語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【医療】1日30分でも3万円稼げるバイト ~レセプト審査~

2014年05月14日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)1日30分、自分の好きな時間に事務所に行って端末を操作するだけで、アルバイト代が3万円。月に10日間やれば、30万円を稼げる。
 ふつうのサラリーマンには、こんなバイトはまず無い。
 ところが、医師の世界では、こんなバイトが実在する。
 診療報酬明細書(レセプト)をチェックする仕事だ【注】。

 (2)診療報酬は、医療機関が提出したレセプトを基に、企業の健康保険組合や協会けんぽが医療機関に支払う。このうち、サラリーマンやその家族の支払った医療費のレセプトをチェックする機関が社会保険診療報酬支払基金だ。
 支払基金は、全国47都道府県に設置され、医療機関の請求が適正かどうか、毎月7,800万件ものレセプト審査を行っている。
 この審査委員が「おいしい」。
 ある県(首都圏)の支払基金では、毎月の審査は2週間前後で終わる。審査期間中は、9時から22時の間の好きな時間に事務所へ行き、所定の端末を操作して審査を行う。
 医師への謝礼は、1日当たり3万円。毎月30分審査するだけで、月に30万円近くを稼ぐ医師もいる。
 審査委員の任期は2年。地元の医師会や大学病院などの推薦を基に委嘱されるため、一部の医師の既得権益になっている。

 (3)支払基金の資料によれば、レセプト審査1件の平均手数料は約80円だ。
 単純計算で毎年750億円もの手数料が医療費に上乗せされ、医師の「おいしい」バイト代に化けているのだ。

 【注】<私たちの健康保険料から毎年1200億円超を得ている二つの医療費審査団体が、「天下り」を多く受け入れていることが朝日新聞の調べで分かった。厚生労働省はその統合に消極的だ。(中略)支払基金の給料は国家公務員より高い。朝日新聞が入手した内部資料によると、2008年度時点の平均年収は679万円。国家公務員の給与水準を約43万円上回り、全年代で国家公務員の平均年収を超えた。(中略)支払基金や国保連で医療機関からの請求書を判断する審査員を務めているのは医師や歯科医師、薬剤師だけだ。ある健保組合幹部は「請求側の医師がチェックするのは民間取引ではありえない」と不満を漏らす。>【記事「医療費審査2団体、天下り受け皿に 国や自治体OB/公務員より高い給料」(朝日新聞デジタル 2014年5月13日)】

□コラム「1日30分でも3万円稼げるおいしいレセプト審査バイト」(「週刊ダイヤモンド」2014年5月17日号)
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