリックで拡大
子供らしくて、
皆さん、ほほ笑んでくれました。

『青竹に へのへのもへじ 笑み浮かぶ』 愚作

炉最後の稽古は大賑わい

2016-04-25 13:55:28 | 主菓子とお干菓子
昨日の自宅稽古、お一人の予定が、
稽古日の振替の方や、一人では寂しいでしょうからと
三人様に、楽しくなります。
主菓子は四個作らないと、なににしましょうか。

風に吹かれると枝が細く良く揺れる事より
「山振り」が転じて「山吹」になったといわれる
やまぶき”をイメージしてみました。
名をどうしましょうか?

太田道灌の山吹伝説を思い出しました。
雨でを借りようとしたところ、
娘に山吹の花を一輪差し出された・・・
後拾遺和歌集の兼明親王のこの歌に掛けられており、
七重八重 花は咲けども 山吹の
   実のひとつだに なきぞ悲しき

山間の茅葺きの家であり貧しく蓑(実のひとつ
持ち合わせがないことを奥ゆかしく答えていたのです。
今日の主菓子は『道灌』に。
  

ところが、準備を終え着物に着替えている間に、
もうお一人が、四人様になりびっくり。
この方もやはり一人ではさびしいでしょうからと、
寂しいどころか、嬉しいことに大賑わいです。
主菓子をどうしましょう。
直ぐにでも、お稽古を始めなければなりませんから
私だけ違うもので。


透木釜で、最後のお稽古ですので、
運びで、濃茶平点前お二人、薄茶平点前もお二人、
本当に楽しいお稽古になりました。
でも一つ仕事が残っています。
閑をみつけて、炉のお掃除をしなくては。

炉最後のお稽古は、流し点てと濃茶付き花月

2016-04-24 08:34:54 | お稽古
          (左下に東大寺と若草山遠望、平城京跡より)
昨日はお稽古日で、少し早く家を出たので、
平城京跡に寄り道。
ここは、東院庭園付近です。
西側に第二次大極殿跡(手前)と第一次大極殿を

南西には朱雀門が望めます。


本当に良い季節、 
先生のお稽古場は、4月29日が炉風炉入れ替えです。
4月最後、台子のお稽古30日は、必然的に風炉となり、
炉、最後のお稽古。
朝から5人集まりましたので、
濃茶付き花月をさせて頂きました。
花月中は汗ばむくらい、炭も熾っており・・・
午後からは、流し点てをさせていただきましたが、
炭は落ちてきていますのに・・・
お湯はよく沸いております。

”暖かくなってきましたね。
 お花も椿は、もうありません。
 紫蘭も少し早いようにおもいますが”
とおっしゃりながら粉引の壺へと、
紫蘭が鎮座しました。
(写真は近所の紫蘭になります)
  

お軸は、“花” 玄々斎・・・・いいですね。

お菓子は早くも『カキツバタ』(奈良樫舎)で。
 

もう風炉ですね。


昨日からの雨も上がり、
今朝は自宅稽古でも、炉は終わりになります。
準備はOK、お待ちしております。

付)初夏の平城宮跡のひとコマです。
  
小子部門跡から伸びるたんぽぽの群落
  

茶禮祖「珠光」縁の称名寺での『珠光忌』のお知らせ

2016-04-23 15:27:45 | 散策
此道、第一わろき事ハ、
   心のかまんかしやう也

           村田珠光の「心の文」より

奈良で今年の二月に開催された「珠光茶会」では
奈良の一社七寺で行われましたが、
珠光ゆかりの寺『称名寺』が入っておりません。
どうしてなのでしょう?

称名寺(しょうみょうじ)は奈良市菖蒲池町にあり、
元は、興福寺の末寺で、現在は浄土宗西山派、
山号は日輪山と。
HPにて
”諸般の事情により普段の見学・拝観は、
 平成26年1月1日よりお断りさせていただいております。”
とのことですが・・・
今年の「珠光忌」には、命日の五月十五日、            
午後1時より厳修が執り行われます。
なお当日は、午前10時より午後3時まで
本堂と茶室を特別公開されるそうです。

(土壁の保護の為、茶室内への入場はお断り)

「侘び茶」の祖として知られる村田珠光が
11歳のときに出家したとされるお寺になりますが、
私はなかなか伺う機会がなく、
3月の初旬に、お伺いすることが出来ました。

近鉄奈良駅の天の交差点から北に5分

左折し、やや狭い道を100mほど進むと右側に
 
山門をくぐり、本堂に
  
鬼瓦とかわいい飾り瓦
  
珠光手植の竹
これで茶杓を作られたのでしょうか?フフフ
 
ひっそりとして、訪れる方もなく
さびしいですね。

「よいふうふ」の日です

2016-04-22 12:01:13 | 日記
今日は4月22日で、「よいふうふ」と読めますね。
いいふうふ』の日としては11月22日を日本生産性本部が、
1988年に提唱されており、 パートナー・オブ・ザ・イヤーが
選ばれたりして、近年定着した感があります。

「よい」と『いい』のこの日本語の形容詞の使い方
ブログを綴るようになり、変換も含め困っておりました。
ネット検索、便利で直ぐに出てまいります。
       (最後に付記として一部抜粋)
結論として
「いい」に名詞が付ける時は、
原則として「よい」を用いないそうです。

11月22日が使い方としてはGOOD!かな?
でも4月22日を講談社は、
1994年に「よいふうふの日」としており、
こちらの方が4年も早いのですよ。

今日の花は、手毬のように小さな花を枝先いっぱいに咲かせる
コデマリ、小手毬』です。

カナブンが蜜を吸っております。 
 
花言葉は、伸びゆく姿、努力、優雅、品位、友情

ちなみに、今日は私たち夫婦の結婚記念日なのです。
覚えておりますかね?
なんと39年目に、サンキュウ

付記)
”「よい」は形容詞(イ形容詞)として規則的に活用しますが、
 「いい」は基本的に連体形・終止形でしか用いられず、
 連体修飾と言い切り専用の形容詞と言えます。
 「よい」の連体および終止形の異形態と考えるのだそうです。”
 
 「よい」は主に書き言葉に用いられ、
 「いい」は話し言葉で用いられ、
 書き言葉でも「よい」は「いい」に比べ、
 より格式ばった印象を与えます。

 「いい」に名詞が付いては原則として「よい」を用いません
 (なお、これらは漢字では「良い」ではなく「好い」を)。
 逆に「心地よい/心地いい」「気持ちよい/気持ちいい」など、
 「いい/よい」が後接するものは両方とも用いることが可能。”

白雪芥子の花で思うこと

2016-04-21 16:32:59 | 季節の花々
TVからは、九州の被災地では雨が降っており、
今日は大雨と強風が予想されていると告げております。
なんとも非情な天気です。
余震もまだまだ、何事もないように・・・
 
ここ奈良でも、9時過ぎから雨が降り始め、
庭の花たちにも雨粒が、

4月7日のことなのですが、
庭の片隅に長い茎が伸び小さな白い花を一つ見つけました。
うつむきかげんに開いた白い花は、ハート型をした緑の
葉っぱと対照的で、目をひく美しさです。
調べることもなく、忘れていると、拝見しているブログより
シラユキゲシ(スノーポピー)[白雪芥子]と判明しました。
『花びらの 白雪芥子の 濃き蕊ぞ』  
  4/7
今日の白雪芥子の花は、枯れ始めており、
蕾と種子が一緒に見られます。
 4/21

育て方を見ておりますと、
繁殖は、種子よりも地下茎を途方もないくらい
四方八方にのばしていくタイプで、
適地ではたちまち周りの植物に覆い被さるのだそうです。

ここまで読んで、思い出しました。
義母がこの繁殖してしまった花に腹を立て、
すべて取り除いたと言っていたことを
気がつかず、あわてて廻りを見ると塀沿いに
2mぐらい先まで、このハート型をした緑色の葉が・・・

花言葉は、「あなたが大好きです」、
他には、優美、完全な美、清純な誘惑だそうです。
好かれるのは・・・
この花も、災害もですが、
ほどほど』に